見出し画像

模写す

我が家では、お菓子を食べる順番に、優先順位がある。

まずは息子、次いで家内、最後にわたしだ。

例外として、家内専用のお菓子などもある。扉ならぬ、袋に収納されている。

我が家では、お菓子にも氣を配り、選び抜いたものを買っている。

それ故に高く、すぐに手に入るものでもない。

遠くまで買いに行くか、宅配のカタログに載るのを待つのみだ。

勿論息子のために買うのだが、家内もわたしも、なんだかんだでお菓子が好きだ。

みなで手当たり次第に食べていては仕方がないので、順番がある。

まずは息子が封を開け、食べ始める。

学校から帰ってきて、まだわたしが帰宅していない時だ。家内も、その時に食べている。

そして、わたしの分が割り当てられ、キッチンに置かれる。

量は、いつも少ない。ポテトチップスなんかだと、普通の袋の中に、数枚程度しか残っていない。

「あなた、もっと痩せなきゃいけないからね。」

家内の声が聞こえてくるようだ。

わたしの中のリトルじゅにーがそっと囁く。

「いつか、見返してやろうぜ。」

割り当てがある時はまだ良い方で、時にはいつの間にかなくなっているものもある。

みんなで買い出しに行って、楽しみにしていたお菓子が見当たらないので、行方を聞いた。

「あら、食べてなかったっけ?美味しかったわよ。」

リトルじゅにーがまたそっと囁く。

「お供えされない限り、食べることなんてないのにねえ。」

少しふてくされているわたしに、家内が言った。

「また買いに行けばいいじゃない。他にも買いたいものが沢山あるんだし。」

またみんなで、買い出しに行けばいい。今度は、わたしにも残しておいて貰えるよう頼んでおこう。息子や家内が笑顔になるなら、それでいいじゃないか。

リトルじゅにーも、うんうんと頷いている。

我が家は、これでいいのだ。


いいなと思ったら応援しよう!

闇の中、光を求め愛を叫ぶじゅにー
もしサポートして頂けるなら泣いて喜びます。サポートして頂いた分は、ほかの方へのサポートや有料記事購入に充てさせて頂きます。

この記事が参加している募集