「CX(顧客体験)とEX(従業員体験)をぐるぐる回す」実践について~5つの社内事例を添えて~
こんにちは、あらゆる組織とひとを融け合わせたい、コミューン株式会社共同創業者 / 取締役の橋本です。
本記事は、コミューン社員で紡いでいる "コミューン Advent Calender 2024" の記念すべき25日目のコンテンツです!
弊社が取り組んでいる「CX(顧客体験)とEX(従業員体験)をぐるぐる回す」実践について、具体的にお話ししたいと思います🌀
そもそもCXとEXとは?
詳細な内容はこちらの記事をご参照ください。
かいつまむと以下の内容になります。
CX:「Customer Experience:顧客体験」
お客様が企業との接点全般を通じて感じる様々な価値(満足感や印象など)
製品やサービスの品質は言わずもがな、周辺で「感じる」こと全て
EX:「Employee Experience:従業員体験」
従業員が組織で働く中で感じる様々な価値(やりがいや貢献感など)
業務内容はもちろん、仕事をする上で「感じる」こと全て
CXとEXがぐるぐる回るとは?
CXとEXは相互的に影響し合っており、ぐるぐるぐるぐる循環する
従業員の誇りや情熱、モチベーション高く能力を最大限発揮できる環境、現場の声が顧客体験改善に反映される仕組みがあることで、
「質の高い製品やサービス」が提供されます顧客が抱く信頼や愛着、共感、感謝といった感情が見える、感じられることで、「従業員にとってのやりがいやモチベーション」になります
究極的には、従業員が誇りと情熱を持って顧客と向き合えば、顧客満足度や収益性が高まり、結果、従業員の働きがいやキャリアの選択肢や報酬として返ってきます。ぐるぐる回るのです。
両者を別で考えるのではなく、一体として、融合して考えることが大事です
顧客には、本音を共有するという体験をつくること。本音を企業に伝えたら受け止められ、意見が反映されうること
従業員は、顧客のためを思って業務に従事できること。自分の仕事の成果が顧客の喜びとなって返ってくること
ぐるぐるの循環は、ポジティブ側だけでなくネガティブ側でも成り立ちます
顧客が「不満に思う」「不信感を抱く」などのネガティブな感情をもつ→ 従業員の効力感やモチベーションが低下する→サービスの品質や体験価値が落ち、さらに満足度が下がる、収益性が落ちる→従業員の報酬やキャリア機会も落ち込む→……。
ただ、上記は「不満」という顧客の声を聞けているだけ、好転していける可能性があります(それらを受け止めて、改善や対応をしていくことが大事)
よりネガティブなのは、「不満」が発生しているが、その声を聞く、受け止めることがなく、静かに顧客が離れていく…ということであります
自社でCXとEXを融け合わせるためにやっていること
さて、ここからコミューン社でCXとEXを融け合わせるためにやっている事例をご説明します。
CX:顧客体験と、EX:従業員体験を高めることは、「銀の弾丸」により一朝一夕でまとめて達成できるものではなく、様々な日々のオペレーション改善の積み重ねの末になされるものです
また、55段階式のように「宿題」を一つずつこなしていけば自ずと良くなる、という舗装された一本道がある類のものではなく、トライ&エラーを繰り返しながら蛇行しながら進むものです
その前提で、自社のCXとEXが融け合い、ぐるぐるとまわるのに1役買っているわかりやすい施策を5つご紹介していきます!
1. お客様とのコミュニティ🤝
弊社のサービスをご利用のお客様との(あるいはお客様同士の)コミュニケーションの場をオンラインとオフラインで作っています
オンライン:自分たち自身が自社製品を使って構築しています
オフライン:数百人規模のイベントを数回、数人~数十人の分科会や勉強会など
お困りごとの相談や、事例・知見の共有、改善要望/質問、製品のアップデート情報など、製品の情報に限定せず、「コミュニティ運営」に関わる様々なコミュニケーションが、業種や役割、地域を超えて行われる場所です
オフラインは社員全員というわけにもなかなかいきませんが、オンラインは基本的に社員全員が参加しています
ゆえに、役割や部門に関わらず、「お客様がどんな方なのか」「どのような改善の声を上げていただいているのか」「何に喜びを示していただているのか」を直に感じることができます
時には、プロダクトマネージャーやデザイナー、エンジニアから直接お客様に質問や感想をお伺いする、という直接的なコミュニケーションもあります
まだまだ発展途上ではありますが、「お客様と顔の見える関係を築き」、「直接、生の声をあびる、見る」という土台を整えています
一方で、弊社側からも、いただいたご意見を踏まえた改善の実施とご報告をベースとしつつ、時には「コミューン開発機能ユーザー投票フェス」として、コミュニティで投票を募り、実際にその内容を反映していくお祭りを実施したり、コミューン社自体を知っていただく(弊社の顔も見える関係を築く)ということで、社内の取り組みを共有したりもしています!
