見知らぬ町の
見知らぬ町の佇んでいるひそやかさ知らぬ顔してそれが優しい
暮れなずむ町の静けさおぼろ月語りあいては影揺れていく
父の日の晩餐共にしませんか?肩並べ行く足元ほのか
ほろ酔いの夜の町なか鎮まりて線路沿いの花も眠りぬ
街灯の柔らかきかな影灯し息子夫婦の談笑温き
ひとけなきホームに吹きて行く風や愛しさ運びどこにいくの?
上の息子たちはDINKs夫婦である。時々共に食事をしたり遠出に付き合ってくれる。 いつのまにか、父の日は彼が私たちと彼のお嫁さんを招待してくれる日になっていた。
今回は、当地の南の旧い町の、県内では その分野で一番評判がよいと言われる店を選んで連れて行ってくれた。朝から、長谷寺の紫陽花を愛でて 今井町に立ち寄ったとか。
私たちも この地は、何年振りかだ。
暮れ往く町は、静寂につつまれていた。
昼間とは違う涼しい風が吹いて、いい夜だった。
そして
いつものこと、我が家の50m手前で空を見る。
ああ
おぼろ月がみえたり隠れたり。我が家に帰った安堵感が広がる時だ。
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