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【読書記録】2023年9月17日〜9月23日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 今年の夏は真夏日が80日以上続いて、本当にもう死ぬかと思いました。
 しかし「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもんで、この記事を書いている9月23日の最高気温は25度。過ごしやすいといえば過ごしやすいけれど、なんかちょっと寂しいような…。

 さっ、なんだか中途半端な前置きはさておき、今週出会った、再会した本たちをご紹介します。

【2023年9月17日〜9月23日に出会った、再会した本たち】

⚪️少しだけ欠けた月 季節風・秋

著者 重松清

【内容紹介】
 同窓会で久しぶりに再会した中年五人が始めた秘密基地の集まりに、一人が息子を連れてきたいと言い出した…「秘密基地に午後七時」、男の子と、離婚する両親との最後の外食を描いた「少しだけ欠けた月」など、ひと恋しい季節にそっと寄り添うような「季節風」シリーズの「秋」物語。夕暮れの空を思い浮かべながら読みたくなる12篇。

裏表紙より

【収録作品】
オニババと三人の盗賊
サンマの煙
風速四十米
ヨコヅナ大ちゃん
少しだけ欠けた月
キンモクセイ
よーい、どん!
ウイニングボール
おばあちゃんのギンナン
秘密基地に午後七時
水飲み鳥、はばたく。
田中さんの休日

【感想】
 かなり切ない「秋」がテーマの短編集。
 前回この本を手に取ったのは6年前。転職し、子供達も成長したけれど、自分自身は…あまり変わってないかな。
 転校、引っ越し、思春期、空回りするオヤジ、介護の問題など重松さんお得意のテーマが並びます。
 どの話も甲乙つけ難い良作ばかり。
 今回特に心に残ったのは、自分の容姿が気になり始めた6年生の男の子が主人公の〝ヨコヅナ大ちゃん〟。そして両親の介護を妹夫婦に任せ東京で暮らす兄の気持ちを描く〝キンモクセイ〟のこの言葉。

「ごめんな」と「ありがとう」を混ぜ合わせた言葉があればいいのに。僕たちの人生には、その一言が必要な場面はたくさんあるはずなのに。

本文より

⚪️数字にだまされない本

著者 深沢真太郎

【内容紹介】
 売上目標、前年比、大学ランキング、平均年収、レビューの評価点…私たちの生活は数字で溢れています。でも、その数字は本当に信じていいもの?「ビジネス数学」の第一人者として人気の著者が、「数字を正しく読む技術」をエクササイズや事例を交えて解説。楽しく読み進めるうちに「世界を正しく見る目」が身につきます。

裏表紙より

【感想】
 「東京ドーム5個分の広さ」、「レモン10個分のビタミンC」、「5分に1個売れている化粧水」、「顧客満足度90%」よく目や耳にするこれらの数字をどう読み解くか、ビジネス数学教育者の著者がわかりやすく解説してくれる本です。
 まず大切なことは、その数字を鵜呑みにしないこと。
 改竄は論外として提示された数字には提示する側の何らかの意図が働いているということ。その数字はどこから、どういう計算で導き出されたのか?
 いわゆる「平均値」についてもその平均値の最大値・最小値、そして中央値がわかると全く別の意味合いを持つ。
 なるほど。

⚪️家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった かきたし

著者 岸田奈美

【内容紹介】
 真夏の甲子園でホットコーヒーの売り子をしたり、試着に1時間かかるブラジャーを買ったりと、なぜか日々おもしろいことが起きてしまう作家・岸田奈美がつづる、情報過多な日々のこと。大丈夫な家族と、大丈夫じゃない日々を、疾走感あふれるリズミカルな文章で、軽やかにユーモラスにとびこえる。笑いと涙と救いがそこにある。“弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった”“母に「死んでもいいよ」といった日”ほか傑作エッセイを多数収録。解説は一穂ミチさん。

