静岡ブルーレヴズ観戦記☆vs清水建設江東ブルーシャークス〜プロフェッショナル、その道は〜
1.磐田にも秋が来て🍁🍁
連日の真夏日もそろそろ落ち着くのだろうか。ここ数日、東日本には涼やかな秋風が吹き込むようになった。夏バテ気味だったハロウィンのカボチャ達も、心なしか陽気に騒ぎ始めた気がする。
私が応援するプロラグビーチーム『静岡ブルーレヴズ』(ジャパンラグビーリーグワンD1所属)
この日、4度目のプレシーズンマッチを行うことになっていた。対戦相手は、
清水建設江東ブルーシャークス
言わずと知れた大手ゼネコン清水建設、このチームはいわゆる『ラグビー部』ではない。2001年から『クラブチーム』という形を採用している。所属選手は清水建設社員に限らない、というのがポイントだ❗️
これにより、企業とプロ契約をしない『社員選手』のチーム移籍が容易になり、結果としてアスリート人生をのばせる選手も多くなるだろう🌟🌟
2019年シーズン、念願のトップチャレンジリーグ(現D2)に昇格、2020/2021シーズンは早くもリーグ戦4位でプレーオフトーナメントにも進出した。新リーグはD3からの出発だが、当然さらなる高みを目指している🌟🌟🌟
江東=こうとう、行政区画でいえば江東区という地域は、東京都東部に位置する。
富岡八幡宮がある『深川』、亀戸天神社がある『亀戸』など、時代劇や落語でお馴染みの地名も江東区。
若い人口が急増する『臨海副都心』の豊洲地区、青海地区も江東区だ。
遥か昔、この界隈に住む住民達は自らを『江戸っ子』と称した。現在、この街随一のターミナル駅『新木場=しんきば』からは、わずか6分であの夢の国『東京ディズニーリゾート』最寄りの『舞浜』駅にたどり着ける🌟🌟🌟
まさに『昔』と『今』が混在する街、それが江東区だ🌟🌟🌟
ブルーシャークスは、江東区をホストエリアとする協定を区と締結、新木場駅から徒歩5分の『夢の島陸上競技場』をホームスタジアムとして使用する予定だ。
さて、静岡県磐田市大久保練習場で彼らを迎え撃つレヴズであるが、、
これまで2勝1敗。初戦のD3豊田自動織機シャトルズ愛知に大敗したものの、次戦の東芝ブレイブルーパス東京、クリタウォーターガッシュ昭島には快勝している。
今思うと、若手主体とはいえ、あの初戦はなんだったのか😓😓⁉️
今回も、前回に続きD3チームとの対戦。実戦でしか確認できないものがあるのだろう。この試合を終えると少し間が空く。そして11月中旬以降、いよいよD1強豪チームとのプレシーズンマッチが始まるのだ🌟🌟🌟
気がつくと、気温はともかく暦の上では秋半ば🍁🍁。チームが『新リーグ』という荒海に船出する日が刻々と近づきつつある😳😳
この試合、なんと『この方』が実況を務めることになっていた❗️
矢野武さん🌟🌟🌟
お顔を見て分からなくても、『声』を聞けば
『あれ⁉️聞いたことある❗️』
と思う方がほとんどだろう。最近では、NHKBSプレミアムの異色バラエティー『魔改造の夜』で、伊集院光と毎回軽妙なやりとりをみせてくれる🤣🤣
ラグビーファンからすれば、
J Sportsのラグビー実況でお馴染みの方だ🌟🌟
レヴズ側からは、初戦、第二戦で解説を務めたHO日野選手が再びご登場🌟🌟。昨シーズン初戦で大怪我を負ったが、来シーズン開幕には間に合うとの事だ😊😊ブルーシャークスからは同じくHOの大西さんが解説を務める🌟🌟
(左から、矢野さん、レヴズ日野さん、ブルーシャークス大西さん)
この日午後の静岡西部は、曇りのち雨、最高気温25度、湿度80%以上と予想されていた。
この雨が、磐田に秋を呼び寄せるのだろうか🍁
この試合のメンバーは下記の通り、
若手が多くスタメンに起用されている。大怪我から復帰した桑野さんがゲームキャプテンを務めるのが嬉しい🌟🌟
