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大学ラグビー🏉観戦記・1/2大学選手権準決勝・明治vs帝京〜どこまでも、前へ❗️〜


 1.初春や

 2025年 巳年🐍

平和、まさに願いはこれ

 社の御幣も真新しく、賑わいの中人々はそれぞれに祈りを捧げる。
 
 *     *     *
新春の東京、雲一つない空は眩しい。
 
 地下鉄銀座線外苑前駅 午前11時半。
 暑い、、💦
 着膨れるだけ着膨れた上に2枚もカイロを貼り『万全🔥』と意気込み家を出たのだが、予想外に外は暖かい💦💦
 私同様モコモコになった人々は、外苑西通りを旭山動物園のペンギンパレードの如く同じ方向にヒョコヒョコ歩いていく。
 目指すは、あの聖地❗️
 見るのは あの試合から❗️
 2024/1/2  第61回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝 第一試合 明治大学vs帝京大学@国立競技場
 

 今季の大学ラグビーは、いつになくファンが沸いている。
 早稲田は帝京に快勝、
 帝京に大敗した明治だが早明戦では大接戦、
 一体、真の王者は誰なのか⁉️

 まずは、この日の第一試合に注目が集まっていた。


 『奪還❗️』
  明治ファンのTシャツに染め抜かれたこの二文字、
 このチームが長年背負うものを思う。

Mを模したスクールロゴもすっかり定着、かつてのバンカライメージは皆無

 小春日和のスタジアム、集った観客は試合前から景気良くビールを飲み干していた🍻

まさか膝掛けも帽子も要らないとは

 両チームは練習を始めていた。
 南に帝京大学、
 赤のジャージ、フィット感強めのデザインを差し引いても、とにかく彼らの肩周り胸周りの筋肉は盛り上がりかつ締まっている。
 明らかにアスリートとして質の良い日常を送っているのが分かる。
 単にデカいのではない。
 FWは走れる
 BKは当たり負けしない
 ポジションの区別が不要とも言えるほど、屈強かつ俊敏に動ける体型が出来上がっている。
 対抗戦グループ初優勝が2008年度、翌年から大学選手権9連覇、
 帝京が『この世界』をリードするようになって早15年以上経つのだ。

選び抜かれた精鋭達
既に大学の枠を超えているか⁉️

 日本代表に多くの選手を送り出している『赤い軍団』は、黙々と練習をこなしていく。

北の明治大学。
大学選手権では、対抗戦グループ3位通過ゆえに和歌山まで遠征する羽目に😱
 しかし、東海、天理に危なげなく勝利を収め、無事正月の聖地に帰還した🌟
 帝京相手に苦戦が予想されるものの、『もしかして』の期待も膨らむ。
 
 もちろん、今も昔も明治の信条は『前へ』。

 スクラムの組み方を入念に確かめる選手達がいた。
 私は明治ファンというわけではないが、彼らの親世代になるせいか、これを見るだけで涙ぐんでしまう🥲

最高の自分を目指せ❗️
この一瞬を、力の限り❗️

 明治は円陣を組んだ。
主将木戸くんが口を開く。

木戸組、【奪還】なるか。


 麗らかな新春の昼下がり、練習が終わり選手は引き上げていく。

 メンバー発表が終わり、選手が入場する。

 場内は拍手に包まれた。
 初春の聖地で決戦に挑む青年達への賞賛、激励、高まる期待と緊張、ラグビーファンのあらゆる想いを乗せて、拍手は途切れなく続いた。

両チーム主将、青木くん、木戸くんを先頭に

 帝京、

 早稲田に敗れた後、一層強さを磨いた感もある赤の猛者達、聖地で【王者】のラグビーを示せるか。

 明治、

 奪還❗️まであと2勝、この険しき『赤い壁』を越えられるか。

 試合が始まった。
 

 2、前半〜翼があれば〜

 開始早々、観客は帝京の強さを思い知らされる。
 速く、強く、巧く、
 
 明治は果敢に帝京陣内に攻め入るが、帝京は鉄壁、ゴールラインは割らせない。22メートルラインから先がこんなに遠いとは🥲
 逆に、
 敵陣に入ると見る間に加速、明治ディフェンスは後手に回る。その一連の流れはあまりにスムーズだった⭐️⭐️
 前半6分、4番ダウナカマカマくんからすっとパスを受けた10番本橋くんの前に、トライへの一本道がくっきりと開けていた🔥
 帝京トライ 0-7 帝京先制。
 帝京は16分にも14番生田くんがトライをあげる。
 CGも決まり0ー14
 呆然とする、とはこういうことか。

ここから先が遠かった
鮮烈すぎてトライの写真を撮り損ねる


力負けしない生田くんのラン


 とはいえ、
 前半、ここからの明治は攻守ともに冴えた⭐️
 余程研究したのだろう。
 ラインアウトのサインプレーで、密集での攻防で、帝京をほぼ完璧に封じてみせた。
 なにより、
 ⭐️伝家の宝刀『スクラム』が強かった⭐️
 
