駆け抜けるスカイブルーと突き進む虎達と(後編)〜関東大学ラグビー筑波対慶應 初心者観戦記〜
1.運命の女神様、気まぐれな神だけど
後半が始まった。
それは開始早々だった。
ラインアウトから滑らかにパスが繋がり、最後は筑波15番が軽やかに慶應陣内を駆け抜けてトライ。あっという間の出来事だった。
筑波対慶應 コンバージョンも成功 17-5
すかさず慶應は反撃、重い筑波FW陣にも果敢にアタックを続けトライを目指す。19フェイズ、ゴールラインは目前に。
しかし、ここでノックオン
その後、慶應は再び筑波陣内に猛然と攻め込むが、またもや目前でペナルティーを取られる。
サッカーではゴールを外し続けると相手に流れがいってしまうのがお約束だが、、、
しかし、慶應は、疲れも見せず再び力強く走り込んであっという間にゴールライン間近まで迫る、
しかし、また、ああまた、ノックオン。
運命の女神は気まぐれで気が短い。我が母校よ、ここが勝負どころだ!
幸い、女神はまだブチ切れてはいなかった。
57分、再び慶應は筑波陣内に攻め込み、遂にトライ!
筑波対慶應 コンバージョンも成功 17-12
これで試合の趨勢は分からなくなった。
2.女神様、今は祈るだけ
いや、運命の女神は非情だった。
その直後
筑波の15番は風となって、あっという間に慶應陣内を颯爽と吹き抜けていった。
鮮やかなトライ。緑の芝の上を駆け抜けるスカイブルーの青年は、清々しい美しさを放っていた。
筑波対慶應 コンバージョンも成功 24-12
この後、筑波は、何かから解き放たれたかの様に選手達が躍動していく。
74分 慶應のペナルティーで筑波PG成功
筑波対慶應 27-12
筑波の10番は成功を確認すると、今まで見せなかった柔らかい笑顔を浮かべた。
試合時間残りあと5分。
しかしまたもや慶應にペナルティー
筑波PG成功 筑波対慶應 30-12
しかし、気が緩んだのか、あの『怪物』が顔を覗かせたのか、ここにきて筑波はミスを重ね、慶應はゴールラインに迫る。
慶應の動きは最後まで覇気があった。力強さも消えなかった。
終了直前、彼らは筑波陣内を切り裂く様に走り抜けた。そのトライは熱を帯びていた。
しかし遅かった。
そして
ノーサイド 筑波対慶應 30-19
なぜこの様な結果になったのか、初心者の私には今もわからない。
やはり調整不足なる『怪物』は、慶應に少しだけ牙を向いたのだろうか。
ただ、この芝の上で、スカイブルーの青年達は、運命の女神を振り向かせるだけのパワーがあった。それだけは確かだ。