
Photo by
himukai_books
詩をひとつ
だれかの声がした
「ねえ こもってないで外に出てごらん
外にはね ひとが必ずいるから」
重い扉を開けて 外に出た
ひさしの上から光が降ってきた
やあって
道に出ると 広い青空が広がっていた
白い雲が おすって
見知らぬひとが歩いてる
ただ すれ違って
行き交うだけ
外に出ると ひとがいる
なんかさ
なんでもないけど 少し ほっとした
なんでもないけど なんか 生きてるって
思えたんだ
今日 友人に会った。ある会でのこと。
大きな病を得ておうちに引きこもっていた彼女が、その時、
お医者様から言われたことばを教えてくれた。
そう そこに 必ず ひとがいるから。
触れ合わなくていい。
そこに ひとがいること。
生きているということ。
それだけでよかった。