この試合、選手にとっては、新リーグ開幕に向けたある種『サバイバルゲーム』かもしれない。
仲間であり、同時にライバルでもあるチームメイト、その間にはどこか複雑な関係が生まれるはずだ。
『ルール』という制約の中で、それぞれの思いを秘めたチームメイト全員が、『勝利』という共通の目的達成を目指す。
少なくとも、
お互いを必要とする、という意味において、
スポーツ=生きる そんな気がする。
2、プロフェッショナルへ、道は遠く
家事に手間取り、試合映像にたどり着けたのは試合開始2分後だったが、早くもレヴズは敵陣ゴール前に迫っていた。
完全にレヴズの圧が勝り、認定トライが認められた。
レヴズ先制 7ー0
天気予報は見事に外れていた。グラウンドの頭上には、さわやかな秋空が広がっていた。
矢野さんは軽妙に試合状況を語りつつ、両チームのMCにチーム戦術や選手の特徴など、さまざまな質問をテンポよく振っていった。
プロラグビーチームになって変わりましたか
そんな趣旨の質問がレヴズ日野選手に投げかけられた。
日野選手は、言葉を慎重に選びながら、社長山谷拓志さんの言葉を口にした。
プロ選手も社員選手も同じプロフェッショナルとしての自覚を持て
あれは『茨城ロボッツB1昇格決定』の試合映像だったか。The KEIO BOYの山谷さんが『納豆』の帽子をかぶりファンにご挨拶していた姿を思い出した🥲🥲
支えてくださるスポンサーの方々がいらっしゃいますし、、選手もプロとしての広報力を求められますし、、
さらに続く日野選手の言葉には、どこかハッとさせられる重さがあった。
試合前半は、専らレヴズペースで進んだ。
スピード、スキル、フィジカル、フィットネス
ラグビー選手の能力を示す言葉の全てにおいてレヴズがブルーシャークスを上回っていた🌟🌟
ただ、時折、驚くほど強度の高いタックルがレヴズを襲い、突然空気を変える瞬足がレヴズ陣内を襲った😨😨
ブルーシャークスは、2019シーズンにトップチャレンジリーグに昇格したばかりだが、昨シーズンはリーグ戦4位と大健闘していた。そして、新リーグ開幕に向けて更なる補強も怠らない。
この日のブルーシャークスMVPはなんといっても
ガース・エイプリル選手だ🌟🌟🌟
サンウルブズにも所属した経験を持つ、体の強い俊足選手。個の力でブルーシャークスを少しずついいリズムに乗せていく、、、
レヴズはラインアウトからのモールでさらに得点を重ねていた。
いいラインアウトからのいいモールでしたね
日野さんも3回目の解説とあって、実に口が滑らかだった。もともと言語力のある方なのだろう。
いいラインアウト、いいモールとは?
すかさず質問する矢野さんに、日野さんは淀みなくわかりやすく答えてくれた。要はラインアウトでボールを思惑通りに獲得すれば、そのまましっかりとした陣形を作ってモールに移行できる、そうなれば、攻勢を維持しつつスムーズにインゴールできる、ということらしい(解釈が間違っていたらすみません🙇♀️)
なるほど😳😳セットプレーは全てが繋がっているのか🌟🌟
その後も、レヴズは再び敵陣になだれ込み、ボールは次々と選手の手と手を渡っていく。
矢富選手は力強く敵を振り切りトライ❗️
中井選手のゴールも成功❗️
彼は下半身が強いんです。
日野さんは矢富さんの長所をこう紹介した。敵を振り切れる筋力とバネの強さ、だろうか。たしかに、彼の走りは重い銃弾が鉄板を貫通するような凄みがあった🌟🌟
中井選手、、平井堅に、似てますよね💦💦
矢野さんのツッコミに日野さんも即座に
似てます🤣イケメンです。お母さんがウクライナ人で、、プロフィールによると趣味は恋愛コンサルタントで、、
と彼を紹介した🌟🌟
やっぱり似てるよね💦💦みんなそう思っていたんだ🤣🤣
なにより天性の身体能力と恵まれた体格、これを生かさずしてどうする👊👊将来性抜群の期待株だ🌟🌟
