静岡ブルーレヴズ観戦記☆最終節5/8vs東芝ブレイブルーパス東京〜REV UP for SHIZUOKA 〜
1.青い風と真紅のメロディーに乗って
【一🗻二🦅3倍長持ちScottie】
あの製紙業界大手企業は、なぜこのスベり気味なキャッチコピーを、新幹線から見える看板に選んだのだろうか😳😳
新幹線こだま号は、すでに新富士駅を通過していた。林立した煙突からは、この日も真っ白な煙が立ち上っている。
澄んだ青空の東京を出て一時間弱、なぜか小田原を出た頃から、空は分厚い雲に幾重にも覆われていた。
前回、桜とのコラボを堪能したあの霊峰も、あの雲の遥か彼方にあるようだ。
いや、やはり静岡は広いのだ。
下車した掛川駅ホームから見た空は、あの憂鬱な曇天が嘘のように晴れ渡っていた。
程なく東海道線浜松行きが入線した。相変わらずくたびれた車両が入ってきた事に変わりはない。
しかし、この電車に乗り飲んだ乗客は、明らかに『普通の客』ではない。なぜなら、
衣服、バッグ、あるいはキーホルダー、なにかしらが【青い】のだ😳😳
そして彼らはもれなく御厨駅で下車した。
私も後に続く。
ホームの階段を上がると、駅員さんが構内放送を繰り返していた。
『本日、ヤマハスタジアムに行かれる方に、、』
要するに、帰りの混雑に備えて今のうちにチャージしておけ、という事らしい😳😳
これは、、かなり入るんだな😳😳
駐車場チケットの売れ行きがやけに早い事には気づいていたが。
駅入り口で『サポーター』なる旅人を出迎える、あの『水色』チームのマスコット『ジュビロくん』と磐田市公式キャラ『しっぺい』のモニュメント前は、記念撮影スポットと化していた。
それにしても、
相変わらずこの街は、暑かろうが寒かろうが、強い風が絶え間なくピューピュー吹き抜けていく。
この日も、フラッグは終始裏返ったままだった。
『青い何か』を身につけた一群が、いつもの垂れ幕を目印にゾロゾロ歩いてはいるものの、街の不思議な静けさは変わらない。
ガチャン、ガチャン、ゴーッ、ゴーッ、、
何を作っているのか、かすかな、しかし絶え間ない機械音が聞こえてくる。『あの一群』以外人の気配はない。驚くほどの静かさに覆われたこの一帯、右を見ても左を見ても、そして目の前にも、巨大な真紅のロゴが、音叉を模した社章と共にこの街の有り様を示していた。
この奥の角を曲がると、いつもの照明灯が見えてきた。おや、その手前に長いハシゴが見えてきたぞ😳😳
ああ、乗り物フェアだ😃😃
近づくにつれ、子供らしいキャッキャッという歓声が聞こえてきた。いつの時代も、消防車🚒は子供達の憧れだ🌟🌟
その脇には大きな鯉のぼり🎏が飾られていた。
磐田の『青い風』をたらふく呑み込んだ鯉達は、意気揚々と初夏の青空を泳いでいた。
おもしろく ふくらむ風や 鯉のぼり (正岡子規)
2.プロなる者は
私は駐車場脇の裏口的入場門から中に入った。階段を降りる私の横を、かき氷やジュースを手にした子供達が、パパママの手を振り切って梯子車目指し走り出そうとしていた。
今日は賑やかな試合になりそうだ❗️❗️❗️
約1ヶ月ぶりの静岡遠征、『磐田の青い城』
ヤマハスタジアム
ゴールデンウィーク最終日とあってか、スタジアム前の『レヴニスタ広場』は大いに賑わっていた。
私は新幹線内でお昼も済ませてきた。まずはグッズ購入競争に勝ち抜かねばならない👊👊
しかし、すでにポロシャツは完売、最初の競争に敗れた事を知った😭😭何とかトートバッグとホームラストゲーム記念Tシャツを引っ掴んでレジに並んだ。今回はグッズの売れ行きもかなり早い😳😳
