『紫紺のサムライ』剣を抜き『蒼き賢者』は策を練る(その3)〜関東大学ラグビー明治対筑波 初心者観戦記〜
1.激闘10分
点差は7点。
明治12番のシンビン=10分間の退場は、観客の心にザワザワと細波を起こしていた。明治の優位は動かない。しかし、しかし、、、
筑波はボールを出して敵陣へ入り、筑波ボールのラインアウト。ボールをキャッチした筑波は、左へ右へ速くボールを動かしていく。しかし、明治のディフェンスは強く、堅く、すかさずボールに絡んでいく。
筑波ペナルティー
明治ボールのラインアウト。これを明治キャッチ、自慢のモールで押し込みボールを右から左へ。
倒れてもすぐ起き上がり前進を図る明治、
対して
速いタックルで前進を拒む筑波。
遂に明治にノックオン、筑波が守りきる。
筑波ボールのスクラム、すぐにボールを左へ、右へ、ボールを受けた筑波15番はにわかに加速、ボールは大外14番へ、ステップを刻みながら加速するも明治ディフェンス2人に引き倒される。さらにすかさずボールに絡まれ
今度は筑波のペナルティー
明治は自陣を脱して明治ボールのラインアウト。明治がキャッチ、モールで押し込もうとする。しかし、その最中
密集からラグビーボールが、ヒョコッと外に顔を出した。
すかさず筑波ボールに絡み、明治にペナルティー
再び筑波ボールのスクラムに。
しかし、今日の明治は、筑波のスクラムの弱点を再三ついてきた。解説の砂村さんも
『レフリーとのコミュニケーションはしっかり取って欲しい』
と筑波FW陣に苦言を呈した程だ。
明治は円陣を組み、スクラム後の攻撃を確認し合っていた。8番主将箸本くんは、意を決したかの様な表情を浮かべていた。
ここで時計は62分を回っていた。もうすぐシンビンが解消され、12番は戻ってくる。
2.サムライ、機を逃さず
明治、ピンチを脱するか⁈
明治ボールのスクラム。明治は一気に押し込んでいく。これが正しい押し方だったのか、初心者の私にはわからない。
突然、火山の噴火のように、筑波の選手が真上にせりあがってきたのだから。
これは一つ間違えると危険なプレーになるらしい。レフリーは明治に注意を与え、スクラムは組み直しとなった。
とはいえ、やはり明治の『圧』は本物だった。
明治は一気に押し込んで前進、耐えきれず筑波ペナルティー。
明治はこのままボールを回す。右へ、左へ、しかし
ここでノックオン。先程の筑波のペナルティーがあるため、明治はボールを出して敵陣深くに入ってきた。
そして、
シンビンが明けた12番は戻ってきた。
明治はピンチを脱出、筑波はチャンスを生かせなかった。
明治はこの時メンバーを2人交代させた。2人とも長身にして、みるからに頑健。
どれだけハイレベルなチームなんだ!
明治ボールのラインアウト。明治は入念にサイン等をチェックしていた。
興奮と苛立ちが極まったのか、この場で決して聞こえてはいけない、ファンの野次がいくつも飛んだ。
あの、感染防止のため野次は120%禁止なんですが。
明治ボールのラインアウト。ボールを明治がキャッチ、すかさずモールで押し込む。ジリッ、ジリッとモールは前に動き出した。
そこからはあっという間だった。雪崩を打つように明治FW陣はゴールライン内に倒れ込んだ。
筑波は耐えきれなかった。
65分明治トライ
『故意にモールを崩した』とレフリーは判定、コンバージョンなくしてプラス2点が追加された。
明治対筑波 26-12
筑波万事休す、か。
いや、ドラマはこれからだった。
この後『スカイブルーの賢者達』は、驚愕と称賛の嵐で熊谷ラグビー場を包みこむ『大芝居』をやってのけるのだ。
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