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【世界もココロもグラデーションでできている】50「書道のひみつ」㉕

こんにちは 八彩理絵子です。
前回「茶道」「華道」についてお話しをしてきましたが、今回は茶道・華道以外の日本文化である「○○道のひみつ」についてのお話です。

日本文化である「道」にはさまざまな種類があります。 まず、有名な「書道」「茶道」「華道」を三道と言います。
ということで、今回は「書道のひみつ」についてのお話です。

書道とは、「毛筆」と呼ばれる筆記用具と墨を用いて紙に文字を書き、その文字や書体などを通じて、自分の思いを伝える表現方法の1つです。 単に文字を書くだけでなく筆と紙を通して自己表現することを目的とする芸術です。書道で学ぶことは筆順や筆の持ち方といった基本的なことに加えて、自分の個性が出た作品を書くための技術を身に着けます。 まさに、書の道ともいえるべきものです。芸術やアートであるともいえます。

日本の伝統文化・芸術に触れながら書を書くことで、知性や感性が養われることはもちろん、姿勢や立ち振る舞いも美しくなるでしょう。

日本の書道の始まりには、中国から伝わった漢字文化がありました。初めに漢字が伝わったのは、弥生時代の頃だと言われていますが、飛鳥時代や奈良時代になり、仏教の伝来を通して日本でも書道が始まりました。

また、日本にが伝来したのは、大和時代の初期で、中国文化との交流によって輸入されていたといわれています。 その後嵯峨天皇の時代(八百十二年頃)に、僧空海(弘法大師)が唐に渡り筆の製法を習得され帰国し、これを民間に伝承したのが、我が国での筆造りの始まりと伝えられているそうです。

ふで

712年(奈良時代)になると、日本でもっとも古い歴史書である『日本書紀』が編纂されました。

この歴史書は、漢字を音によって表すという日本独自の表記が用いられています。この独特の表記は「万葉仮名」と呼ばれ、やがてはかな文字の誕生へとつながっていきます。万葉仮名のほかにも、漢文を読み下し文にするために、万葉仮名がさらに簡略化された「片仮名」が誕生しました。平安時代の初めには、美しい文字を書く能筆家として、嵯峨天皇・空海・橘逸勢の3人の名が残されており、この3名は、後世で「三筆(さんぴつ)」と呼ばれるようになりました。

書体について見てみましょう

篆書(てんしょ)~皇帝の文字~                        漢字のもっとも古い書体です。                          篆書の構造の特色は、横画は水平に縦画は垂直に、筆意をあらわにせずに静かに書き、「皇」「天」などの文字は完全に左右相称で、正面を向いた形になるということです。また「分間布白(ぶんかんふはく)」といって、筆画と空間の配布をくふうして、どこにも狭苦しいところや広すぎるところがないよう(原則として等間隔に線を引くこと)に配慮しています。

張祖翼(1849-1917) 篆書--中国书画-四季拍卖会(二)-收藏网


隷書(れいしょ)~役人の文字~                   装飾的で複雑な篆書は、文書の作成に不便でしたので、簡素化された字が下級官吏の間で発明されました。これを隷書(れいしょ)といいます。(賤しい者が使う文字という意味)、やがて一般にもこれを使うようになり、正式書体として用いられました。
篆書が縦長で、正面を向き、静かに無表情なのに対し、その篆書から生まれた隷書は、偏平な台形を右下に引っ張ったような形をとり、また筆画は「波勢」といううねりを帯びています。波勢はことに横画に顕著に働き、一字のうちのもっとも重要な一横画は大きくうねって右にはね出します。これを「波発」といいいます。
今日でも、新聞の題字や看板などにしばしば用いられています。