それにしても、もう開幕から4ヶ月、時の流れは、なんと早いことか❗️
2022年5月8日 ジャパンラグビー リーグワン 最終節 静岡ブルーレヴズvs東芝ブレイブルーパス東京
この日はリーグ戦最終日に当たっていた。
公式マスコットのレヴズは、いつにも増して張り切っている。
この日のヤマスタには、頼もしい応援団が駆けつけていたのだ。
磐田市公式マスコット『しっぺい』
浜松市マスコットキャラクター『出世大名家康くん』&『出世法師直虎ちゃん』
袋井市マスコットキャラクター『フッピー』
それにしても、歴史上の偉人を『そのまんま』キャラにした挙句、『うなぎのちょんまげ、ピアノの袴』とは、、浜松よ、やってしまったな😅😅
直虎ちゃんは 『浜松を女性子供にも住みやすい街にするために日々奮闘中』とのこと。詳細は浜松市公式HPをご参照ください🙇♀️
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kanko/intro/naotorachan/index.html
私には、この日やる事があった。
『あの人』はどこだろう❓
開幕前から好き放題書いてきたのだ、母校の先輩に今日こそご挨拶しなければ❗️
『あの人』はすぐに見つかった。
初夏の日差しが照りつける中、紺のスーツに身を包み、自ら激推しの『富士山ヘッド』を被っていた。ブルーレヴズファン=レヴニスタにもすっかりその存在は認知され、相次ぐ写真撮影のリクエストに応えていた。
私はタイミングを見計らって近づき、しどろもどろに己の身元を口にした😰
静岡ブルーレヴズ社長 山谷拓志さんは、私の観戦記、その他の記事にも目を通していらした事をこの時初めて知った😳😳
私は迷いながらも、観戦記に載せる写真を撮らせてほしい、と申し出た。
快諾してくださった山谷さん、その後の行動は、実に意外なものだった。
山谷さんはポーズをとりつつ
GO GO REVS❗️Go GO REVS❗️
とチームへのエールを繰り返し口にしたのだ😳😳。
当然のことだが、私は『写真』をお願いしたのであって、『動画』を撮ったのではない。そういえば、私の前に写真を撮った方にも、同様にこの言葉を口にしつつ写真に収まっていた😳
私は何かに気圧されるような思いの中、慌ただしくシャッターを切った。
今も、あの言葉を発した真意はわからない。ただ、
スポーツビジネス最前線で結果を出し続けた男に、『無意味な行動』などない、きっと。
GoーーーUnicorns❗️ Go ーーーUnicorns ❗️(慶應義塾高校・大学アメリカンフットボール部試合時のチアリーダー応援チャントより)
3.共に歩む、withコロナであろうとも
レヴニスタ広場では、早くも人垣ができていた。選手スタッフを乗せたバスが、予定より早め、13時少し前に到着していた。既に選手達の大漁旗が用意されていた。
拍手に包まれた花道を、選手スタッフ達が通り過ぎていく。
表情を変えず正面を見据える選手、にこやかに手を振る選手、イヤホンをつけ俯きながら歩く選手、、
勝負の土俵に上がる準備は人それぞれだ。
大久保直弥HC(=ナオさん)は、どこに視線を合わせるでもなく、スーッとレヴニスタの前を通り過ぎていった。拍手をしながら一瞬手を止め食い入るように見つめる人がいた。
『あの』大久保直弥、、
昔からのファンであればあるほど、『サントリーサンゴリアス主将、監督にしてW杯戦士ナオさん』はスペシャルな存在なのだ、おそらく🌟🌟
