エッセンシャル思考④
グレッグ・マキューン(2014) 『エッセンシャル思考 / 最少の時間で成果を出す』についてこれまでいくつか投稿してきました!死ぬ前に後悔しないためには「自分で選択すること」、そして「その選択に誇りを持つこと」が大切であると前回の投稿では実話と共に紹介しました。
これは今回のテーマを考える上でとても重要な要素となっているため、もしまだ見ていない方がいましたらぜひとも一つ前の投稿を見てもらえればと思います。
「自分の選択に誇りを持つこと」
これができないと後悔した人生を送ってしまうことになるというのは一体なぜなのか。今回は世界的に有名な大企業「Apple」の創業者スティーブン・ジョブズのエピソードを見ながら考えてみましょう!
(Apple社) スティーブン・ジョブズの依頼を断った男
ある新事業(NeXT社)立ち上げに向け、会社のロゴマークをどういったデザインにするか悩んでいたスティーブン・ジョブズでしたが、そこで有名なグラフィックデザイナーであるポール・ランドに連絡を取り、
「いくつか候補を出してほしい。」
と仕事の依頼をします。しかしポール・ランドの答えはまさかの「ノー」で、
「いくつか候補は出さない。」
とジョブズに返します。
私はこれを読んだ時衝撃でした。皆さんがとある会社の社長だとして、あの有名な大企業からの依頼に対してここまできっぱり「ノー」を言うことができますか? この仕事が成功したら今後自社にとって長期的な利益となるかもしれない。自分が売ったデザインが世界中に認められる絶好の機会かもしれない。それくらい影響力があると言っても過言でない人を相手になぜポール・ランドは「ノー」を選択したのでしょうか。
さらに驚くことに、後にスティーブン・ジョブズはこの彼の選択を「極めてプロフェッショナルだ」と称賛しているのです。
「もちろん仕事は受け入れます。気に入らなければ使わなくて構わない。候補がいくつも欲しいのであれば他の企業を当たればいい。私は最高の候補を一つ出しますが、使うか使わないかの判断はそちらでしてください。」
これはポール・ランドが追記した内容です。「候補をいくつか出してほしい」というスティーブン・ジョブズからの依頼は断り、「一つとっておきのデザイン」しか出さないという答えを返したのです。これは言い換えれば、自分のブランドや価値を保つためにジョブズの期待に「全ては」応えないという選択をし、これこそが「プロフェッショナル」と称賛された理由だったのです。
普通の会社や企業がスティーブン・ジョブズから同じような依頼を受けた時どうするでしょうか。おそらく頭を下げ、「喜んで」とスティーブン・ジョブズからの依頼に100%応えることでしょう。それはそうです。自分の会社があのスティーブン・ジョブズとプロジェクトを行うというのは立派なプロモーションとなり、知名度もあがり、利益も増大するでしょう。その選択を取ることは普通のことです。
しかしポール・ランドは違いました。「候補を数多く出せ」という依頼を受けるということは「ポール・ランド」というデザイナーとしての価値に合っていないと判断したのです。
「自分の選択を心から誇りに思う」
「いくつものデザインを作って提出する」か、
「自分の中で最高の作品を一つ提出する」か。
1つのデザインを完成させるには当然多くの時間とエネルギーを使います。
この二択でポール・ランドは後者を取ったのです。多くの企業はこの依頼に対して懸命に取り組みいくつも候補を提示するでしょう。それもそのはず今後も依頼されたいと心から思うでしょう。しかし彼はそうしなかった。もしかしたらこれを機に嫌われてしまうかもしれないのにもかかわらず。
読んでいただいてるみなさんにとって、「大企業」や「社長」という言葉によって一見関係無さそうに感じているかもしれませんが、規模が違うだけでこういった「選択」は皆さんの周りで常日頃身近に起こっていることです。自分という価値、つまり自分にとって大切なものを守るために断るという選択を取るとはどういうことなのでしょうか。
あなたが上司から仕事を頼まれたものの、これを引き受けることで残業が確定するという場面はよくあると思います。周りの雰囲気や上司からのプレッシャー…。結局断れず残業してしまう方々が多いと思いますが、この「選択」は自分にとって誇れるものなのでしょうか。それによって大切な家族との時間が削られるとしたら、死ぬ直前自分の人生を振り返った時後悔しないでしょうか?仕事に限った話ではありません。私達の周りにある様々な場面で
「他人からの好意や信頼を得るため・期待に応えるため」に行動しているということに気付くかもしれません。
他人からの依頼を断るとその時少し気まずい空間が生まれるでしょう。しかしそれはその時だけで終わるケースも多く、「この人はきちんと判断できる人だ」と最終的に評価され信頼されるというポジティブな面もあるということです。
短期的な気まずさと引き換えに、相手からの敬意を手に入れられる。
本書でもこう表現されています。
これと全く同じで、ポール・ランドはスティーブン・ジョブズからの「目先の好意」よりも「長期的な信頼」「自分のブランド」を獲得したということです。先ほど紹介したように、最終的にポール・スミスは「極めてプロフェッショナルだ」とスティーブン・ジョブズから賞賛されます。ポール・スミスのこの選択は「エッセンシャル思考」において非常に模範的な行動であると本書でも紹介されているのです。
「後悔無く生きるためにはどうすれば良いのか。」
最初のテーマに戻ると、今回取り上げたポール・ランドとスティーブン・ジョブズのエピソードは私達の人生においても重要な考え方であることが分かってきます。本書では、
本当に大切なことを見極めそこにエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地は無くなる。
このように書かれています。自分にとって大切なものは何なのか。上司や周りからのプレッシャーに負け仕事を断れず残業し、家族との時間を削ることが自分にとって誇るべき選択なのだろうか。何にも臆さず「帰ります」と言って家族との時間を大切にする人の選択こそ誇れるものなのではないのか。
何十年後、自分の人生を振り返った時後悔するのはどちらの選択をした時か。とても考えさせられる内容でした。
追記))
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この記事では 「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」を参考に書かせて頂いています。本の内容を通して一緒に考える時間を過ごしましょう。
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