好きな人ともう一度眠るまでの日々の話
お布団には、夜の12時までに入るべし。
それが、この家でのルールだった。
「佳夜ちゃんは育ちざかりなんだから、これぐらい早く寝なくちゃ」
それが、家主である月子さんの口ぐせだった。でも私に言わせれば──同年代の、中学に入学しようかという少年少女なんて、もっと早くに眠っていると思うのだ。そのルールはむしろ、月子さん自身のためなのだろう。私がこの家に来るまでは、いつも夜の3時すぎに寝ていたらしいから。
ともあれ、私は今日も今日とて、月子さんと一緒に寝る準備をする。お