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【読書記録】2024年7月28日〜8月3日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
素朴な疑問。
買ってはみたけれど実際にはまだ手に取っていない本を「積読(つんどく)と言いますが、コレはいわゆる積読に該当するのか?
というのは、私、あんまりベストセラーなどの最近の流行本を追いかけることは少ないのですが(単行本は高いしね)、それでもやっぱり気になる本はあって、そんな時は図書館に頼ったりするわけです。
…で、そこで気に入った本は、そのまま本屋に直行ではなく、文庫化を待ちます。
そこから2〜3年、文庫化の情報が入った時、それでもその物語が好きだったら購入。というのが一連の流れです。
一度読んだことがあるので内容は一応知ってるし、手元にあるのでいつでも読めると油断しちゃうのか、この購入した本が結構溜まってしまうんですよ。
コレってやっぱり積読になるのかしら?
では暑さに負けず、今週出会った本たちをご紹介します。
【2024年7月28日〜8月3日に出会った本たち】
⚪️紅一点論
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【内容紹介】
「男の中に女がひとり」は、テレビやアニメで非常に見慣れた光景である。その数少ない座を射止めた「紅一点」のヒロイン像とは。「魔法少女は父親にとっての理想の娘である」「(紅一点の)紅の戦士は“職場の花”である」「結婚しないセクシーな大人の女は悪の女王である」など見事なフレーズでメディアにあふれる紅一点のヒロインとそれを取り巻く世界を看破する評論。
【感想】
アニメや特撮、伝記をジェンダーという視点から分析している本。
男の子向けのアニメは「モモタロウ的」、女の子向けアニメは「シンデレラ的」という考察に納得。
宇宙戦艦ヤマトを「高校野球部」、ガンダムを「大学全共闘」、エヴァを「腐った家族」の物語だと評しているあたりも面白い。
改めて宮崎アニメやセーラームーンって凄いアニメだったんだなぁと。いろんな意味で。
単行本の刊行から四半世紀。いろいろ変わったようなそうでもないような。プリキュアや鬼滅などは斎藤さんから見たらどう見えるんだろう。その辺りを含めた続編を熱望します。
⚪️幕末単身赴任 下級武士の食日記
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【内容紹介】
時は万延元(1860)年、江戸藩邸勤務を命じられた紀州和歌山藩の勤番侍・酒井伴四郎は、江戸での単身赴任の日々をこと細かに日記に記した。蕎麦やすし、どじょうなどの定番江戸グルメから、質素倹約を主とした長屋の食生活まで、几帳面な伴四郎の日記から当時の江戸の「食」を紙上再現。文庫化にあたり、新たに発見された史料から二度目の江戸滞在や日光出張、長州戦争従軍の様子を増補。
【感想】
時は幕末。紀州和歌山藩の下級武士・酒井伴四郎は江戸への単身赴任を命じられる。
この伴四郎、何が凄いってとにかく筆マメで、江戸での生活を細かく日記に書き残していたこと。その日記を紐解くことで江戸庶民の生活を明らかにしていくのがこの本。
まず驚くのが、この男、とにかく飲む。昼間っから美味しいものを食べながらことあるごとに飲む。次に驚くのが自分でもけっこう料理をしているらしいこと。江戸時代は男子も結構厨房に入ってたのね。
そして三つ目の驚きは、冷蔵庫がないこの時代に、たくさん魚介類を食べていたということ。
季節の野菜と魚で一杯、これ以上の幸せはないよね。
⚪️出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
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【内容紹介】
菜々子、33歳。職業、書店員。既婚、ただし家を飛び出し別居中、どん底人生まっしぐら。そんなある日、目についた出会い系サイト「X」に登録、初対面の人にぴったりの本をおすすめし始めて…これは修行か?冒険か?「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説。読めば勇気が湧いてくる、感動のベストセラー。
【感想】
一瞬タイトルが長すぎて「おいおいラノベかよ!」とツッコミを入れる。
簡単にいうと「元ビレバンの店員さんによる1年間の選書修行by出会い系サイト」って感じ。
まずはこのぶっ飛んだ発想に脱帽。だって出会い系サイトのイメージっつったら、ねぇ。普通は選ばないでしょ。
それはともかく巻末の選書リストを見て読書の幅の広さに驚く。さすがはビレバン!?
