うつわ 人器と天器 その3

 ここに受容器の問題が出てくるのです。先ず、受け取ることが出来るよう『うつわ』を作る必要が有ります。その為には、気づくこと・感じる力を磨く事です。例えば、ご両親が、残して行く子供の為に、家の金庫に大金を残して逝かれたとしましょう。残された子供が鍵の開け方を忘れてしまっては、そこに有るのに大金は使えません。もう一つ例えれば、儀礼の席等で長時間正座した結果、足が痺れてしまった時には立ち上がろうとしても立てず、歩き出そうとしても上手く歩くことが出来ないかも知れない・・・ 脚があるのに感じられなくては無いのと同じようなこととなり、身近にあるのに使い方が分からなければ、使えません。これと同様にどんなに沢山の恵みを受けていてもそれが自覚出来ないと云うのは、勿体無い話です。
『すぐ近くにあった幸せに気付けずにいた・・・』なんて唄の文句になりそうな言葉ですが、まずは、恵みを感じとる、感じようとする力を育て上げてゆくことが肝要です。
 この世界にはラジオの電波や地デジの電波は絶えず流れていますが、目には見えず、耳にも聞こえて来ません。ラジオやTVチューナーで周波数を合わせなければ視聴する事は出来無いのです。ある事は理解できていても、合わせようとしなければ永遠と視聴できません。周波数を合わせるのと同じように、幸福・繁栄・健康(天の气の成分)と言った天からの恵みも自覚出来て感じようとしなければ、周波数を合わせる行為にはならないのです。この周波数を合わせようとする行為に相当するのが、気づく事・感じる力を磨く事なのです。もっと有体に申せば感謝やお陰様の気持ちを先にする事が大事で、この事により器を形成しようとする準備が出来るのです。

                                    つづく

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