【〈老いた父と中年の息子〉の映画(洋画)】4本の独断ランキング
この主題は地味すぎて「興行」としては成立しにくいのが「劇場未公開」、「■未DVD化■」となる原因か。『晩秋』以外「元は舞台劇」となります。
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◯『セールスマンの死』(1985/米/TV映画) ■未DVD化■ 〈未〉
△『父の肖像』(1970/米) 〈未〉=劇場未公開
△『晩秋 Dad』(1989/米) ■未DVD化■
▼『da ゴーストになったパパ』(1988/米) ■未DVD化■ 〈未〉
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※『セールスマンの死』と『晩秋Dad』はU-NEXTで無料で観れるようです
『セールスマンの死』と『父の肖像』の2本は、父と息子がぶつかり葛藤する「ギスギス系」の父子ドラマ。『da ゴーストになったパパ』は、頑固だが愛嬌にあふれた亡き父を思い出す回想劇?で、『晩秋Dad』と合わせて「しんみり系」と言える。「ギスギス系」の方は〈快適さ〉はないが見応えあり。
関連作と言えそうなのは、「老師と若い弟子」の関係だが、アラン・タネール監督の『光年のかなた』(1981)、「老父と息子」が主題のフィルム・ノワールぽいカナダ映画『ナイト・ズー』(1987)あたりか。両方■未DVD化■。
『その土曜日、7時58分』(2007)も「老いた父と中年の息子」の映画かも。
〈老いた父と中年の息子〉映画4本のリンク集
◆『セールスマンの死』(1985/米/TV映画)
劇作家アーサー・ミラー(1915-2005)の戯曲が元で映画化もされているが、
私が観たのはこのTV映画版のみ。父親役はダスティン・ホフマン(1937-)。リストラされる生真面目な初老の父親、30過ぎても定職に就かない長男(ジョン・マルコヴィッチ)、女漁りに夢中な次男。父親と長男の「過去の確執」が主題。D・ホフマンの熱演の「クサさ」が目立つが、胸を熱くさせる力作。
海外の評価
VHSビデオのジャケット写真
◆『父の肖像』(1970/米)
映像は昔のテレビドラマ並みで安っぽく、音楽はやたらと大袈裟でミスマッチだが、内容は「成功者の老父」をリアリティを持って描き、素晴らしい。
=========あらすじ(少しだけネタバレ)と感想=========
我慢強く夫を支えた妻を亡くしたばかりの老父(80歳)と、妻を病気で亡くし再婚を考えてる長男(姉が1人いる)の葛藤。映画の中でこの中年の息子の職業は明かされないが「大学教授で作家」という設定らしい。老父は極貧の中で育ち8歳から家計を支えるために働き始めた苦労人であり、元・市長で元・教育委員長という「地元の名士」の頑固者。この父親役がメルヴィン・ダグラス(1901-1981)。息子がジーン・ハックマン(1930-)で、役名のファーストネームも同じ「ジーン」。「姉のアリス」はユダヤ人と結婚したので父から勘当(絶縁)され、シカゴで暮らしている。映画の中で一番盛り上がる(≒緊張感がある)のは、亡母の葬式のために久しぶりに「姉のアリス」が帰郷しての弟や父との口論場面。弟の「父親と暮したい」という矛盾した希望をアリスは「感傷的なたわ言(センチメンタル・クラップ)だ」と厳しく批判する。
海外の評価
DVDのジャケット写真
◆『晩秋 Dad』(1989/米)
主人公はNYで働くヤンエグ(死語)の息子(テッド・ダンソン)と、ボーイング社で機械工として長年勤め上げた老父(ジャック・レモン)。娘婿役でケヴィン・スペイシー、孫(長男の一人息子)役でイーサン・ホークが脇役で出演。
オリジナル予告篇 ※「製作総指揮」はスティーヴン・スピルバーグ
海外の評価
VHSビデオのジャケット写真 ※本作の原作者はウィリアム・ウォートン
◆『da ゴーストになったパパ』(1988/米)
ほとんどが、主人公(マーティン・シーン)が小さかった頃の父親の言動を再現した回想シーンで序盤と終盤が現代の場面。好感は持つが訴求力は弱い。
英語は無知だけど、「da(ダ?)」は「dad(父親)」の省略形?なんですよね?
ビデオ発売時?の予告篇
海外の評価
VHSビデオのジャケット写真
ポスター
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