IT・AIを使った伝統の継承 ZEN
北鎌倉は、この狭いエリアに沢山の今と過去の繋がりが共存しています。
今日は、大本山円覚寺の夏期講座二日目。久しぶりに8時半から参加させて頂きました。
二年目に入っているコロナ禍の中、巷では利用が進んでいるライブ+オンライン配信で、開催されました。第85回(年1回)と言うから、85年の歴史でしょうか。
従来は無かったムービーカメラや動画用の照明設備が備わり、スタジオ顔負けの設備が整っていました。
横田南嶺老大師が軽やかでありながら、解りやすく華厳経のお話をされ、お話の後半には、江戸時代の僧「良寛」が、日常の中で庶民の間にも活きていた仏教として紹介されました。
北鎌倉に永くお住まいで、自身を五号庵良寛になぞって、二号庵と称した「故 小島寅男」先生のことを思い出しました。先生は、永年全国良寛会の会長を務められ、北鎌倉には縁の深い方でした。
そして東洋大学名誉教授 竹村牧男先生のお話が二時限として始まり、「鈴木大拙と華厳思想」と題して、どのようにして同氏が世界に禅を伝え、その本質にある華厳思想とは何なのかについて、我々にも解るように紐解いてくださいました。
今でも東慶寺の山中には、松ヶ岡文庫として、大拙に学び、研究する方々がおられ、今に活きる禅研究の伝承をされ続けているのです。
時に仏教哲学を理解しようと、入り口で砕けた人が、どれほどの数に及ぶのか解りませんが、1900年頃大拙が世界に向けて、そして今多くの人々が、鈴木大拙を手がかりに新たな秩序と平和を求めて科学し始めているように感じました。
三時限は、京都先端科学大学で教鞭を執る川上浩司先生。京都大学工学部の教授でありながら、人間的な創造性を大切にされ「不便益」という聞き慣れないワードで事象を細分化し科学する考えは、何でもオートメーション・AI化されていく今の世に、警笛を鳴らしヒューマンライフとも言える人間性の回復を試みる哲学者にも通じる何かを感じさせて頂きました。
我々が、常識と思い込んでいることに疑問を投げかけ、便利がもたらす短期的-益と、不便がもたらす中長期的な-益をフラットな目線で、時空を超えて見据えることの大切さを、実践してみたいと強く思いました。
経済最優先だった我々戦後世代が、SDGsという世界ムーブメントを地球規模で実践していけるか、スペイン風邪の時代を通り抜けた鈴木大拙であれば、今の世に何を語りかけるのか、尋ねて見たいところです。
北鎌倉に居ながらにして沢山の気付きを得、今日の講座を設けて頂いた円覚寺の僧侶の皆様と、先生方に感謝を込めて。
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