アラン・タネール監督『光年のかなた』(81)で連想する楳図かずおの短編漫画『Rōjin』(1985年)
◆『光年のかなた』(1981/瑞(スイス)+仏) ■未DVD化■ ※評価△佳作
監督はスイス出身のアラン・タネール(1929-2022)。私は『ジョナスは2000年に25才になる』(1976/瑞+仏)もビデオで観ているが個人的には▼凡作。
20年ぐらい前にビデオで観たきりで細部を忘れているのもありますが、この映画の感想は難しい。「自ら赴いて無気力なニート青年をスカウトし、弟子にしよう?と不可思議なスパルタ教育を施す謎の爺さん」の話で、この「老人と青年」以外に主要な登場人物はいない。この爺さんにヘンな魅力がある。
【ビデオのジャケット写真に掲載の解説文】 ⇒《北アイルランドの寒村にひとり住む不思議な老人ヨシュア。彼は魂を肉体から解き放ち、銀河系の果てまで飛行するのだという。彼とバーで会った青年ジョナスは、老人の奇妙なたたずまいに魅かれ、家を訪ねるが、老人はそこで様々な試練をジョナスに与える。ようやく存在を認められ、老人が秘密としていた倉庫に招き入れられた彼が、そこで見たものは、巨大な鳥の翼だった…。今年1月(※1988年)に惜しくも世を去ったイギリスの名優トレバー・ハワードが、ちょっと過激で、独特な宇宙観を持つ老人を飄々(※ひょうひょう)と演じて味わい深い。スイス・ヌーヴェルバーグの名匠アラン・タネールの、発売が待ち望まれていた珠玉のファンタジーである。》
同じくジャケ写に掲載の惹句(じゃっく)【老人は銀河を渡る】は、いうまでもなく映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(1971/米)のもじりです。
日本の評価
海外の評価
米国Amazonのカスタマーレビュー
英国Amazonのカスタマーレビュー
VHSのジャケ写にある「穴に落ちた老人を青年が覗き込む」構図は、楳図かずおの「寿命が短くなった近未来で少年(寿命で考えると青年)が初めて醜い生きもの(=老人)と遭遇する」感動的な名作短編マンガ『Rōjin(※老人)』を思い出す。「穴に落ちた老人を少年が覗き込む」ソックリな画が漫画にも。
↑「劇場公開済み」7本中『サラマンドル』『幻の女』の2本が未ソフト化、『光年のかなた』『ジョナスは2000年に25才になる』含む5本が未DVD化⁈
↓で「アラン・タネール」で検索すれば、未DVD化の5本が表示されます。
『ジョナスは2000年に25才になる(2000年のジョナス)』は評価が高い。
予告篇
VHSビデオのジャケット写真
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