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【読書記録】2024年8月25日〜8月31日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 読書が趣味になって7年。
 手元の本も1000冊を越え本棚もぎゅうぎゅう。
 これ以上本棚を増やすことはできないし、そろそろ本の整理も考えなくちゃ。
 そんな時ふと思いついたのが「電子書籍だったら、場所取らないんじゃないか」
 何を今更という気もしますが、細かい字も見えにくくなってくるお年頃だし、ここらで思い切ってKindleにでも手を出してみるか。

 …ということで早速Kindleアプリをダウンロードして、あれこれ試してみました。

 まず驚いたのは、フォントサイズや行の幅、背景色を変更できること。
 レイアウトまで細かくこだわっている著者さんや装丁師さんには申し訳ないんですが、これはかなり便利でした。

 便利といえば、「マーカー」を引いたり「メモ」をつけたりできるのもいいですね。
 斎藤孝さんの読書術の本にはよく「書き込みながら読め」みたいなことが書いてあるんですが、どうも紙の本に自分の汚い字やグニャグニャのラインを引くのが嫌でどうしてもできなかったのですが、電子書籍なら問題なし。

 そしてもう一つ。
 Kindleアプリには「読み上げ機能」が標準装備なんですね。
 合成音声なので人間が読むように滑らかではないのですし、人名など誤読もけっこうありますが、簡易のオーディブルみたいな感じで使うことができます。
 この機能、知らない人けっこういるんじゃないかな。
 Kindleアプリの読み上げ機能を詳しく解説したページはこちら↓↓

 なんてAmazonの回し者みたいな記事になってしまいましたが、やっぱりイマイチな部分もあって、それは追々書いていきたいと思います。

 ということで、今週出会った本の紹介に移ります。

【2024年8月25日〜8月31日に出会った本たち】

⚪️戦国武将伝 東日本編

著者 今村翔吾

【内容紹介】
 各都道府県で一人、武将を取り上げて掌編小説に! 直木賞作家・今村翔吾による“前代未聞”の挑戦作。信長、家康、信玄、謙信だけでなく、長野業正、津軽為信、真田信幸まで……。東の大地に漢たちが奔る! 北海道・東北・関東・中部地方の武将23人の、ときに笑え、ときに泣ける、心震えるエピソードを描いた傑作掌編小説集。

出版書誌データベースより

【感想】
 PHP研究所の雑誌〝歴史街道〟に連載されていた掌編を集めた本。
 何がすごいって「47都道府県それぞれ1武将」というそのコンセプト。
 そしてそれを完遂する膨大な知識量と力量。47都道府県全てということは、少なくとも47人の武将のエピソードがあるわけで、そうなると合戦場面だけではなく、その武将の人と成り、今まで語られてこなかった逸話まで描かれるわけで、それだけでなんかドキドキしませんか?
 まず気になるのは、自分の出身地は誰が主人公なのかということ。
 家康、信長、政宗の話がお気に入り。完璧主義の竹中半兵衛もなかなか。

⚪️戦国武将伝 西日本編

【内容紹介】
 各都道府県で一人、武将を取り上げて掌編小説に! 直木賞作家・今村翔吾が挑む“驚天動地”の衝撃作。
秀吉に、毛利、長宗我部、島津、さらには黒田官兵衛、立花宗茂……。西の空に漢たちが舞う! 近畿・中国・四国・九州の武将24人の、胸が熱くなる、くすりと笑える、ほろりと泣ける逸話を描く傑作掌編小説集。

出版書誌データベースより

【感想】
 二日間で日本全国47都道府県を一周して参りました!
 こちらは西日本編。
 初っ端が広島県の毛利元就。「三本の矢」ではなくてなんと「十五本の矢」。石田三成の話は「四杯目の茶」。
 このタイトルだけで「えっ、どーいうこと?」ってなりませんか?
 もちろん秀吉は大阪だけれど方々にちょこちょこ登場していて、かなり好人物に描かれている印象。
 どの話も甲乙つけ難いけれど一番心に残ったのは長崎県・有馬晴信の「海と空の戦士」。これが事実だったとは。
 47話すべての話にはきちんと着想を得た書物があって、それが紹介されているというのもすごい。

