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【読書記録】2025年1月12日〜1月18日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 記録的な寒さの中、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 先日、石田衣良さんのポッドキャストを聞いていたらこんな話を耳にしました。

 「電子書籍は紙の書籍と違って、『ダウンロードして読む権利』を購入しているので、自分のものにはならない」

 えぇぇぇっ、そーなのぉぉぉ!!!」

 よく考えてみると、確かに紙の書籍なら当たり前だけど購入すれば必ず物理的なというか、実質的な「本」というカタチで手元に残るけれども、データの場合は、もしメーカーがファイル形式や専用端末の企画をを変えたり、最悪サービスを停止してしまったら、混入した本を再ダウンロードできなくなってしまうわけで、もしそうなったら今まで購入してきた電子書籍は全て水の泡。
 調べてみるとAmazonは2023年6月で、中国でのKindleの販売から撤退したようだし、Amazonが、いや他のメーカーも「儲からない」とわかったら日本からもさっさと撤退してしまうのでは…!?

 これは、電子書籍に限ったことではなくて、その他のダウロードコンテンツ、例えば音楽や映画などにも言えること。
 今はやらなくなったけど、いわゆる「ソシャゲー」なんかもそう。せっかく課金して育てたレアキャラだって、サービスが終了したらなーんにも残らないという。

 これを考え始めたら、LDやMD、もっと前だとカセットテープやVHSなど幾度となく変わってきた記録メディアのことを思い出して、なんだかとても虚しいというか切ない気分になりました。

 まぁ、読み放題、見放題、聴き放題のサブスクならともかく、購入したデジタルデータについては、購入者個人の財産となるような、なんらかの制度を設けて欲しいと思ってしまう今日この頃です。

では本題。今週出会った本たちの紹介に移ります。

【2025年1月12日〜1月18日に出会った本たち】

⚪️コンタミ 科学汚染

著者 伊与原新

【内容紹介】
 【注意】この本には、「信じたくない」真実が含まれています。東京大学大学院出身の著者が放つ、私たちの身近に蔓延る「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンス! あなたは真実を知る覚悟はありますか?
「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。大学院生の圭は、新進気鋭の生物学者・宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪ねる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者の美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。
ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか? 圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが……。 すべての真相が明らかになったとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける――。
新田次郎文学賞受賞作『月まで三キロ』の著者が放つ、われわれの身近に蔓延する「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンスミステリー。

【感想】
 様々な媒体でよく見かける「免疫力を高める」とか「体調が良くなる」といった謳い文句の商品群。よく見れば端っこの方に小さく「効果には個人差があります」と書かれていたりもするけれど、見ていると何となくその気になってポチリ。そんな経験がある人は少なくないと思います。
 まぁそれが自分自身で止まっているうちはいいのだけれど、それを人に勧めて云々となってくるとちょっと問題。
 この物語はいわゆる「ニセ科学」に立ち向かうミステリー。
 仕掛ける方も騙される方もどうかと思うけれど、弱みに付け込むという点で、やっぱり騙す方に問題あり。

 「波動」とか「◯◯力活性化成分」とかいうのは、まず怪しい。
 あと「今だけ」、「ここだけ」、「あなただけ」というのもね。

⚪️お台場アイランドベイビー

著者 伊与原新

【内容紹介】
 日本を壊滅寸前にした震災から4年後、刑事崩れのヤクザ巽は不思議な少年・丈太と出会う。彼の出生の謎、消える子供達、財宝伝説--全ての答えが禁断の地お台場にあると知った二人は潜入を試みるが--!?