裏表紙より

【感想】
 いわた書店の一万円選書で〝傘のさし方がわからない〟を読み、あまりのインパクトだったので慌ててこの本を入手。
 1冊目で免疫があるので、変な先入観はなくすんなり岸田さんの世界に没入。
 一番印象に残ったのは「黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」。
 コレどんな話だと思います?
 …なんと、ブラジャーを買いに行く話なんですよ!まさに抱腹絶倒。破壊力抜群でした。
 「ミャンマーで、オカンがぬすまれた」という話で語られる障害者との向き合い方は、まさにその通りだと思います。知らんけど。
 一穂ミチさんの解説も、とても素敵でした。

⚪️紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

著者 佐々涼子

【内容紹介】
 「8号(出版用紙の製造マシン)が止まる時は、この国の出版が倒れる時です」2011年3月11日、日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれた。本の紙の供給にはなくてはならない工場だ。閉鎖が噂されるほどの壊滅的被害だったが、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員の壮絶な闘いが始まった。工場のため、地元のため、そして本を待つ読者のために!絶望から立ち上がる者たちのドラマを徹底取材した、傑作ノンフィクション。

裏表紙より

【感想】
 なぜか毎年数冊、東日本大震災関連の物語やノンフィクションに出逢います。
 意識して手に取るわけではなくまさに偶然。これはやはり「忘れるな!」という何らかの力が働いているのかな。
 この本は東日本大震災で被災し奇跡の復活を遂げた、日本製紙石巻工場のドキュメンタリーです。
 当然のことですが、危機的状況でのトップの判断で明暗が大きく分かれることを再確認しました。
 8号機の再稼働の場面では鳥肌が立ちました。
 その他にも社会人野球チームの存続の話とか、紙の種類や製造工程の様々な工夫について知ることができてよかった。そういえば三浦しをんさんの〝舟を編む〟で主人公の馬締さんが辞書をめくった時の感覚を「ぬめり感」と言ってこだわっていたっけ。
 たかが紙一枚されど紙一枚。うーん、奥が深い。

⚪️エンジェル・フライト 国際霊柩送還士

著者 佐々涼子

【内容紹介】
 異境の地で亡くなった人は一体どうなるのかー。国境を越えて遺体を故国へ送り届ける仕事が存在する。どんな姿でもいいから一目だけでも最後に会いたいと願う遺族に寄り添い、一刻も早く綺麗な遺体を送り届けたいと奔走する“国際霊柩送還士”。彼らを追い、愛する人を亡くすことの悲しみや、死のあり方を真正面から見つめる異色の感動作。第10回開高健ノンフィクション賞受賞作。

裏表紙より

【感想】
 当たり前といえば当たり前ですが、これだけ世界が繋がればもちろん仕事、旅行、事件や事故そして病気などで、異国の地で命をなくす人も当然いるわけで…。
 海外で亡くなった日本人の、そして日本で亡くなった外国人の遺体はいったいどうなるのか?
 国際霊柩送還士という仕事を通して、改めて「死」とは、「尊厳」とは何かを考えるきっかけとなりました。
 そして本当の「プロ」とはどういうものかも。
 昨今は葬儀もビジネス色が強くなってきて、セレモニー的な葬儀に必要性を感じない人も多いようですが、ちゃんと悲しんで、ちゃんとお別れをすることは残された人が前に進むためにはやはり必要なのだと思いました。

⚪️駆け込み寺の男 玄秀盛

著者 佐々涼子

【内容紹介】
 新宿歌舞伎町「日本駆け込み寺」代表、玄秀盛。彼はDV、虐待、借金、ストーカーなど深刻な問題を抱える相談者を3万人以上救ってきた。それも無償でだ。近年は出所者を雇用・支援する居酒屋を始め、メディアを賑わせている。しかしこの強面の男はいったい何者なのか?なぜ人助けにすべてを捧げるのか?その答えは玄の壮絶すぎる過去にあったー開高健ノンフィクション賞作家の出世作。

