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伏し目がちに恥ずかしそうに話すその視線を拾いたくてたまらん
夕焼中わたしをゆるす練習中 駅、次の駅、その次の駅
レジ打ちのをみなにからむ男ゐてとほり越しざま十字を切りぬ
本棚へ姪の真似して仰々しくえいえいおうと本を差しこむ
吾輩は(猫といへどもつり革につかまり立ちの招き)猫である。
朝あけし刹那ぐにやつと吸ひこまる小宇宙なす萩のうへのつゆ
抱かせては君を回収するための捕獲装置としてのわたくし(といふ現象は仮 定された有機交流電燈のひとつの青い照明です)
かみさまがまばたき一つビッグバン意味意図理由目的皆無
時を消すために見てゐる桜かな
青き眼を真向けて人の内心の思案を覗き見る虫王蟲 こんなのはまちがっている絶対に間違ってい…
自我といふ手強き敵と非我といふやさしういへばやつかいなもの
雨脚の流れを変へる風ありてじつくり風の方向を読む
無言なる会話に互いの全てを見別れ来しこと我らに似合い
青いものばかり集めるピュアな君かつて幼き吾(あ)のせしごとく