出版書誌データベースより

【感想】
 伊与原新さんのデビュー作。
 首都直下型地震が東京を襲った近未来。元刑事のヤクザ巽が、ミックスルーツを持つ不思議な少年丈太と出会うところから始まる物語。
 デビュー作ということもあってか伊与原さんお得意の「科学知識」は多少控えめで、その分災害からの復興事業をめぐる政治家と大手建設会社そして反社会勢力との癒着や談合。差別や無国籍児の問題など、現在我が国が直面している様々な問題を取り上げた社会派小説の印象が強い。
 悪態をついてはいるけれど、実は情に熱く一本芯が通った巽の生き様がかっこいい。
 アニメ化熱望。

⚪️デモクラシー

著者 堂場瞬一

【内容紹介】
 「あなたは今日から議員です」
 202×年、日本の政治システムは一変していた。
憲法は改正され、20歳以上の国民から合計1000人の「国民議員」がランダムに選出され、総理大臣は直接選挙で選ばれる。国会は解散し、「国民議会」(二院制)を新たに結成。議会は完全オンラインで行われ、議員の任期は4年、年間報酬500万円、基本再選はなし。専用のデバイスを支給され、議員としての活動は全てオープンに。さらに、国民は常にそれらを確認、監視できるようになっていた。
 突然議員に選ばれた大学生の混乱、直接選挙で選ばれた新首相の苦悩、国民議員の不正を監視する機関「国民議員調査委員会」の危うさ、一気に権限が大きくなった官僚、現首相と旧政治体制に固執する現都知事らの政権争い……
有り得るかもしれない「未来」を描く実験的政治小説。堂場瞬一の新境地!

【感想】
 パンデミック収束後の202X年。憲法改正により国会は解散。首相は国民投票による直接選挙で選ばれ、議員は20歳以上の国民から1000人がランダムに選出される国民議会へと変化。
 この設定だけで何だかワクワクします。
 実際に今の国会議員でこんな提案をする人は多分いないだろうけど。
 前半はまず議員に選出された女子大生の困惑と苦悩から始まり、直接民主制を中心とする新制度の利点と欠点の具体例を挙げて説明。
 後半は逆転の後の大逆転という盛りだくさんな展開なので、かなり駆け足だった印象を受けました。
 直接民主制を選んだ日本の未来は!?
 続編熱望。

【週刊 オヤジのONE PIECE】

⚪️ONE PIECE vol.3 〝偽れぬもの〟

著者 尾田栄一郎

【内容紹介】
 ナミの優れた航海術と、偉大なる航路の海図を手に入れるため、バギーと戦うことを決意したルフィ。しかし、バギーは悪魔の実の能力者で、ルフィ憧れの海賊シャンクスと知り合いだとわかり…!?

Amazon書誌情報より

【名言】
 「おれは親父が海賊であることを誇りに思ってる!!!
勇敢な海の戦士であることを誇りに思ってる!!!
お前の言うとおり俺はホラ吹きだがな、俺が海賊の血を引いているその誇りだけは!!偽るわけにはいかねェんだ!!!」(ウソップ)

【感想】
 バラバラの実の能力者・バギーvsルフィ。
 ここで昔バギーとシャンクスが見習いとして海賊船に乗っていたこと、そしてバギーが能力を手に入れた経緯が語られます。
 自由奔放で正義感の強いルフィはもちろんだけれど、お調子者のバギーも魅力的。
 中盤の一編は元海賊のガイモンが登場し、「偉大なる航路j(グランドライン)」や「赤い土の大陸(レッドライン)」など、この世界の大まかな地理が明かされます。
 後半はホラ吹き少年のキャプテン・ウソップが登場。
 病弱な資産家の少女・カヤと、何やら良からぬことを企んでいる執事のクラハドール。
 イソップ童話の〝オオカミがきた〟的な話からウソップはどうやって信頼を勝ち取るのか?

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週は寒さのせいかなんだかエンジンが掛からなくて、いつもよりは少なめの4冊を読了。
 そういえば、第172回の直木賞は、伊与原新さんが受賞されたとか。受賞を意識したわけではありませんが、今週は伊与原さんの本が2冊。ついハードルが高いだろうと敬遠してしまいがちな「科学」を、一般の人にもわかりやすく、しかもエンタメ小説のエッセンスとして盛り込むというのはとても難しいことだと思うし、ちょっと齧ったくらいでできることではありませんね。
 私が伊与原さんの存在を知ったのは2019年の夏に読んだ〝月まで三キロ〟から。今回の直木賞受賞を機に、再読含めしばらく伊与原ワールドに浸りたいと思います。

最後に
 読書っていいよね。


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