<おでかけクリエイティブナイト> 第8回「食とDtoC」
第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。
DtoCで食のイノベーションを
西澤:今日は「食とDtoC」という大きなテーマを頭に入れてご参加いただきたいと思います。食の分野では、今までは対面での販売がメインでしたが、インターネットやIT技術の発展で、新しいビジネスの展開が盛んになっています。なかでも注目を集めているのが「DtoC」というキーワード。その先駆者とも言える橋本さんに、すべてのノウハウを教えていただきましょう。
橋本:ベースフードの橋本です。私は32歳で……。
西澤:若い!
橋本:しかし、起業家の中では「若くて応援してあげたい」と思われる年齢ではなくなってもきています(笑)。横浜ベイスターズが親会社のDeNAに新卒で入社して、ゲーム関連や新規事業担当の部署に所属していました。そのあと独立して、ベースフードを創業しました。ミッションは「主食をイノベーションして健康を当たり前にする」。商品は「BASE BREAD」と「BASE PASTA」の大きく2つです。
西澤:パンと麺。シンプルですね。
橋本:ただのパンと麺ではなくて「完全栄養の」パンと麺。もう少し柔らかい言葉を使うと「栄養バランスのいい」パンと麺です。一般的な商品は炭水化物と糖質がほとんどですが、私たちの商品では炭水化物は抑えつつ、ビタミンやミネラル、タンパク質など1日に必要な栄養素を担保しています。具体的に言うと、雑穀や海藻などを10種類以上混ぜ込むことで、約30種類の栄養素が、1日に必要とされる量の約3分の1含まれています。そんな食べるだけで理想的な栄養バランスが取れる商品を、世界で初めて開発しました。
西澤:極端に言えば、これを食べるだけでも暮らしていけるのでしょうか。
橋本:そうですね。パンと麺を食べるだけで健康になれるなら、健康が当たり前になる。ファストフードに行く人やインスタントフードを食べる人でも健康になれるのであれば、反対に健康になれないほうが難しい。そんなコンセプトです。当然、「おいしく人間的である」ことは重視しています。たとえば、チョコパンやフェットチーネ、中華麺タイプなど、それぞれの食材でバリエーションを出しています。
勝てるビジネスモデル「DtoC×サブスクリプション」
橋本:私たちの売り上げの9割以上が、「DtoC」とサブスクリプションを掛け合わせたモデルです。分かりやすく言うと、「DtoC」は直販、「サブスクリプション」は定期購買ですね。ウェブサイトを通して定期購買で商品を買う人が、売り上げの9割以上というビジネスです。ビジネス的なメリットもありますが、そもそものコンセプトが「健康を当たり前に」です。健康で一番難しいのは「続けること」ですが、定期購買だと自動的に継続することができます。たとえば、月に20食「BASE BERAD」や「BASE PASTA」を食事に取り入れてもらえれば、学校給食と同じ頻度になります。それで僕らは「大人の給食」とも呼んでいます(笑)。
西澤:どのタイミングで「DtoC」のモデルを実践しようと思ったのでしょうか。
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