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痛かったら右手を挙げてと言われましても。

虫歯治療は終わったものの、経過観察として未だ歯医者に定期的に通っている。
本日は、その通院日。
無事虫歯もなく、歯のお掃除をして貰って、また1ヶ月後。

にしても、歯のお掃除の時の音ってえぐくない?
掃除しているはずなのに、キュイーーーーーンッとか、ズギョギョギョギョギョとか、ドゴドゴドゴドゴとか、聞いていて恐ろしい。
毎度、歯を削られている時と同じくらい緊張してしまう。

「しみたり痛かったりしたら右手を挙げて下さいね」
と宣告された後、水を吹きかけたり、風を吹きかけたりもされるのだけれど、知覚過敏のせいか、一瞬「おや?」と思う瞬間がある。
「おや?、これはしみた?痛い?痛いの?右手を挙げるほど?え?どうなの私!?」
と、自問自答しているうちに、あれ、大丈夫かもしれないとなる。
もう、それの繰り返し。

あの「痛かったら右手を挙げて下さい」という自己申告制って、とても難しい。そりゃあ、痛みとかは本人しか分からないわけだから、自己申告制にせざるおえないのだけれど、なんというかあの台詞を言われた瞬間、自分との戦いが開幕する。

痛い、痛いがまだ頑張れる。
ひ弱だ、根性無しと思われたくない。
今、頑張らなければ、後々もっと痛くなるぞ、奮い立て自分。

と、治療台に寝そべりながら葛藤の嵐が半端ない。
お医者さん的には、そんな頑張らなくても・・・素直にいってくれて良いんですよ、って感じかもしれないけど、なんというかここはもう自分との戦いでしかない。しかも、なんかだんだん分からなくなってくるんだよね。
自分の感覚なはずなのに、なんか痛いのか、痛いと思い込んでるのか、嫌な感覚を痛いと勘違いしているのか、逃げたいのかもう脳内てんやわんや。

だってさ、もう究極のことを言ってしまえば、歯医者に到着した時点で痛いよ!
もう、あの虫歯の治療の記憶が蘇って、なんか痛い。
そうなると、歯医者に到着した時点で右手を挙げることになる。右手を挙げつつ、来院して、右手を挙げながら治療台に寝そべり、治療中もずっと挙手。
もう、わけがわからない。

だから、右手を挙げるのを極力我慢するわけだけど、そうなると今度は、右手を挙げるタイミングがわからなくなる。
う〜ん、難しい。
あれね、例えるなら美容院での「おかゆいところはございませんか?」と、同じくらいの難しさだ。

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