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【読書記録】2025年1月19日〜1月25日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 今週は枕で取り上げるような特別な出来事のない、とても平和でのんびりとした1週間でした。
 あっ、そういえば、今週近隣の中学校の中学1年生が「職業体験」で我が職場に見学に来ていたのですが、そのプロフィールをみてびっくり。
 なんと今年の中学1年生は、2011年3月11日の東日本大震災後に生まれた子供たちなんですね。
 あの震災、ついこの前だと思ってたのに。
 阪神淡路大震災からは30年だし、月日の経つのは早いというか、最近また地震が多いみたいだし、そろそろ防災グッズの総入れ替えをしなくては。
 もちろん以前買ったもので使えるものはそのまま流用するけれど、絶対入れ替えが必要なのはスマホの充電機器。なにせ以前買った時とはコネクタの企画が変わってるんで、最低でもこれだけは買い替えなくては。

 さぁ、なんとか枕を絞り出したところで、今週読んだ本の紹介に移ります。

【2025年1月19日〜1月25日に出会った本たち】

⚪️ブルーネス

著者 伊与原新

【内容紹介】
 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」――。
東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学界で異端視される武智に誘われる。武智のもとに集まったのは、海洋工学や観測機器などのエキスパートながら、個性が強すぎて組織に馴染めない〝はみ出し者〟たち……。
前人未到のプロジェクト、はたして成功するのか!?

Amazon書誌情報より

【感想】
 東日本大震災から4年。あの震災以来自信をなくし地震研究の第一戦から退いた主人公を中心に、それぞれの分野からはみ出してしまった学者、エンジニア、学生、実業家たちが取り組むのは「津波監視システム」の構築。
 地震の仕組みや観測方法などの科学知識や専門用語が盛り沢山で、ページ数は450ページ越え。しかし東日本大震災を予測できなかった学者たちの苦悩や、震災後の惨状、プロジェクト参加者が抱えるそれぞれの問題なども描かれているので夢中になって読みました。
 特に完成したシステムの実践投入とその成果には思わず「よし!」と声が出ました。

⚪️リケジョ

著者 伊与原新

【内容紹介】
 貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!

出版書誌データベースより

【感想】
 物理学を専攻するちょっと人見知りの大学院生・律が留学資金を貯めるために小学4年生の家庭教師を引き受けることから始まる物語。
 この律が教える小4少女・理緒が、ちょっと学校では浮いてしまうくらいの理科好き。
 律&理緒のリケジョコンビが解決するのは幽霊事件、盗聴疑惑、連続する猫の殺害事件、そしてなんと殺人事件。
 登場人物たちのやり取りは実にほのぼのとしていて微笑ましいけれど、「科学」の部分は「脳ミソのないカカシ」の私にはけっこうハードルが高く感じました。
 なぜ律が理緒の家庭教師になったのかが明かされる最終話がね、コレがいいんですわ。

⚪️蝶が舞ったら謎のち晴れ

著者 伊与原新

【内容紹介】
 天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼馴染の探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、“誘拐”されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報! 明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時――。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。

出版書誌データベースより

【感想】
 天気予報嫌いの気象予報士(この時点ですでにワケがわからない)・蝶子と、幼馴染の探偵というかなんでも屋の夏生が、様々な事件を解決する気象が鍵のミステリー。
 なんというか私には正直ピンときませんでした。そもそもテレビ番組のオンエア中に、仏頂面でお天気原稿を読み、難しい気象用語を連発し、「風が吹けは…」的な突飛な言葉で締めるお天気キャスターって、ちょっと想像できませんでした。しかもツンデレかと思いきや「デレ」の部分も感じられないヒロインなんて、ちょっと珍しい存在。
 とはいえ最後の桜の開花にまつわる話は、春が待ち遠しい季節だからか心惹かれました。

⚪️月まで三キロ(再読)