⚪️スプラッシュマンション

著者 畠山健二

【内容紹介】
 人生は笑って、楽しんだ者の勝ち! ――東京の下町・葛飾区新小岩。分譲マンションの管理組合理事長・高倉と、管理会社の癒着が発覚!? 住人の麻丘と南は、漫画原作を生業とするパパ友・葉山を参謀役に迎え、謎の風俗嬢をも巻き込んで、高慢で小悪党の理事長を懲らしめるべく「大人のいたずら」を仕掛ける! 笑芸作家が人生の妙味を笑いでつつみ込んで描いたノンストップ・エンターテインメント。

Amazon書誌情報より

【感想】
 万松コンビが大活躍する江戸人情物語〝本所おけら長屋〟シリーズの著者が、シリーズ刊行前に手がけた現代小説。
 あるマンションの管理組合の理事長と管理会社の癒着を軸に描かれる人間模様。とても人情味あふれる物語でしたがなんというか昭和のおじさんくさいというか、西部警察ネタは思わず吹き出してしまいましたが、大部分が品がないというか、落語的なノリは嫌いではないんだけれどど直球の下ネタ連発というのはちょっとキツかった。
 一つとても心に残ったのが

「結論は予想や想像からは生まれない。実行から生まれるものなんだ。」

本文より

という言葉。

⚪️超訳 吉田松陰語録 運命を動かせ

著者 齋藤孝

【内容紹介】
 混沌とした幕末の時代に活躍したひとりの天才指導者、吉田松陰の真髄に迫る100の言葉を収録。
吉田松陰の言葉は常に現実とぶつかり合いながら心の奥から吐き出され、時代を超え私たちの胸へと響いていく。
覚悟、信念、情熱、思考、時代を超えて今でも多くのリーダーたちから尊敬され続ける真の指導者、吉田松陰の心に刺さる100の言葉を厳選し噛み砕いて紹介。「志を燃やす」「迷いを断つ」「覚悟を決め」「心を磨く」「人を育てる」「生死を超える」という6つの章に分け、各章ごとに松陰と深い関わりのあった人物も紹介し、その言葉が生まれた背景を深堀していく。

出版書誌データベースより

【感想】
 幕末で最も破天荒な人物、吉田松陰が残した手紙その他を齋藤孝氏が訳したなんだろうこれは、自己啓発書でいいのかな。
 そもそも「志」ってなんだろう。「人を育てる」ってどういうことなんだろう。
 まずは「己」ではなくて「公」のために何ができるか、何をすべきか。
 今こんなこと考えてる人は多分ほとんどいないだろう。国会に集う人たちですら私利私欲の権化みたいな人ばっかりだもんなぁ。まぁその議員さんたちを選んでいるのは、私たちなのだけれど。
 この本を読みながら考えを新たにしたこと、それは吉田松陰が決して外国嫌いだったわけではないということ。つまりは諸外国に支配されるのが嫌だっただけという。

⚪️オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり

著者 澁川祐子

【内容紹介】
 食卓の定番、コロッケやナポリタンのルーツは、本当はどこの国?カレーはなぜ国民食になったのか。肉じゃがは海軍発祥というけれど。からあげは「唐揚げ」か「空揚げ」か。ハヤシライス誕生をめぐる尽きせぬ不思議……。あなたが大好きな料理は、いったいどうして定番になったのか。文献をひもとき真実に迫る、好奇心と食欲を刺激するおいしいコラム集。『ニッポン定番メニュー事始め』改題。