堀川隆延監督(=タッキー)は、レヴニスタの拍手に笑顔で応えていた。なにか話しかけられたようだ。
そのくつろいだ柔らかい表情は、このチームの選手とファン達が長年築いてきた『愛』の深さを教えていた。
* * *
広場の一角には、今回初めて特設ステージが設営されていた。早くも賑やかなトークショーが始まっていた。
ゲストは望月雄太さん。 同志社大学から東芝ブレイブルーパス一筋、引退後は採用担当としてチームを支えている。
W杯2019終了後、突如押し寄せたファンで混乱を極めた各クラブの練習場、
『東芝には望月くんがいるから』
その折り目正しく、かつ毅然としたファン対応を、ファンの方々が褒めていたのを思い出した。
望月さんとゴローさん、三角さんとの会話は軽妙に進んでいく。
早明戦の後、ゴローさんが夕飯に吉牛を食べたことが写真週刊誌に報じられた、とか、
レヴズ3番伊藤平一郎選手は、なぜか2番目に入場したがる、とか、
この日の試合展開には全く関係ない小ネタが次々と披露されていた😅
その後ステージでは、『母の日』にちなんで『選手からブルーカーネーションプレゼント企画』が行われた。ゴローさん曰く『応募者は2万人』😳いや、ゴローさん、さすがに盛りすぎだ😅
それにしても、、
やっと実現した選手スタッフとファンとの交流。
オンラインでは伝えきれない互いの思いが一つずつ繋がっていくような、何か温かいものが心にスッと沁みとおるような、そんな優しい時間がゆるやかに過ぎていく。
気がつくと、2時近くになっていた。
急がなければ❗️❗️
試合前練習はとっくに始まっているぞ😳😳😳
スタジアムを見上げると、一筋の飛行機雲が、空に緩やかな白い軌道を描いていた。
4.『悲劇』を繰り返すな❗️
レヴズは、今シーズンこれが最後の試合に決まっていた。それはすなわち
プレーオフにも、入れ替え戦にも進まない
ことを意味している。
ここまで4勝6敗+不戦敗4つ+不戦勝1つ
開幕から不戦敗が3つ続いた。
一週遅れの【ホーム開幕戦】は快勝❗️そして、
【2/5@駒沢の悲劇】は訪れた😭😭
東芝ブレイブルーパス東京のホーム試合、開始20分足らずでトライを量産された。惨敗だった😭😭
全てはここから始まったのだろうか。
『魔法使いサワッキーと対決@ヤマスタ』『ドキドキ薄氷の勝利@柏』『平和を祈る@えどりく』『D1残留決戦を制す@夢の島』
さらに、、
ワイルドナイツ相手に残り1分で逆転を許した『アイスタの激闘』
この試練を糧にブラックラムズを圧倒した『ヤマスタの凱歌』
トヨタに痛恨すぎる逆転負けを喫した『エコパの悪夢』
そして、迎えたこの日。
もう、健闘も惜敗も要らない❗️求めるものは勝利、それのみ❗️
選手達の目は真剣だ。
タッキーの表情も険しい。
いつも厳しい有賀剛アシスタントコーチ(=Goさん)だが、ふとカンタくんに笑いかける。
司令塔サム・グリーン選手、今日も攻守の要、頼みます❗️
そしてこの方、クワッガ・スミス選手。今日もジャッカルに、トライに期待、期待❗️
ラインアウト。大戸主将を中心に、スカイツリー級に高いブレイブルーパスtowerに対抗せよ❗️
Goさんは、頼もしい『厳しいGoさん』に戻っていた。
パワーも重量級のブレイブルーパス。スクラムを見つめるナオさんの目は厳しい。なんとしても組み勝たねば❗️
今回の相手 東芝ブレイブルーパス東京。
前節の『府中ダービー』、あの東京サンゴリアスをノートライに抑える大金星を挙げた🌟🌟🌟気がつけば『ベスト4最後の椅子』を手にしていた。
