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REIWA詩人パーフェクトFile②遠藤ヒツジ

※「月刊 新次元」第32号(2020年1月)に掲載された記事の再掲です
再掲の際に一部を修正していることがあります
https://gshinjigen.exblog.jp/28824298/
http://geijutushinjigen.web.fc2.com/32watanabe.pdf

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詩の世界は他の界隈と比べると小さいものの、大小合わせてさまざまなイベントが現在でも開催されています。昨年の第5回でフィナーレとなった「ポエトリースラムジャパン」、1,800 回を超えてなおも続いている「詩人の聲」などなど……その一つとして挙げられるのが、毎月第一月曜日に渋谷RUBY ROOMにて行われている「SPIRIT」。というわけで、「カオティクル Converge!!貴音さん」氏に続く第2回はポエトリーリーディングイベント「SPIRIT」と、現代表の一人である遠藤ヒツジ氏を紹介しますよぉ。

「SPIRIT」は正式名称を「ポエトリーリーディングオープンマイクSPIRIT」と言い、2014年12月より開催されています。その回のゲストによるライブアクトと来場者のオープンマイクが行われ、現在では盛況すぎて時間が足りず、やむなく読めずに終わる人も出ているほどとのことです。元々は大島健夫氏とURAOCB氏が共同で主催を担っていましたが、5周年を機に卒業して後の人たちへ任せたいとのことで、昨年の暮れに遠藤ヒツジ氏と伊藤晋毅氏がその座を引き継ぎました。

遠藤ヒツジ氏は詩誌「白亜紀」の同人であったり日本詩人クラブの会員であったりと、”いわゆる現代詩”からも近しい場所にて活動しています。これは前代表の二人には無かったプラス点でしょう。私は現在ネットを主戦場としており、また去年 3 月に上京するまでは長らく福島県にて生活していました。そのような立場からポエトリーリーディングの世界を見て思うのは、活気はあるんすよ、とても。でも「東京のローカル文化」だなという思いが抜けなくて。その場に集える人、さらに言えばその場へ集った特定層だけの文化でして。元々小さい業界なのに、その中で紙媒体やネット、またはポエトリーリーディングとさらに分断を起こしているのが、現代詩のフィールドが抱える問題の一つです。その中において遠藤ヒツジ氏は界隈を越え、俯瞰して業界を見つつイベントを展開していける可能性を持っています。

「SPIRIT」のゲストライブでは詩人や朗読詩人、ラッパーやシンガーソングライターなどがこれまで招待されてきましたが、遠藤氏の手によってより幅広いところからゲストが呼ばれるようになることが多いに期待できます。もしそれが実現され、リーディング界隈に近しい人以外も集う場となったなら、「小さな声を聴き合い、響かせ合う場所としてのSPIRITを作っていきたい」という遠藤氏の目標が一歩実現へ近づくでしょう。

もし気になったのならぜひぜひ足を運んでみてくださいな。直近のイベントは2/3(月)開場19:30開演20:00、終了は22:50。途中入退場は可能ですが、前述の通り参加者が多く枠が埋まってしまいがちとのこと。私も2月のは予定空けて行こうと思っています。ちなみにゲストは昨年『女を聞け』を出版した宮尾節子氏です。
その次は 3/2 に予定しているとのことです。こちらはまだゲストが決まっていないとのことですが、きっと魅力的な方が呼ばれることでしょう。

遠藤氏からライブのサンプルとして前代表のリーディング2本を頂戴しています!

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