さらにトライを決めた今日のHO高部選手について日野さんはこう紹介した。
彼はジャッカルうまいんです。理由があるんです。悪い意味じゃなくて、彼、足が短いんですよ。地上に体が近いというか、、、
ホントにその方が手が早くボールに伸びるのだろうか⁉️理論上はたしかにそうだが😓😓
とはいえ、たしかに彼のジャッカル成功率は高かった🌟🌟足の長さが関係したかは不明だが😓😓
この時点で、19ー0
このままレヴズ楽勝か🌟🌟と思った私は甘かった💢
この後、大西さんは再三この言葉を口にする。
レヴズの強度に慣れてきたので、、
ここからブルーシャークスが次第に時間を支配し始めた。
前半28分、34分、ブルーシャークスは続けてトライを決めた。
ガース・エイプリル選手を筆頭に、粘り強くフェイズを重ねていった。攻撃に転じたレヴズへの強く効果的なタックルも見せるようになった。
前半終了間際、レヴズは更なる攻撃を仕掛けたブルーシャークスからボールを奪取、36分FL山下選手のトライにつなげた。
ここでハーフタイム
レヴズ楽勝ムードはなくなりつつあった😨😨
3、プロフェッショナルへ、道は険しく
ハーフタイム終了間際に、レヴズへのギフティングのお知らせがあった。私は、すでにハーフタイムに寄付を済ませていた。
おだちえさん、ありがとうございます❗️
矢野さんから突然名前を呼ばれた😳😳流石に驚いた😳😳
コメント欄に『矢野さんの軽妙洒脱な実況がとても楽しかった』🌟🌟という趣旨のコメントを書いたのだが、あえてそこには触れず、寄付へのお礼の言葉と、
ブルーシャークス強いですね
という最後の一句を大西さんに向けて読み上げてくださった🌟🌟ファン思いの気遣いのある方だ🥲🥲
試合は、後半開始早々ブルーシャークスのペースだった。
選手は順次交代していたようだが、詳細はわからない。なんと、実況席にカメラがなかったために、矢野さん達はそこまで追えなかったのだ😭😭
ギフティングで、いつかドローンも、、
日野さんの言葉に実況席は爆笑🤣だったが、裏を返せば、配信作業にはやはりそれなりのお金がかかるらしい😳😳
後半9分 早くもブルーシャークスがトライ❗️
その後もレヴズは徐々にこなれてきたブルーシャークスの攻勢に再三晒された。
タックルは強く👊👊突破は鋭く⚔️
スピアーズから移籍した立川直道選手(立川理道選手の兄)の名も、頻繁に矢野さんが口にするようになっていた。
大西さん曰く、
前所属先クボタに勤務しつつ、夕方1930〜22:00は横浜市都筑区荏田のグラウンドで練習、その後江東区内の自宅へ、帰宅は深夜に及ぶという😳😳
自らも社員選手である大西さんは、立川選手の日常をこう説明しつつ、さらっと
僕は。06:30には起きて出勤します
と口にした😳😳
そういえば、昔キャノンイーグルスの沢木敬介監督も『帰宅はいつも深夜でした』とインタビューで話してたなあ😳😳
さて、この日は解説のお二人が揃ってHOだった。自然とスクラムの話で盛り上がる。
スクラムの話でいくらでも飲めます😁😁
レヴズにはあの慎さんがいる🌟🌟。レヴズ飲み会🍻でFW陣は延々スクラム話で盛り上がるのだろうか⁉️
スクラムをきちんと組まれると、LOやFLはスクラムを緩められなくなります、緩めるとスクラムで反則取られますから。自然と、外側は1対1になるので、、
敵陣ゴールライン前でスクラムをしっかり組めば、それはすなわち相手が防御にFW陣を回せなくなる、ということか😳😳なるほど😳😳
なんだか今日は賢くなった気がする🌟🌟
この解説のきっかけとなるトライを決めたのが彼だった。
おそらく、この日のレヴズMVP
岡崎航大選手🌟🌟
古豪筑波大学出身、昨季秩父宮でその姿を何度も見た。大西さんの後輩でもある。
筑波ラグビー