伝統のパワーに加えて、高さもスピードもレベルアップ。『強い東芝』が復活したのだ❗️
しかし👊👊
レヴズもまた、あの『悲劇』の日から大きく成長した🔥🔥その勇姿を、レヴニスタ達へ、全国のラグビーファンへ届けたい❗️
練習も終盤、今季共にレヴズを牽引した指導陣が選手達を見守る。
監督タッキー、HCナオさん、アシスタントコーチGoさん、
【レヴズ・トリデンテ2022】
このユニットで戦う試合は今季これがラスト。最後に笑いたい❗️
レヴズとその仲間たちも選手を応援する❗️
今季最後の試合前練習が終わった。
入場の準備が始まっていた。恒例の大漁旗が風に躍る。
明らかに観客の入りは多かった😳😳なぜかバックスタンド中央最前列ブロックだけがポッカリ空いていたが、バックも南スタンドも、私がいるメインもかなり埋まっている😳😳😳
ヤマスタ名物、バックスタンド座席で描いた『Jubilo』の文字。kickoffの時間が迫った今、ほとんど見えなくなっていた😳😳
今季最後の試合が始まろうとしている。
5.前半〜Rev UP❗️信ずるままに❗️
rev up=エンジンの出力、回転数を上げる、の意味
選手達が入場してきた。
『東芝ブレイブルーパス東京、選手の入場です❗️』
あれ⁉️相手チーム名は紹介する事にしたのか😳😳しかし、選手達は、、
『大漁旗の花道』の脇から走ってきた💦💦
どこまで『ホーム&アウェー』方式を徹底させるのか。各チームが開幕節から試行錯誤を繰り返してきた。
レヴズもまた手探りなのだ、おそらく。
華やかな音楽と共に、レヴズの選手達が入場してきた🌟🌟
ゴローさんの言う通り、伊藤選手は2番目だった😅
(3番が伊藤さん。前に大戸主将が走る)
花道を出た先には、いつものように『Water 』と書かれたビブスをつけたGoさんの姿があった。
未知のウイルスに翻弄され続けたリーグ初年度、プロラグビーチームとして奮闘を続けた選手達、泣いても笑っても、今季ラストゲーム。
グラウンドを縦横無尽に走り抜け❗️その心の信じるままに❗️
試合が始まった。
* * *
予想通り、ブレイブルーバスの高さとパワーがレヴズに襲いかかった。
人間というものは、大きいものに本能的脅威を感じるらしい。ブレイブルーパス、いや日本代表期待の星、ワーナー・ディアンズ選手がラインアウトで飛び上がる度に
『オーッ😳😳❗️』というため息にも似た歓声が上がった。舞浜の恐竜博でティラノサウルスを見上げた時こんな気持ちになった。
それでも、レヴズは粘り強く得点の機会を窺う。自陣深くに攻め込まれた大ピンチも凌ぐ。
そして、
右から左へ、ボールを受けたグリーン選手は、パスする、と見せかけ、ポン、と手で選手を押し退けながらスルスルッとディフェンス網をすり抜けた🔥🔥
サム・グリーン選手、技アリの先制トライ❗️❗️
奥村選手のCGも成功❗️❗️
もちろん、ブレイブルーパスも負けていない。すかさず反撃する。
いつの間にこのチームは、ガンガンにオフロードパスを決めてくるチームになったのだろう😳😳😳これはたしかに、サンゴリアスに勝ったのも納得だ😳😳😳
レヴズは、相変わらず相手の高さとパワーに苦しみながらも、要所要所でセットプレーに勝ち、さらなる攻撃にでる。
前半終了間際のことだった。
自陣深くに攻め込まれたものの、マイボールのラインアウト。ボール獲得に成功し前進を図るレヴズ。ここでサム・グリーン選手は狙い澄ましたように技アリのキック🔥🔥落下するボールを見事キャッチしたのはクワッガ・スミス選手🔥🔥そのまま独走🔥🔥🔥グラウンドのど真ん中を切り裂いていく🔥🔥🔥
