大学ラグビー2021☆プチ観戦記〜明治大学vs帝京大学〜此処に『赤壁』ありて〜
1.秩父宮に秋風ぞ吹く
寒い😨
2021年5月『ラグビー日本選手権決勝』以来の秩父宮ラグビー場、空は晴れ渡っていた。
渋谷で昼食を取った時は、歩くと汗ばむ陽気だったはず。しかし、外苑前駅へ吹き込む風は思いの外冷たかった🥶
この日は珍しくメインスタンドのチケットを持っていた。午後は日が当たらず冷える席だ。まだ11月だから、とダウンコートを着てこなかった自分を早くも後悔し始めた。
人混みを抜け会場に入ると、そこには一面秋に彩られた別天地が広がっていた🌟🌟
裏の銀杏並木は8分の色づきといったところか。
『銀杏並木が色づく前に彼氏できないと、4年間彼氏できないから』
日吉駅前の銀杏並木を背にしてサークルの先輩が教えてくれた大学伝説😨、色づいたのは11月も末に近かった。ここの銀杏が黄色く染まるのもまもなくだろう。
空はどこまでも青く、芝生の緑と銀杏の黄色が優しい彩りを添えていた。
グラウンドでは既に両校の選手達が試合前練習を進めていた。
大きいなあ😳😳
ラグビー生観戦は6月の日本代表壮行試合以来だ。あの時選手は豆粒ほどの大きさだったが、今目の前には、とにかく筋骨逞しい青年達が体をぶつけ合っていた。
関東大学ラグビー対抗戦グループA
明治大学vs帝京大学
大学ラグビーの盟主『明治大学』と、ラグビー界の革命児『帝京大学』との一戦は、前節で帝京が早稲田に勝った事により、にわかに緊迫したものになっていた。
ここ数年、かつての絶対的強さが影を潜めた帝京に対し、明治は再び盟主の存在感を強めていた。少なくともこの試合の『挑戦者』は帝京ということになるだろう。
しかし、前節スクラムで早稲田を圧倒した帝京は、持ち前のフィジカルの強さを後ろ盾に、終始スピード感あふれる攻撃を展開していた。
明治はここまで危なげなく勝利している。前年まさかの敗北を喫した慶應義塾にも圧勝、この一戦に準備は万全だ。
選手達が入場する。はじめに帝京大学。
外国人留学生が2人メンバー入りしている。しかし、あくまで彼らは攻守のスパイスであって、彼らに頼った編成でないところがこの大学の凄みでもある。
続いて明治大学
帝京に送られた何倍もの拍手に包まれグラウンドに入っていく。
今も昔も熱狂的ファンに支えられたこのチームは、相手がどこであれ会場は常に『ホーム』になる😳😳。
この『理不尽』もまた大学ラグビーの風物詩か。
試合が始まった。
2、前半〜『赤き炎』は火柱となって🔥
開始早々、明治は帝京のハードなタックルをお見舞いされ思うように前進できない。
そんな中、最初のスクラムが私達観客を絶句させた。
組み合った瞬間から帝京は猛然と押し込んだ。明治はみるみる後退し、帝京は彼らを捲り上げた。
あっという間に、赤いユニフォームが柱のようにそそり立つ様を観客は唖然として見つめるばかりだった😳😳😳
その後も帝京は攻撃の手を緩めない。
明治はスクラムで負け、ボールを保持しても帝京の襲撃に負けボールを手から離せない。
ノットリリースザボール
この反則名をこの日どれだけ聞いたことか。
帝京の猛攻に苦しむ明治、会場に緊張した空気が漂い出した。まさか、もしかして、、
初めてのトライは、開始15分過ぎにうまれた。
慌ててシャッターを切った。ピンボケの写真だけが手元にある😓
ゴール左隅に、帝京と明治の選手が転がっていったが、私の死角に入って全く見えない😨😨
レフリーの手は上がっていた🌟🌟
帝京先制😳😳❗️
会場は、拍手と同時になんとも言えないどよめきに包まれていた。
このトライ、一体どんなトライだったの⁉️
しかし分からずじまいだった😭😭
大学ラグビーリーグ戦にはリプレイ映像が出ないのだ😳😳😳そうだっけ⁉️
メインスタンド南半分の観客は、事情がなにも分からないままではあったが😓、試合は続いていく。