彼らは、大学生らしい不安定さを時折のぞかせながら、流れるが如く美しい連続プレーを披露する🌟🌟。このチームは、勝敗を超えてラグビーの魅力を観客に伝えてくれる🌟🌟
駆け抜けるスカイブルー
この疾風の如く緑のグラウンドを駆ける筑波ラグビーを牽引した岡崎さんは、今レヴズブルーに身を包み、あの頃以上にクレバーなプレーを見せていた🌟🌟🌟
あの、流経大との抽選がね、、
筑波大学は、鈍色の空が広がる中、大学選手権3回戦で流通経済大学と激闘を演じた。
(秩父宮で撮影)
決着つかず、主将山田くんは抽選に臨み、力尽きたのだった。
結果に気づいた時の苦しげな表情は、今思い出しても胸が詰まる。観客は総立ちで彼らの健闘を讃えた。
今日出てませんけど、うちにいますから、、
おお😳😳そうか、山田くんブルーシャークスだったのか❗️
彼らの人生はそれぞれに続いていたのだ🥲🥲
後半19分、この岡崎選手のトライが、レヴズのラストトライとなった。
31ー21
後半27分 ブルーシャークストライ
31ー28
事態は緊迫の度を増してきた💢💢💢💢
レヴズは再三敵陣ゴールライン付近まで攻め込んだ。しかし、なぜか⁉️と思うくらいトライに至らない😨😨
そして、ピンチはやってきた。チャンスを逃し続けたツケは必ず回ってくる。ブルーシャークスはゴールライン付近に迫る。一度スクラムを組んだ後のことだった。
クイックスタート
要するに奇襲速攻なのだが、完全にレヴズの足は止まっていた。
後半40分 ブルーシャークストライ❗️❗️
逆転❗️❗️
『オオーッ❗️❗️❗️❗️』
ブルーシャークスコーチ陣の雄叫びが聞こえた。
ここでノーサイド
31ー33 ブルーシャークス勝利🏆
僕だったら、クイックあるぞ、と周りに、『一言』声をかけてから、あとはスクラムに集中するんですが、、
後輩達を気遣いながらも、選んだ言葉の一つ一つを噛み締めながらこのプレーを語る日野さん、
その『一言』
トライアウトで入団し、レヴズ不動のレギュラーとなった男の『矜持』をそこに見た気がした。
〜あとがき〜
プロフェッショナル
同名のNHK番組は根強い人気を誇ります。
この言葉に、なぜ人は惹かれるのでしょうか。
プロフェッショナル=プロ契約
ではありません。
ラグビー選手の多くを占める社員選手も、日々企業人として、ラグビー選手として己を全うすべく努力しています。それもまたプロフェッショナルな姿といえるでしょう。
この日の配信で、改めて実況解説者矢野武さんのプロフェッショナルな姿勢に驚きました🌟🌟
もう飽きるほどラグビーを見ているはず、しかし、技術、戦術的なことに自らは一切触れず、
その日の天気、選手の表情、試合の趨勢、反則の有無など、
あくまで客観的な実況に徹していました。そしてこまめに、選手の笑える小ネタも含めて、解説の選手達に話を振ります。しかも、解説に慣れていない現役選手であることも踏まえて、とても答えやすい具体的な問いを投げかけます。
日野さん、大西さんのスムーズな解説は、矢野さんの質問力に負うところも大きいと感じました。
なにより、矢野さんの明るくクリアな口跡は聞きやすく、試合を存分に楽しませていただきました🌟🌟
その矢野さんが、試合後監督インタビューをしてくれました。
『静岡県の美味しいものや、いいお店は?』
私が勝手に『タッキー』とよぶ堀川隆延レヴズ監督は、すこし戸惑う素振りを見せました。
もともとインタビューは少々苦手な方ですが理由はそれだけではありません。すかさず矢野さんが助け舟を出しました。
『スポンサーさんのこともありますよね』
そうか😳今までヤマハラグビーを強くすることに専心してきたタッキーも、今それ以外のことに心と時間を割かれているのだ😳😳
そんな悩み多きタッキーが『胴上げ監督』になる日まで、ささやかな応援を続けようと思います🍀🍀🍀🍀