今後の都道府県の方向性(VOL.2)
2基本認識
まずは、今後の都道府県の方向性を考える上で、共有しておきたい「基本認識」について、整理したいと思います。
(1) 基礎自治体優先の方針と地方一枚岩の重要性
地方自治法上、都道府県は、①広域事務、②連絡調整事務、③補完事務(専門性、モデル性など)を処理する。一方で、市町村は、この三つの事務を除く事務を処理するとあります。
平成11年7月、地方分権一括法の成立により、国は、基礎自治体優先の方針(都道府県から市町村への権限委譲)のもと、市町村合併を強力に推進してきました。背後には、スケールメリットにより市町が力をつけることによりる様々な効果、その一つには、府県廃止の道州制が見え隠れしていました。
こうした中、平成23年以来、「関西広域連合」は、関西から地方分権を先導すべく、国、広域自治体(広域連合や道州など都道府県を跨ぐ自治体及び都道府県)、基礎自治体のあり方を検討してきました(※)
当時の検討について、その集大成の一つ「関西圏域の展望研究」を担当した立場から、少しばかり強引に結論づけると、以下のとおりです。
道州と広域連合、府県と政令市という対立議論はさておき、国から独立し、府県を跨ぐ広域事務を担う主体は必要。
その組織と都道府県、市町村が一枚岩(←ココ大事)となって実績を重ね、権限、財源、責任をセットに地方分権を実現することが重要。