《和佛印禪師詩》 宋·蘇軾 飲酒不醉是英豪, 戀色不迷最為高; 不義之財不可取, 有氣不生氣自消。

草書と行書(そうしょとぎょうしょ)~人々の文字~          隷書と行書・草書そして楷書は、変化が一方通行だったわけではなく、相互作用で、お互いの書体を、より書きやすく、造形的に美しい方向へ変化させていったようです。
草書と行書は普段書きの字です。ですから、早く書くための工夫がされています。隷書の横画が真横だったのに対して、5度くらい右上がりになり、一画一画が丸みを帯びてきます。草書と行書の違いは、字の省略の度合いと書く速さの違いです。歩くくらいの速さが行書、走るような速さが草書というふうに例えられます。速く書くために楷書とは筆順の違う字があるので注意が必要です。

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苏適行書 唐代王昌齡詩《芙蓉樓送辛漸》 寒雨連江夜入吳 平明送客楚山孤 洛陽親友如相問…


楷書(かいしょ)~印刷の文字~                   晋に続く南北朝(420~534)には仏教の影響で写経が盛んになり、楷書で美しく書かれた写経体が生まれました。
楷書は今まで一番見慣れた書体だと思います。隷書との大きな違いは、運筆が、必ず三過折(一、二、三のリズム)だということです。そして、横画は右上がりになります。

田英章《欧体楷书作品100幅》,太漂亮了!


日本の書体として かな~女性の文字~                    中国から渡来した漢字は書写や記録に便利でしたが、日本語で情感や思想を表現するには、無理がありました。そこで、漢字の音(おん)だけを借用して一字一音式に国語を書き出すくふうがなされ、『万葉集』のような和歌を詠む場合に使いました。漢字の知識に乏しい女性専用文字という意味でしたが、実際には男性も使い、のちに平(ひら)仮名とよばれるようになりました。貴族社会の日常教養に不可欠のものとなり、書道にも革命をもたらしました。

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書道は、書く人の精神や心理状態、人間性を映し出す画であり、歩む道を極める努力と姿勢そのものが人を育て、豊かな人間性を向上させます。それは表現する喜びや理解を通して、観察力が養われ芸術学習のきっかけを作ります。墨を含ませた筆を和紙の上に走らせると、毛の柔軟性や和紙の独特な感触に癒しを覚えます。自分で生み出す筆線と変化のある動きに集中してくると、日頃抱えている不安や悩み、ストレスを忘れさせてくれます。

※「習字」は、文字通りに字を習うことを指し、字の正しい書き順や美しい字の書き方を習うということです。


「書道パフォーマンス甲子園」が熱い!!!                この記事を書いているときにTVで「全国高校書道パフォーマンス選手権大会」の様子が放送されていました(11/9放送🔍)3連覇のプレッシャーと闘いながらも、自分たちの最高のパフォーマンスを追求しようとする姿に感動して泣けました。「青春ていいなぁ♡」

今日はここまでになります。                           次回も「○○道」についてお話ししたいと思います。

ここまで読んでいただき                        ありがとうございました。


ゆる~い話

私には「SOS」を出すといつも助けてくれるドラえもんのような、なんでもできちゃうお助けマンの大切なお友達がいます。その方のおかげでこうしてnote にも投稿できています。その方を今日は紹介させてください。    どらちゃん(木原啓子さん)です。経験豊富で、とっても頼りになる方なんです。だからつい頼ってしまうんです。そんなどらちゃんの【Story of Lif】ハマります(笑)ぜひ覗いてみてください。https://note.com/keikokihara





今日の伝統色はこれでしょう「墨」(すみ)              

墨
墨(すみ)

墨の歴史は古く、最も古い色材といわれています。原始的な生活の中で火を使い、天井などにたまった煤をかき集めて色材としたことが始まりです。墨は書や絵画の書写材料として用いられます。「墨に五彩あり」といわれ、濃い順に「濃、焦、重、淡、清」の五段階の表し方があり、紙の上に濃淡をつけたり、ぼかしたりして表現します。       
墨の色は、心を落ち着かせる静寂と、激しくのたうつような躍動感をあわせ持っていることが魅力で、温かさも感じさせます。

最後まで読んでくださり                       ありがとうございます。

大切なお時間をありがとうございました。

※おまけ  今日11月11日は 「もやしの日」

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