 《スクラム》
 若い頃は、この『おしくらまんじゅう』みたいなプレーは謎でしかなかったが、今は多少理解できる。
 翼なのだ。
 自陣に攻めこまれてもこれで脱出できる、
 敵陣に進めば、ゴールラインに迫れる、さらにトライに繋げられる。
 ピンチをチャンスに変え、
 チャンスをトライに変える。
 前へ❗️
 彼らは微動だにせず、次の瞬間あの『赤い壁』が崩れ落ちる。
 MEIJIという翼は美しかった。

この試合前半、明治のスクラムを心底美しいと思った


 明治は前半12分、帝京陣内のボールに絡みこれを奪取🔥
 14番白井くんがディフェンスを何度も振り切り11番海老澤くんにパス、海老澤くんはそのまま飛び込んだ🔥
 さらに前半32分、1番檜山くんがトライを加える。

果敢に飛び込んだ

試合は俄然盛り上がってきた。
とにかくファンの多い明治、自然と拍手、手拍子が湧く👏
 終了間際、明治は帝京陣内に攻め入った。
 しかし、帝京はたじろがない。
 鉄壁のディフェンスが再び炸裂💥💥明治のペナルティーで前半はこのまま終わった。

12ー14 2点差で帝京リード🔥

 夫はスマホで何かを確認していた。
『箱根、青学優勝だって。』
 今季三冠を狙う國學院を抑え青学は定位置を確保していた。昨年箱根路を沸かせた【早稲田#山の名探偵】は3位、
真実は一つ』
 コナンのポーズに指を突き立てゴールテープを切っていた。

 3、後半〜唇噛み締めても〜

 帝京は、【明治のスクラム】という難題をクリアしたようだ。
  
 後半早々、明治のディフェンスを翻弄、
 4分に上田くん、8分にダウナカマカマくんがトライを奪う🔥
 あっという間に突き放された。
  12ー26  14点差

パワーとスピード、スキルを見せつける帝京

 帝京の攻撃はスマートだ。
 乱暴なペナルティーは勿論ない、
 力任せの個人技でもない。
 試合運びのクオリティーが全員高いのだ。

 明治は早め早めの選手交代に出た。フィジカルも強い帝京に息切れは致命傷だ。

 しかし、
 帝京有利の展開は一向に変わらなかった。
 17分に再び本橋くんがトライ🔥
 これで12ー31  19点差 さらに、
 32分、帝京がPGを決めた段階で
 12ー34   22点差

3トライ3ゴールでも追いつけない点差になった。

 『まだまだ諦めてないぞ❗️』
 『意地を見せろ❗️』
 明治ファンの檄が飛んだ。
 リーグ戦ではなく一戦必勝のトーナメント、
 明治の反撃はここからだった。

 後半35分、主将木戸くんトライ🔥萩井くんのCGも決まった。
 19ー34 15点差 
 まだ2トライ2ゴールでも追いつけない。
 残り時間は、あと4分。

 この状況で、グラウンドに立つ彼らがどんな気持ちだったかは分からない。
 ただ、最後まで戦い抜くことで『明日』が見えることがある。観客は赤と紫紺の青年達に『未来』がある事を知っている。
 明治最後の攻撃が始まった。

43分、明治田島くんトライ🔥
万雷の拍手が湧いた。萩井くんのCGも成功🔥
26ー34  8点差

ホーンが鳴っていた

ノーサイド。

 26ー34 帝京大学の勝利🌟🌟
8点差、ではあるが、点差以上に帝京の強さが際立った。後半の修正力と試合運びを見れば彼らの圧勝といっていい。

 試合を終えた選手達は健闘を讃えあう。

試合中に負傷した明治13番秋濱くんが、片足を引き摺りながらグラウンドに入り、帝京の選手達と抱き合っていた。

観客は、両チームの選手達を温かい拍手で迎えていた。

 既に早稲田の選手達が練習を始めていた。
 その脇で、『木戸組』は、観客、スタッフ、そしてメインスタンド上層の仲間達に、深々と一礼した。

〜あとがき〜

 まずはお詫びです。この試合がNHK生放送だった関係からか、試合後プレーを確かめる動画がほとんどありませんでした。私の記述に誤記不十分な理解がある事をお許しください。

さて、この試合、
 帝京は強かった。全体を通せばその一言に尽きる試合でした。
 しかし前半の明治は美しかった。あらゆる局面でベストを尽くしていた、そう思います。
 学生の大多数が、卒業と同時にラグビーも卒業します。
 進路は違っても、この日の【全て】をこれからの人生に活かしてほしい。そう願わずにはいられません。
 帝京大学ラグビー部の皆様、決勝進出おめでとうございます。
 明治大学ラグビー部の皆様、本当にお疲れ様でした。
 
 なお、観戦記の副題、目次は、
 2024年度NHK上半期朝の連続テレビ小説『虎に翼』テーマソングの『さよーならまたいつか』をモチーフにしました。
 法曹界初の女性弁護士を生み出した明治大学、慣習偏見にとらわれない新たな力を、ラグビー部も創り上げていくことでしょう。
 そして来年、また聖地へ。
 奪還❗️への旅が、始まります。





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