2. 社内コミュニティ🏢
こちらも自社製品を使って、社員同士でのコミュニケーションの場を作っています
趣味や社内のクラブ活動(子育てやフットサル、お笑いまで様々)や自己紹介、弊社のバリュー体現者を称賛する「Value Heroes」など社員同士のゆるやかな繋がりをつくる場所です
その中でも、今回の文脈にも重なるのは「お客さまとの融け合い」という投稿カテゴリです(注:弊社のビジョンが「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」のため、「融け合う」が様々な施策や企画のキーワードになっています🙌)
「お客様の会社訪問してきました!」であったり、「お客様のイベントに参加してきた!」、「こんなお褒めの言葉を(こっそり)いただいた!」、はたまた「街でこのお客様の商品を見つけた!」「このお客様の商品のここがすごい!」まで、
ライトに(時に熱く)「お客様」にまつわるお話があがる場所になっています
今回のアドベントカレンダーでも、企業や自治体のお客様をいくつかご紹介するnoteがございますのでぜひご覧ください!
3. Weekly All Hands (週次の全社オンラインミーティング)🖥️
週1で全社員がオンラインで集まる場を設計しています。Zoomで盛り上がっています
新入社員のご紹介や、経営からの事業数字の報告や、全社に関わる共有事項というアジェンダに加えて、「お客様のサクセスストーリー」や「お客様がなぜコミューンを導入したのかのストーリー」をカスタマーサクセスチームや営業チームから全社に共有する時間を設けています
知見や事例の共有もそうですが(それはそれで大事)、より全社としては「お客様の意思決定の背景や、お客様の事業や組織へのインパクト」という「どんな価値を私たちはお客様にご提供できているのか」というコトの部分と、「社内的にはどういった社員たちが組織を越えて協力、サポート、推進したのか」というヒトの部分の両方に焦点を当てることを意識しています
もちろん、定常的に「こんなお客様とご一緒できるようになった(成約報告)」や、「お客様でこんな事業成果がでている(成果報告)」、「このお客様が継続/より広く活用いただけるようになった(継続報告)」という共有はSlack上でバンバン行われているものの、敢えて同期的に、深く事例を掘り下げ、尽力した人にもフォーカスをしてストーリーを連携することで、「お客様のことを想う」→「より良い価値を届けるにはどうするかを考える」→「その過程やチャレンジに挑む社員を全社としてrecognizeする機会を設ける」→という流れを作っています
4. Monthly Commune Fest. (月次の全社オフライン出社日)🎡
弊社は部署や役割によってオフィスへの出社要請頻度が異なりますが(週0日~週2日)、1ヶ月に1度は、オフラインで全員がオフィスで集う機会を設けています。
その月次全社出社日は、Monthly Commune Fest(マンスリー コミューン フェス)と題して、1日を通じて、仲間を知り、会社を知り、お客様を知る、月に1度の全社交流機会と定義しています。朝イチはチーム内のコミュニケーションが始まり、午後に向かってだんだんと部門を越えて、最後は会社全体のコミュニケーション広がっていく設計をしています。
月ごとに実施内容は変化するものの、下記の内容をトライ&エラーしています
1. お客様の商品やサービスを体感する機会を設ける(ただ皆で楽しむだけでなく、感想や発見、日々の利用時のインサイトを社員にボードに書いてもらい、お客様に送りつける。笑)
2. お客様と話す機会を設ける(実際にオフィスにお招きをして、私たちの製品の活用の実態やフィードバック、叱咤激励をいただく)
社員の「お客様を理解する」という自助努力だけに頼るのではなく、お客様の商品やサービス、実際の声に触れる機会を自然な導線に設けることで、画面や数字、データの奥にある"生の体験"をできるだけ設けられるようにしています。
以下は、お客様である森永乳業様の「マウントレーニア」を題材にした際の光景です。
5. 社外向けイベントでの"社員向け"アンケート展開📝
イベント時のアンケートで得られる、対外を意識した環境だからこそうまれる「会社あるいは他社員への称賛や誇りに思う声」を再度社内に還元する試みもうまれています。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。まさに循環です!
おわりに
いかがだったでしょうか。半ばで記載したように、CX:顧客体験と、EX:従業員体験を高めることは、決して何かの施策単発で「完了」するものではなく、本質は様々な日々のオペレーション改善の積み重ねの末になされるものです
しかし同時に、「CXとEXはぐるぐる回るものだ」という理解のもとで、眼の前の企画やイベント、オペレーションに対して「CXとEXをぐるぐる回し、循環させるための何か工夫を一つ足せないか?」という思考は有用だと思います。
顧客には、本音を共有するという体験をつくること。本音を企業に伝えたら受け止められ、意見が反映されうること
従業員は、顧客のためを思って業務に従事できること。自分の仕事の成果が顧客の喜びとなって返ってくること
一見当たり前のことではありますが、実践する仕組みを試行錯誤し続けることで、初めて全社単位で強い強度で実行できることでもあると思います
CXとEXを別々のものと見るのではなく、一体化してぐるぐる回すことで生まれる好循環―私たちはこの流れを大切にしながら、お客様にはよりよい体験を、自分たちには自身を誇れる状態を、つくり続けていきたいと思っています。
みなさんの組織でも、CXとEXを融合させるための工夫や文化づくりをぜひ試してみてください。ぜひ教えてください!
引き続きコミューンの取り組みも温かく見守っていただけると幸いです🤗
もし、より詳細にコミューンの取り組みや目指す世界観にご興味があれば、ぜひお気軽にお声がけください!