出版書誌データベースより

【感想】
 タイトルにあるオムライスやメロンパンをはじめ、餃子、とんかつ、生姜焼きなどの定番おかず、天丼や牛丼、冷やし中華からショートケーキ、モンブラン、あんパンなどの甘物まで、馴染み深い食べ物28品目のルーツを探求する本。
 とにかく参考文献の数がものすごい。なにせ巻末10ページ分びっしり。
 中にはよく語られている定説を覆すものや、結局出所がはっきりしないものもあったけれど、とにかく特に文明開花以降の日本人の「食」に対する探究心と創意工夫はものすごいと感じました。
 さすが「働くために食べる」のではなく「食べるために働く」民族。

⚪️我が愛しの歌謡曲

著者 吉川潮

【内容紹介】
 演芸評論家にして、歌謡曲をこよなく愛する著者が、「近ごろの紅白は知らない歌ばかりで」とお嘆きの読者に贈る「昭和・平成・令和」の歌謡曲偏愛論。日本を代表する作詞家である西城八十の評伝『流行歌 西城八十物語』を執筆した作家として、音楽評論家とは全く異なる視点で、同時代を生きてきた読者の共感を呼ぶ歌謡曲評論を書き上げた。
「歌は聴く者の記憶を呼び起こす。歌が流行ったころ、自分は何をしていたのかを思い出させるのだ」(本書より)。本書のページをめくりながらしばし、自らの大切な思い出にひたって下さい。

出版書誌データベースより

【感想】
 サブタイトルに「昭和、平成、令和のヒット・パレード 」とあるけれど、ほとんどが戦後から昭和後期までのいわゆる歌謡曲、演歌、GS、フォーク、ニューミュージック、そしておまけ程度にアイドルとそれ以降のシンガーを取り上げているので、「平成・令和」というのはちょっと。
 まぁ歌謡曲という言葉というかジャンルがもはや無形文化財みたいなもんだし、著者が1948年生まれだから、その当時に青春時代だった人たちにとっては懐かしい一冊になるかもしれない。
 そういえば今の時代はあの頃みたいに老若男女みんなが歌えるヒット曲ってないなぁ。

⚪️昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる!「超ノスタルジックエッセイ」 -

著者 仲曽良ハミ

【内容紹介】
 ファミコン、ミニ四駆、ビックリマン……
このワードに“ピン!”ときた
あなたにおすすめです!「アニメ化してほしいマンガランキング2024」1位獲得(AnimeJapan)。
昭和ノスタルジーあふれる思い出漫画『しなのんちのいくる』作者の超自伝的エッセイ。

【感想】
 1977年生まれの著者が語る子供時代のあれこれ。そうそうこういうエッセイを待ってました!
 いやぁ、滅茶苦茶懐かしい。ファミコン、ガンプラ、キン消し。もう懐かしさてんこ盛りですよ。コレを読みながら思うことは、やっぱり家庭の、遊びの中心はすでにファミコンだったんだなぁと。その一方で学校から帰ってくるとなぜか靴の中には砂がたくさんなんて話は自分だけではなく我が子たちもそうだったなぁなんて、別の意味でノスタルジックな気分になったりもして。
 この本では触れられていないテレビ番組とか深夜放送とか、アイドルなんかにも触れた続編を熱望。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 今週は「乱読オヤジ」の本領発揮といったところでしょうか?
 一番心に残ったのは、やっぱり今村翔吾さんの「戦国武将伝」。
 「47都道府県1武将」というコンセプトがまずすごい。
 もちろん知らない武将もたくさんいましたが、一つ一つの話が粒揃いで飽きることなく、どれも超短編(もしかしたら掌編?」なので、あっという間に読み終わってしまい、もう少し各武将と一緒に物語世界を旅していたくなりました。
 もう一冊。
 仲曽良ハミさんの〝昭和の僕らはバカでした〟はもう、どストライクですよ。ほんとこんなエッセイを待っていました。
 子ども時代を懐かしく思うってのは、やっぱりそれだけ歳をとったということなのか…。
 ちょっと寂しくなったりもして。

最後に
 読書っていいよね。


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