【読書記録】2023年7月9日〜7月15日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
突然ですが、あなたは夏と冬どっちが好きですか?
私は断然夏です!
夏はとにかく太陽ギラギラで暑いし、汗はダラダラ出るし、食欲は落ちるし…。
それでもやっぱり夏の空と入道雲には、ココロを開放してくれるチカラを感じます。
でも夏は本読みにとってはちょっとね。
手汗で本はヨレヨレになるし、油断すると汗がポタッ!
できれば本は綺麗に読みたいと思っている自分にとってはまさに
「Oh My Good!」と口に出したくなったりならなかったり。
なんだかダラダラ書いてしまいましたが、そろそろ本題の、今週出会った本たちをご紹介します。
【2023年7月9日〜7月15日に出会った本たち】
⚪️ざんねんなスパイ
【感想】
タイトルと主人公の設定からユーモア、コメディ系の小説を想像。
………読みはじめてびっくり。テンポが良く言葉のチョイスはかなり面白い。でも、この感覚はいったい…?おもちゃ箱をひっくり返したような感覚というか、抽象画を見た時の感覚というか、ナンセンス・ギャグ漫画を読んだ時の感覚というか…。「わけがわからない」というのが正直な感想です。
巻末に著者の一條次郎さんと伊坂幸太郎さんの対談が掲載されていて納得。確かに弾けた伊坂幸太郎さんとか、万城目学さんとかそっちのカテゴリかも。それにしてもどうやったらこんな物語が浮かぶんだろう。
もしこの本で読書感想文を書けと言われたら、私は多分即死!
⚪️ミチルさん、今日も上機嫌
【感想】
バブル時代を謳歌した45歳で子なし、バツイチ、仕事なしのミチルさん。
そんなミチルさんが若かりしころを懐かしみつつ、ポスティングの仕事をきっかけに今を一生懸命生きる。
自分はバブルが弾けた後に就職した世代。しかもバブルとは最も縁遠い仕事だったので、職場で「あの頃はねぇ」なんていう人もいませんでした。ただ学生時代のテレビ番組を思い出すと、確かに無駄に海外ロケしてる番組が多かったような気も。
元々の性格なのか時代がそうさせたのか、とにかくポジティブなミチルさんの思考にはついていけない部分もあるけれど、基本的には真面目でいい人なので、ぜひ彼女のこの後の活躍が見てみたい。
⚪️狐笛のかなた
【感想】
今回購入した夏の文庫フェアの対象作品の中で唯一のハイファンタジー。しかも和風の。
…というかそもそも夏の文庫フェアでハイファンタジーがラインナップされることも少ないのですが。
この物語は野間児童文芸賞を受賞していることから、ジャンル的には「児童文学」に分類されるのでしょう。しかし、一般文芸と児童文芸の境界線は何処なんだろう。
読み終えて、大人が読んでも充分楽しめる物語だったし、逆に子供達では理解できないであろう部分も多いと思いました。
諸々一段落したら、いよいよ「守り人」シリーズも手にとってみようかと。
⚪️魔力の胎動
【収録作品】
あの風に向かって翔べ
この手で魔球を
その流れの行方は
どの道で迷っていようとも
魔力の胎動
【感想】
〝ラプラスの魔女〟の前日譚。
第一話から第四話までは、鍼灸師のナユタを主人公に、キーパーソンとして円華が関わる物語。
ナユタの過去というか、多分あの時に開花した気持ちを見透かすあたり、やはり円華はただ者ではない。
第五話の〝魔力の胎動〟はラプラスの魔女にも登場する学者の青江目線で物語が進行します。
全五話の短編中、特に心に残ったのは、引退を考えるスキージャンパーの話〝あの風に向かって翔べ〟。普段は自分の意思をきっちり通すキャラだった円華が、最後の決定権を奥さんに委ねるあたりが…ね。
⚪️明日の僕に風が吹く
【感想】
ある出来事がきっかけで不登校になった高校生の有人が、北海道の離島で生活する中で、自分と向き合い成長していく物語。
初めは都会と違う濃密な人間関係に戸惑い、離島での生活にもなかなか馴染めない有人。でも島の人たち、特に島の高校に通う2人の先輩と2人の同級生の存在は、固く閉ざされた有人の心の扉を少しずつ、時には多少強引にこじ開けてくれます。
今自分の居場所がないと感じているあなた、天気と過去は変えられないので、10年後のあなたが後悔しない生き方を探してください。
⚪️透明な夜の香り
【感想】
調香師で超人的な嗅覚の持ち主の小川朔の家で、家政婦としてアルバイトをすることになった一香の物語。
超嗅覚の物語といえば、井上夢人さんの〝オルファクトグラム〟が浮かびますが、こちらはなんと客のオーダーでどんな香りでも作り出してしまうという。それが不倫相手の体臭でも。
しかもこの朔の能力は、身体から立ち上る香りから相手がつく嘘まで見破ってしまうという。
自然に囲まれた洋館が舞台だからか、それとも魅力的な様々な香りが登場するからか、主要人物や調香を依頼するお客たちの事情はかなりシビアですが、優しい香りに包まれたような、香りが目に浮かぶような不思議な読書体験の物語でした。
⚪️君が最後に遺した歌
【感想】
我々読者はタイトルと序章から、すでにヒロインの綾音がこの世にいないことを早々に知らされます。
まず最初に浮かぶのは、序章で主人公の春人の隣にいる女性が誰かということ。この謎が解けた瞬間はグッときました。
綾音が抱えてきた秘密から「普通の人たちの中で、普通のことが、普通にできるという幸せ」が、いかに尊いことかということに気付かされます。
物語ではさらっとしか語られない綾音が亡くなってからの十数年間は、春人にとって 幸せな、でもかなりつらい日々でもあったろうと想像します。たぶん重松清さんの〝ステップ〟のように。
この物語の真の功労者は、春人にライブチケットを渡した女性だと思います。彼女がいなければ物語は動かなかったと言っても過言ではありません。いったい彼女は何者?
⚪️「死にたい」と言われたら 自殺の心理学
【感想】
あなたはマジで「死にたい」と思ったことはありますか?
私は何度かあります。
結局行動には移さなかった、いや移せなかったけど。
この本は、ただ「自殺はダメ!」という内容ではなく、自殺に至る心のメカニズムから、身近な人に「死にたい」と言われたら、また自分が「死にたい」と思った時の対策にも触れられている本です。
驚くのは「自殺は悪いことなのか」ということにまで触れていること(自殺を肯定しているわけではありません)。
大切なのは周囲との関わりと自己肯定感。
一つ気になったのは、学生の自殺の原因の一位がマスコミがこぞって取り上げる「いじめ」ではなく家族関係や成績不振だったということ。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
7月1日から始めた「夏の文庫フェアしばり」は合計15冊。ざっとみてみると青春小説の比重が高いような感じですね。あまり自慢できる青春時代を送ってこなかったから、いわゆる「キラキラした青春時代」に憧れがあるのかも。
さぁ、そろそろ梅雨も明けますよ!
汗に気をつけながら、今日もページをめくりましょ。
最後に
読書っていいよね。