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ラグビーマガジン12月号初心者も楽しめる記事を選んでみました(その4)〜その一言が中島イシレリ選手の人生を変えた〜

中島イシレリ選手

トンガからの留学生として流通経済大学へ。トンガにいた頃は、お父様に内緒で文武両道に励む優等生だった、とは知らなかった。

卒業後はNECを経て神戸製鋼へ。日本人の方と結婚されて日本国籍取得。しかし、日本代表はW杯1年前まで遠い夢だった。人生とはわからない。

詳しくは、本の方で。

彼の人生を変えたのは、ある指導者の言葉だった。

神戸製鋼の総監督ウェイン スミスさん

2018年春に就任したスミスさんは

どうしてあなたが日本代表に入っていないの』

と問いかけたそうだ。

この問いかけ方が憎い。単なる励ましとも違う。

君を信じている

というサインだ。

彼は、この年からようやく神戸製鋼のレギュラーに定着。その年の秋、ついに日本代表に招集される。ところが、、

ロックだったイシレリ選手。しかし、日本代表争いの中で、そのポジションに彼が入る隙はなかった。この時、日本代表ジェイミージョセフHCにプロップへのポジション変更を打診される。

スミスさんに相談するイシレリ選手。

その時、スミスさんは、

『あなたがプロップになったら、間違いなく世界一のプロップになれる

と表現した。

この方、本当に褒め上手だ。間違いなく、というフレーズがいい、

これも

君を信じている

というサイン、だと思う。

褒め言葉には色々あるが、

自分の才能や能力に対して信頼を寄せられる

ことは、何よりも、自分への自信になる。

自己肯定感を高める

他人に対してこういう意識を持たせるアドバイスは素晴らしい。

もちろん、スミスさんの言葉をそのままに受け止め努力したイシレリ選手の素直さもまた得難い長所だと思う。

日本人は、スミスさんのような表現を口にするが苦手だ。

まず、ストレートに人を褒めることを恥ずかしがる。そして、褒めた効果より、褒めてつけあがる、甘えが出る、等の副作用の方をなぜか恐れる。

褒めて育てる、は間違い、という記事が好んで最近読まれるのもこの国の特徴か。褒めることに責任を持てない、厳しくすることで自らの責任を回避する、そんな日本の大人の事情も透けて見える。

努力と根性を言い聞かせるより、自発的な行動を促す言葉

大人は逃げてはいけない、そして若い力を信じなければならない、要はそういう事か。

私達に足りないものをスミスさんは示してくれたように思う。






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