裏表紙より

【感想】
 新宿歌舞伎町に、どんなトラブルも解決する現代の駆け込み寺を開設し、無償でたくさんの人たちを救ってきた玄秀盛氏のドキュメンタリー。
 持ち込まれるトラブルはDV、ストーカー被害、家族との訣別、行方不明者の捜索などまさに多種多様。
 玄氏にとって人の悩みとは「鼻くそ」みたいなものだという。
 確かに彼の幼少期を知ればそうなのかも知れません。家族に愛されず、生きることに必死だった彼はありとあらゆる事をして生き延び今に至ります。
 だから彼は絵に描いたような聖人君子ではないし、かといって極悪人というわけでもありません。だから彼は物事を善悪や損得という尺度で判断しません。偉そうに蘊蓄や説教を垂れる人はたくさんいるけど、それは所詮理屈に過ぎない。やはり実際に体験し、修羅場を潜ってきた人の言葉に勝ものはありません。

⚪️匂いのエイジングケア

指導 五味常明・土師信一郎

【内容紹介】
 においもアンチエイジングの時代です。知っておけば安心。加齢臭のこと。女性が気になる、気にするにおい。においをケアして、もっときれいに。ボディ・ヘア・汗・食生活・ライフスタイル・とっさのときの緊急対策…。

Amazon書誌情報より

【感想】
 そろそろこんなことが気になるお年頃です。
 体臭、口臭、足の臭い、そして加齢臭。それらは男性限定の悩みではないのだとか。
 ならなぜ中高年男性の「臭い」が方々で取り沙汰されるのか?
 それは、女性に比べてこの年代の男性の、身だしなみに対する意識が低いからかもしれません。
 食生活や身体・髪の洗い方から汗対策まで、基本的なあれこれを解説してくれる本書。
 意外だったのが、髪の毛や身体の洗いすぎが、逆に体臭の原因になってしまうということ。
 そしてやはり体臭を改善するために大切なのは食生活。
 肉や脂肪分の多い物は控え、野菜や発酵食品を意識して摂ること。そしてお酒を減らすこと。わかってはいるんだけど…ね。

⚪️甲子園という病

著者 氏原英明

【内容紹介】
 甲子園はいつもドラマに事欠かないが、背後の「不都合な真実」に光が当たることは少ない。本来高校野球は「部活」であり「教育の一環」である。勝利至上主義の指導者が、絶対服従を要求して「考えない選手」を量産したり、肩や肘を壊してもエースに投げさせたりするシステムは根本的に間違っている。監督・選手に徹底取材。甲子園の魅力と魔力を知り尽くしたジャーナリストによる「甲子園改革」の提言。

裏表紙より

【感想】
 今年2023年夏の大会から、試合途中のクーリングタイムが導入された高校野球。
 ファンが多いので大きな声では言えないけれど、なぜ原則運動禁止の炎天下に屋外でやらなくてはならないのか。そもそもなぜ甲子園球場でなければならないのか。都道府県の代表のはずなのに、蓋を開けてみたら地元選手は一人もいなかったとか、一人のピッチャーに何連投もさせることなど、疑問に思うことが多い高校野球。この本でそれらの疑問が全て解決したわけではないけど…。
 高校野球をこんな風にしてしまった責任は、やはり高野連や指導者、そして我々視聴者にあるのだと思います。
 指導者には是非ライセンス制度の導入を。

【まとまらないまとめ】

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。
 今週も、先週に引き続き小説以外の本をたくさん読みました。
 特に佐々涼子さんの3冊は、「ノンフィクション」という新たなジャンルへの扉を開いてくれた素晴らしい本たちでした。
 私は今までこっち方面の本はほとんど読んでこなかったので、もしおすすめのノンフィクション本があったらご紹介ください。

最後に
 読書っていいよね。



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