クワッガ・スミス選手、独走のトライ❗️❗️
奥村選手のCGも成功❗️
しかしブレイブルーパスも更なる逆襲にでた。
両者一歩も譲らず、このまま前半が終了した。
ハーフタイムには、『子供達によるゴールキック大会』が行われた。ゴローさんのアドバイスの下、子供たちが次々と楕円球を蹴る。見事ポストを越えたお子さん達に大きな拍手が送られた。ゴローさんを囲んでの記念撮影も行われた。
『世界の五郎丸歩』と過ごした時間は、子供達の心に一生残る宝物になるはずだ🌟🌟
アスリートとは、エンターテイナーとは、人の心にまだ見ぬ夢と希望を届ける、いや、誰の心にもありながら、まだ眠りから覚めぬ夢と希望を目覚めさせてくれる、そんな存在なのだろうか。
6、後半〜REV UP❗️明日は近いのだから〜
前半を僅差のリードで折り返したレヴズ。
今度こそ、勝てるかも、、
レヴニスタの頭によぎる大きな期待。
ブレイブルーパスには、プレーオフが控えていた。準決勝で再び『府中ダービー』を戦うこのチームに選手の怪我は致命傷だ。東京サンゴリアスは控えに日本代表をズラリと並べる選手層を誇る。
やはり、Mr.スカイツリーたるディアンズ選手も交代していた。
しかし、後半早々一気呵成の攻撃にトライを奪われる🥲🥲
逆転を許したレヴズ、しかし、まずは敵のミスに乗じて点差を詰める。
そして、逆転の機会はやってきた。敵陣深く攻め入り、ラインアウトから獲得したボールは、左へ、左へ。
タヒトゥア選手に襲い掛かる屈強なブレイブルーパスの選手、
そのパワーを利用した、という訳ではないと思うが、タヒトゥア選手はガシリと掴まれた瞬間柔道のようにクルリと反転、そのままゴールラインに飛び込んだ🔥🔥
タヒトゥア選手、スキル&パワーを見せつけるトライ❗️❗️
そして、10分後、レヴズに再び得点のチャンス、この試合レヴズ最大の見せ場が訪れた。
攻め込むレヴズは、サム・グリーン選手からのパスを口火に前進、舟橋選手が一気に駆け上がる🔥🔥
そのボールを受けたのは、ヤッツさんから交代したSH田上さん🔥🔥バレエのグラン・ジュッデの如く海老反りとなりゴールラインにダイブ🔥🔥🔥
田上選手、点差を広げる値千金のトライ❗️❗️
ベンチから選手達が飛び出してきた❗️
田上さんに仲間が集まる。
残り10分余りで10点差。
ああ、微妙すぎる💦💦
なぜ、いつもこんな胃が痛い展開になるのか❗️いや、なぜ『10点』も差がついているのにこんなにも緊張してしまうのか、、、
ブレイブルーパスからすれば、プレーオフを前にしてこのまま終わるわけにはいかない。彼らには、『次なる戦い』というモチベーションがあった。これが、この試合結果を示す全てだったのかもしれない。
残り1分で3点差まで詰められた😨😨😨😨
既に残り時間はあと15秒を切っている。これからの1プレーさえ凌げば勝利を手にできる。
あと一つ❗️しかし、
レヴズはペナルティーを連発、自陣に釘付けとなった。クワッガ・スミス選手はこの攻防の最中、退場処分を受けた。
14人で守るゴールライン。これさえ凌げば、、
この結末を見るまでに、時間にして6分半、30フェイズを超える攻防になろうとは、、そして、
その結末は、選手スタッフ、そしてレヴニスタ達にとって、あまりに残酷だった。
ノーサイド。東芝ブレイブルーパスの勝利。
4点差という僅差の勝利により静岡ブルーレヴズは1ポイントを獲得。
静岡ブルーレヴズ
