夏は短し、食せよ乙女。
毎日「暑い、暑い」と無意識にこの呟きを繰り返してはいるが、なんだかんだで夏は短い。気付けば1日の日の長さはピークを通り越し、これからは短くなっていくばかりだ。
なので、夏服を着る機会も限られている。
今年は、外出機会も少ないのでなおさら限られてしまう。
限られているのに、なかなかどうしてお気に入りの服には手が出ない。
「今日は、汗をかいてしまいそうだから」
「今日は、食事の時に服を汚してしまいそうだから」
「今日は、結構歩きそうだから」
お気に入りの服であればあるほど、クローゼットの奥へ。
汚したくない、痛めたくないと思えば思う程、着たくて買った服のはずなのに。
躊躇しているうちに夏が通り過ぎていく。
いつもなら、家にいても聞こえてくる祭り囃子が今年は聞こえてこない。
会社帰り駐輪場から自転車を取り出し、少し浮かれた中学生の集団がたむろしているのを横目に今日は地元の祭りだったかと、気づくこともない。
あの、少し遠くから聞こえてくる「オバQ音頭」が私は好きなのに。
今年は、夏らしいことをほとんどしていない。
あぁ、スイカは例年より食べている。
1/8カットのスイカを買っては、1日で食べている。
冷蔵庫に保管しておくのも場所をとるしな、と誰に言うわけでも無い言い訳を抜かしつつ。
あっ、今年初めてここ数年流行っている？話題になっている？少しお高めのかき氷を食べる機会があった。
正直、かき氷にそんな高いお金出して、あんな長蛇の列に並んで食べる必要ある？とか思っていた側の人間だったのですが、ごめんなさい。食べたら食べたで美味しかったです。ネットで予約できるので、炎天下の中長時間待つといった行為が無かったのも良かった。
高級なかき氷は、聞いていた通りあの冷たいものを食べた時特有のキーンな体験が起こらない。目頭と辺りを摘みながら、キタキタコレーと騒ぐこともなかった。
助かるけど物足りない。
私の記憶の中にある夏では無い。
やはり、腐っても庶民。
我が家にあった、『トムとジェリー』のジェリーのかき氷機はどこにいったのだろうか。氷をセットし頭のハンドルをクルクル回すと、ジェリーのパチクリお目目が右を向いたり左を向いたりしていて、可愛かった。
かき氷が出来上がる頃には、汗だくになるほどの労働力だった。
今週末は、天気が悪いらしい。
今週末を皮切りに、そこから少しこの猛暑は改善されるとニュースで言っていた。つまり、夏の終わりがもうそこまで来ている。
驚いたもののカレンダーを見ればもう8月も後半だ。別におかしなことでは無い。
今年買った夏服は、一度も袖を通さずに終わるのか・・・。
うーん、どうしたものか。とりあえずカルピス味のパピコもどきを食べるとしよう。せめて食だけは、夏を満喫してやろうと思うのだ。
▼今回かき氷をいただいた「川越 これがかき氷」
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