いわた書店の「一万円選書」で選書してもらった時にも感じたけど、選書を生業(?)にしてる人たちってどんだけ本読んでるんだろう。
「思い立ったら突き進め!」コレがこの本を読んで得た教訓。
⚪️今日は死ぬのにもってこいの日
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訳者 金関寿夫
【内容紹介】
インディアンの哲学が味わえる、詩と散文と絵の本 英語原文も完全収録
【感想】
タイトルだけ見るとなんだか物騒だけれど、これはアメリカ原住民の価値観を「詩」という形でまとめた本。
詩なので余計な言葉は一切なく、シンプルでストレート。「死」を人生の終着点という捉え方ではなく、生まれ変わるために大切なプロセスだと捉えているのが仏教的というか、東洋思想的で共感が持てます。
この本が刊行されてからおおよそ30年。あれから彼らの価値観は変わったのか、それとも変わってないのか。インターネットやスマホに毒されることなく、昔からの考え方を貫いてほしいと思ってしまうのは、電磁波に塗れた我々のエゴか傲慢か。
⚪️推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術
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【内容紹介】
推しを語るためには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。
必要なのは、自分の感想を言葉にする「ちょっとしたコツ」だけ。
そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で推しの素晴らしさを語れるようになるのです。
ここでは特別に、少しだけそのコツをお教えします!
コツ① 自分の感情を一番大切にする
コツ② 妄想をこねくり回して、感想を生みだす
コツ③ よかったところを細分化するだけでも、あなただけの言葉になる
これって一体、どういうことなんでしょう…?
本書では、特別な技術や才能がなくても、「推しが大好きだー!」という気持ちさえあれば、誰でも語れるように説明しています。
さぁ、推しを語る準備、できていますか?
【感想】
例えばX(旧Twitter)の140文字、読メの255文字でも、せっかく書くのならみんなの目に留まってほしい。願わくは「いいね」がほしいと思ってしまう。
そのためにはいったいどんな文章を書いたらいいかを、箇条書きにしたり、例文を出したり、とっつきやすい口調で語ったりしながら、分かりやすく指南してくれる本。
まず冒頭で挙げられているのが「ありきたりな表現をやめよう」という話。このありきたりな表現とは、①泣ける、②ヤバい、③考えさせられた。②はともかく①と③は自分もよく使ってしまいます。とりあえずはこの3つの言葉の封印から。
ちなみにこの本は2023年6月に単行本として刊行されましたが、今年(2024年)7月に、同タイトルの頭に〝「好き」を言葉にする技術〟とつけて新書でも刊行されています。
⚪️なぜ働いていると本が読めなくなるのか
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【内容紹介】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
【感想】
社会人になると仕事以外に費やす時間的、精神的な余裕がなくなるのが当たり前、いやそこまでやって一人前と思って数十年働いてきた昭和生まれのオヤジにとっては、それまでの価値観をひっくり返されるような本でした。
本書のほとんどは明治以降の「働き方」と「読書」についての歴史的な考察なので、読みながら「…で結局どーすればいいの?」と結論を急いでしまう私は、やはりショート動画や切り抜きなど、効率よく結果だけを得たいという一種の現代病に罹患しているのかもしれない。
大切なのは枝葉(この本でいうところのノイズ)を楽しむこと。
⚪️戦国武将を推理する
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【内容紹介】
「歴史に触れて疑問を抱く。そして自分なりに推察する。仮に物証はなくとも、行動パターン、過去の経歴、身体的特徴、さまざまなものから人物像の輪郭を限りなく鮮明にしていく。いわば、それは歴史上の人物のプロファイリングである。私は小説を書く過程において意識して、あるいは無意識でも必ずしている」
三英傑(信長、秀吉、家康)から、著作『じんかん』の主人公・松永久秀や『八本目の槍』の石田三成まで、8人の英雄たちの素顔が浮かび上がる。
彼らは何を目指し、何に賭け、何に心動かされたのか――今村流推察で解き明かす。
【感想】
学生の頃、人物名と年号を暗記するだけの歴史の授業が苦手でした。
歴史時代小説も言葉は難しいし、同じような名前ばっかり出てくるし、コレは「年寄りが読むもんだ」と。
そんな考え方を変えてくれたのが今村翔吾さんの作品群。この本は信長、秀吉、家康をはじめとする超有名な戦国武将の活躍や心情を、今村さん独自の解釈で解説。この解説の仕方も「無理ゲー」「親ガチャ」などの今風の言葉を使い、しかもその新しい言葉の意味も分かりやすく語っているという全方位に配慮した造りに。
武将だけではなくコラムで穴太衆や国友衆について触れているのも〝塞王の楯〟ファンとしては嬉しい。
別の本で書いていたけど、今村さん原作の大河ドラマを心待ちにしています。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週は小説は一冊もないという実に珍しいラインナップ。
特に三宅香帆さんの文章術の本は、なんとも衝撃的。だってよく「泣ける」とか「考えさせられる」って書いちゃうもんなぁ。
ほんと、実に考えさせられる一冊でした。…って、それがダメなんだっつーの!!
読んだからといって急に文章が上達するわけもなく、時々読み返しながら、少しずつ文章修行を進めていきたいと思います。
まずは、漠然とダラダラ書くのではなく、誰に向かって発信しているのかを、きちんと意識しなくちゃね。
最後に
読書っていいよね。