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そんな移り気な君が好き。

家のすぐ近くに幼稚園がある。
本当に近い、挨拶、会話、音楽ダダ漏れなほど近い。
私は別に子供嫌いではないので別段困ってもいないのだが、最近とある曲に洗脳されている。
その曲とは、

『エビカニクス』ケロポンズ

である。
最近と言ったが、正確に言うと毎年この時期になると洗脳される。
きっと、運動会の出し物の1つにでもなっているのだろう。

朝、9時を過ぎると軽快なリズムと共に、「エビ!」「カニ!」「エビカニエビカニイエーイ!!」といった掛け声という音の波の洗礼を受ける。
寝坊しないで済むのでよしとしよう。

あの曲、さすがお遊戯用に作られた曲というべきか、とても覚えやすい。
特に意識して聴いているわけでもないのに、いつの間にか歌えている自分がいる。このままいけば、いつの日か踊れる自分にも出会えるかもしれない。

頑張って教える先生と、大声を空に響かせる園児たち。
私の弟は保育士で、仲の良い友人に保母さんも多いので、先生たちの苦労も分かる。なんというか、パワーがいる仕事だと思う。あの気力と体力、尊敬する。

お昼時になると「おべんとう」の歌が聴こえてくる。
おべんとう、おべんとう、うれしいなぁ〜、という、あの聞き馴染んだ歌である。
私が園児の時代にも歌っていた歌が、今も歌われているのってなんか良い。
おべんとうの歌を歌い終わると、元気に挨拶をしてお昼の時間が始まる。

もうそんな時間か、と一種の時間の目安にしつつ、私のお昼はもう少し先と業務に戻る。すると、窓の外から聞こえて来る声が

「待ちなさーい、お席戻って、ご飯の時間だよー」
「嫌だー!!!お弁当嫌いー!!!」

園庭に飛び出ての追いかけっこが始まっている。

えー。さっきあんなに、おべんとう嬉しいなって歌っとりましたやんっ・・っと心の中でのツッコミ。先生にファイトとお疲れ様ですのガッツポーズ。

程なくして、「お弁当嫌いー!」の声が小さくなったので、きっと教室へ戻って行ったのだろう。
子供特有の秘技掌返し!

やられている方はたまったもんではないだろうけれど、私は好きよ。
自分の感情に真っ直ぐ素直に生きている君たちは素晴らしい。
大人になると、「嫌い」なものに素直に「嫌い」って言えなくなるから、園庭を駆け抜ける君は格好良かったよ。
いや、追いかける先生には申し訳ないのだけれどね。

今日は夜用事があって、noteを書けそうになかったので、いつもよりちょっと早い時間に執筆してみました。

▼いつの間にか歌えるようになってしまう不思議な曲

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