リーグワン最初のシーズンが終わった。
選手達の表情は一様に固かった。
バックスタンドへの挨拶を終えてメインに戻ってきた選手達。
田上選手は、1人グラウンドに膝をつき泣き崩れていた。
仲間が彼に寄り添い、やがて共に立ち上がった。
シーズン終了のご挨拶がその後始まった。
初めに大戸主将、次いでタッキーがマイクの前に立った。
『ここに心在らず』だろうか。
どこか呆然とした、それでもなんとか心の奥から言葉を振り絞る、そんなスピーチだった。
最後に社長がマイクの前に立った。そして言い切った。
『皆様に、お約束いたします』
社長が口にしたレヴニスタとの約束
来季あるいは数年内に日本で頂点に立つ事、そしてそれ以上の存在になる。
私達は彼らに拍手を送った。
ねぎらいを、期待を、激励を、そして感謝を込めて🌟🌟🌟
タッキーは選手達を一人一人に声をかけてその健闘をねぎらった。
やがて、選手スタッフ一同は、大きな輪を作り始めた。タッキーが目元を抑えていた。
それからしばらく、
タッキーのスピーチが続いた。
乾いた一本締めが、戦いを終えたグラウンドに響いた。輪が解けていく。
私は席を立った。
入場門には、いつものようにレヴズクルーの皆さんが、青い旗を掲げ花道を作り、観客のお見送りを始めていた。
私は裏口的入場門を出て階段を登った。既に鯉のぼりは片付けられ、駐車場はいつもの静かさを取り戻していた。
* * *
東海道線上り掛川行きの車窓から見えるのは、相変わらず長閑な風景だ。
初めて磐田を訪れた時は、乾いた水田の脇に蜜柑の木が鈴なりの実をつけ枝をしならせていた。
2度目に訪れた時は、水なき水田のあちこちに菜の花がブーケのように咲き風に揺れていた。
そして今眼の前には、青々とした早苗の列が沈みゆく太陽に背を伸ばし、そのまっすぐな影が満々と張られた水田の水面に映っていた。
(レヴズ公式Twitterより引用)
〜あとがき〜
ああ、またしても、終了間際の大逆転負け❗️
『ドーハの悲劇を連発』というありそうであまりない洗礼を受け、プロラグビーチーム『静岡ブルーレヴズ』のリーグワン最初のシーズンは終わりました。
昨年6月の新チーム発表から今日まで、コロナウイルスに翻弄され続けた苦しいシーズンでした。
4試合の不戦敗=マイナス20のハンデを背負いつつ8位でフィニッシュしたレヴズ。よくぞここまでチームを作り上げてきたと思います。
この未だかつてない困難の中、毎試合渾身のプレーを見せ、来シーズンに大きな期待を持たせる魅力的なチームを築き上げた、堀川隆延監督、大戸主将をはじめ選手スタッフの皆さま、
自前興行権、という未だかつてない重圧の中、ホスピタリティあふれる試合会場を毎回作り上げてくださった山谷拓志社長、五郎丸歩CROをはじめ事業部の皆さま、
本当にお疲れ様でした。
そして、
長引くコロナ禍で、干上がる心を抱えながら孤独な日々を生きてきた多くのラグビーファンに、『明日』という命の水を与えてくださった事に心から感謝いたします。
この素晴らしいプレーをまた見たい❗️
この魅力的な選手にまた会いたい❗️
この温かい会場の雰囲気をまた味わいたい❗️
こんなチームをずっと支えたい❗️
ここに共通するのは『私には明日がある』という事実、
明日がある、人はそう気がつけば
その心に夢や希望は自然と芽生えてくるのです、きっと。
♪夜が来れば 朝は近い 冬が来れば 春は近い 明日になれば 明日になれば 月は沈み 陽は昇る♪ (ミュージカル『風と共に去りぬ』主題歌『明日になれば』より抜粋)