著者 伊与原新

【内容紹介】
 「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。

出版書誌データベースより

【感想】
 4年半ぶりの再読。
 以前読んだ時は表題作の主人公に自分を重ね合わせ、ちょっとだけ元気をもらうことができました。
 今回特に心に残ったのは、主婦として家庭を切り盛りしてきた女性が、子育てを終え今後の人生について考える〝山を刻む〟。
 自分もそろそろそんなことを考え始めるお年頃。この物語の落とし所がいわゆる「熟年離婚」でなくてよかった。
 大切なのは想いを言葉にして伝えること。
 〝アンモナイトの探し方〟で語られる「人生とは、わかることではなく、わからないことを見つけていく作業の積み重ね」という言葉も心に沁みました。

⚪️アルプス席の母

著者 早見和真

【内容紹介】
 秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。

出版書誌データベースより

【感想】
 真剣にプレイしている高校生はともかく、名門校の選手の集め方や、炎天下での試合など現在の高校野球というシステムが好きになれない私ですが、この物語を読んで少しその見方が変わりました。
 それは多分視点が選手本人や監督ではなく、選手の母親・秋山菜々子の物語だったからかもしれません。
 慣れない大阪での人間関係や、父母会のわけのわからない決まりに戸惑いつつ、息子・航太郎を見守る母の姿。特に久しぶりに寮から帰宅した時の夕食のシーンなどは、学生時代に寮生活の経験がある私としては、その頃の母親の気持ちに思い至り、ちょっと切ない気持ちになりました。

⚪️未来の年表 人口減少日本でこれから起きること

著者 河合雅司

【内容紹介】
 日本が人口減少社会にあることは「常識」。だが、その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか? 第1部では「人口減少カレンダー」とし、2017年から2065年頃まで、いったい何が起こるのかを、時系列に沿って、かつ体系的に示した。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として、なるべく具体的に提示した。本書は、これからの日本社会・日本経済を真摯に考えるうえでの必読書となる。

出版書誌データベースより

【感想】
 様々な統計データから2050年前後あたりまでの日本を予想している新書。楡周平さんの小説〝限界国家〟を具体的な数字で表した感じかな。
 読んでいてどんどん気が滅入ってきますが、後半には日本を建て直すための10の対策も挙げられています。
 この本は2017年刊行なので、刊行から8年経った現在、コロナ禍を乗り越えて予想はどれだけ当たったのか、そしてどれだけ外れたのかを検証した大改訂最新版を読んでみたい。
 今すぐできる対策として取り組めそうなのは、拡大ではなく縮小路線の第一歩として、コンビニやスーパーの24時間営業廃止かな。

【週刊 オヤジのONE PIECE】

⚪️ONE PIECE vol.4 〝三日月〟

著者 尾田栄一郎

【内容紹介】
 ウソップの平和な村が、海賊団に襲われる! 事前に知ったルフィ達は、なんとか侵入を阻止しようと海岸で待ち伏せるが、海賊団はいっこうに現れない。そして、反対側の海岸から、なにやら騒がしい声がして…!?

Amazon書誌情報より

【感想】
 この巻は執事のクラハドール改めクロ率いる黒猫海賊団vs麦わら一味という感じで、物語としての大きな動きはありません。
 キャラとして一番成長したのは、病弱で、いわゆる「守られる存在」だったのに、真実を知り事態の収集を図るべく自ら行動を起こしたカヤではないかと。
 ウソップは、ルフィやゾロのような一途さやカッコよさはないし、臆病で見栄っ張りで、でも優しさをちゃんと持っているあたりが、麦わら一味の中で一番人間味があるキャラかも。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週は、先週の予告通り伊与原新さんの小説を4冊。
 早見和真さんの〝アルプス席の母〟は、読んでいてつくづく「母は強いなぁ」と。「父親にはこんな強さはないなぁ」と。もしかして私だけ?
 〝未来の年表〟は、なんていうか「大丈夫か日本!?」。
 よく「少子高齢化対策云々」とかひとまとめにして語られるけれど、「少子化対策」は言葉としてわかるんですが、「高齢化対策」って、「なんだか物騒だなぁ」なんて思ってみたり。
 最近国会を通った今年度の予算案は過去最高額とか言ってたし、「フジ・中居事件」に国民が一喜一憂している間に、しれっとワケがわからない法案が通っちゃったり、ほんと「大丈夫か日本!!」

最後に
 読書っていいよね。


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