帝京のパワフルな猛攻に、オリンピック代表石田くんをも擁する明治は、再三彼を含めスピードのある選手達が飛び出して事態の打開を図った。
しかし、
飛び出す分だけサポートが遅れる😢。帝京は複数で襲いかかりあっという間にボールに絡んでしまう😳。この流れが変わらない。
帝京二つ目のトライはもはや必然だった。
中央を抉るように突破した。
周りに座る明治ファンは、固唾を飲んでこの試合の行方を見守っていた。明治の選手が捕まるたびに
あーっ❗️というため息とも叫びともつかぬ声があちこちから聞こえた。
この後帝京3つ目のトライ⁉️かと思われたが、帝京スローフォワードの認定。ノートライに。
助かった😭😭
明治ファンはもれなくこう思っただろう。
それ程に、40分間明治はなす術なく自陣に攻め込まれて防戦一方だった😢
前半終了の笛が多くの観客をホッとさせていた。もちろん、
まさか、もしかして、、が現実化する恐怖に怯えていたが。
3、後半〜『赤壁』に紫紺の矢は尽きて〜
ハーフタイムに、明治の新監督神鳥さんは的確なアドバイスを送ったのだろう。
試合後半、見違えるほど明治の選手は落ち着いていた。
開始早々明治は一気に攻め上がった。
初心者の私に細かい戦術は分からない。ハッキリしていることは、
明治が捕まらなくなった=サポートする選手がいる
ということだ🌟🌟
そして、観客待望のトライが生まれた。
開始早々のトライ🌟🌟コンバージョンも決まり7点差🌟🌟
大きな拍手、スタンドのあちこちから一斉に紫紺の小旗が上がり、歓喜に揺れていた。
この後も明治は攻め続けた。
しかし、ゴールラインが遠い😭😭😭
攻撃のリズムがほんの少し緩む度に、帝京は襲いかかってきた。
後で振り返れば、帝京は後半PGも含めて無得点に終わっている。
明治はしっかり立て直していたのだ。しかしフィニッシュできないもどかしい時間帯が続いた。
こうなると、次第にペースは帝京に移っていく。
あわや帝京追加点❗️というピンチを数回凌ぎながら反撃を続ける明治。
気がつけばグラウンド全体に影が落ち、時間は刻々とすぎていった。
終了間際、帝京陣内での攻防。明治はチャンスを決められなかった。
しかし、これで終わりかと思いきや明治はボールを奪取👊
明治最後の攻撃が続いた。
これも盟主の試練なのか。
最後にパスを受けた選手は既に傷んでいた。飛んできたボールをキャッチすることはできなかった。
ノーサイド
抱き合って雄叫びをあげる帝京の選手達。その歓喜の輪を呆然と見つめる明治の選手達。
7ー14
予想外のロースコアの結末😳😳
明治のファン達は、どこか納得した表情を浮かべ、復活したライバルへ賞賛の拍手を送っていた。
それは、『メイジ』であるがために、常に『勝利』という使命を背負わされ続ける青年達を労う拍手でもあった。
日は大分傾き、バックスタンドまで影は延びていた。
〜あとがき〜
赤壁の戦い
三国志でお馴染み、
中国後漢末期の208年、長江の赤壁(現在の湖北省咸寧市赤壁市)において、曹操率いる魏の大軍を呉の孫権・蜀の劉備連合軍が撃破した戦いです。
この日の帝京は、早稲田を破った勢いそのままに大学ラグビーの盟主明治を見事に攻略しました。
この試合、終始彼らは赤く厚い堅固な『壁』でもありました。
もちろん、まだ完全復活には発展途上、度重なるハイタックルはチームの品格を問われます。これは今後の課題でしょうか。
明治は、あと一歩が遠かった。一人で窮地を打開する選手が欲しいところです。
選手権のドローを考えれば、今年の早明戦は死闘にならざるを得ません。
明治の『メイジ』たるところを見せてほしい❗️
明治ファンのみならずラグビーファン全てが『メイジ』の体現を待っています。
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