もう少しだけ『あしたのジョー』について ~「キング・カズ」と『レオン』と『罠』~
元サッカー日本代表でJリーグ開幕期(1993年~)に当時のヴェルディ川崎で大活躍したカズ(三浦知良(1967-))へ、「Jリーグバブル」とでもいうべき人気絶頂の時代にテレビ東京系のスポーツ番組の一角で『いちばん好きな歌は何?』という質問が「CMまたぎ」で出た。カズのファンでも何でもない私は「どうせ気取ってマイナーな洋楽でも挙げるんだろう」と予想していた中、CM明けで出た答えが何の衒いも無く『おぼたけしの美しき狼たち』だったので驚き、小学生の時に大好きだった歌なので急に親近感をおぼえた。
『あしたのジョー』の最初の劇場版アニメ(1980年)の主題歌だったようだ。
現在と違い?大人が「いちばん好きな歌」でアニソンを挙げない時代です。
フランス映画『レオン』(1994)でジャン・レノ(1948-)が演じている主人公の「レオン」と『あしたのジョー』のジョー(矢吹 丈)は、どちらも犯罪の世界でしか生きられない「社会不適応者」として描かれている。ジョーは丹下段平という後見人のおかげで前科者から立ち直るけれど。知恵遅れ?のレオンは、イタリア系の仲介人のオッサン(ダニー・アイエロ)のおかげで暮らせている。両者とも「同世代の友人」も「恋人」もいない。ずっと年下の子供だけが心を許せる友達(ツレ)である。両者とも「出自」や「家族関係」が全く描かれない。おそらく両者とも不幸な生い立ちなんだろう。そして両方の物語の終盤で、「レオンがマチルダに手渡す植木鉢」と「ジョーが白木葉子に手渡すボクシンググローブ」が同じ意味合いを持ってるのは自明だろう。
『レオン』を知ったのは『浅草橋ヤング洋品店』に出演していた崔洋一監督が「この銃撃場面カッコいいだろう」と映像を観ながら賞賛していたから。
もうひとつ、『罠』(1949/米)というロバート・ワイズ監督のボクシング映画で、ロバート・ライアンが主人公の35歳のボクサーを渋く演じています。
この映画の中で、主人公と長年連れ添っている恋人の彼女が、試合を観るのが怖くて会場に入らず周囲をうろつき店頭から流れるラジオで試合経過を聴く場面が出てくる。漫画『あしたのジョー』の最後のホセ・メンドーサ戦で、白木葉子は廃人寸前のジョーの試合を観るのが怖くて会場を抜け出してタクシーに乗り、タクシーのラジオで試合経過が流れる場面がある。影響?
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