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投資講座第21回「投資で法人設立って何かメリットあるの?」

割引あり

 このシリーズは、南山堂さんの月刊誌『薬局』にて2019年4月号から2020年8月号にかけて連載していただいた「薬剤師にもできる!将来幸せに働くための投資講座」をベースに、読者の範囲をもう少し広げて、データや戦略を更新し、大人の事情でカットされた部分を追加して書き直す連載企画です。2022年度からは隔月で、2023年度からは不定期な連載とし、引き続き初心者向けの注意や解説、時事的な相場観、運用状況の報告などを続けていきます。

 なお、本記事の中では特定の金融商品や銘柄、投資手法を紹介することがありますが、投資判断はご自身でお願いいたします。よって失敗しても責任は取れませんが、知らせてくれたら一緒に悲しむぐらいはします(^^;)

 すいません、前回の記事からすっかり半年も空いてしまいました。
 現在、ワタクシには並行するタスクがいくつかあります。
 まず、本業の病院薬剤師としては某病院で管理職やってまして、少しでも部署として利益を上げるために四苦八苦しています。利益を長期的に上げるには人材を確保してモチベーションも引き出さないといけないし、医療って必ずしも利益になることばかりやっていれば良いわけではなくて、本当に必要な仕事ほど案外利益にならないことが多いわけで、でも人の命や人生にも関わる以上はそういう取り組みもやらなきゃいけないし……というようないびつな業界で、部下や他職種からの信頼を集めて金にならない仕事をしつつもきちんと数字を上げて経営陣から承認してもらうお仕事してるんですよ。かつて楽しくやってた臨床研究からはすっかり遠ざかってしまいました。しかし、マネジメントはとてもエキサイティングな仕事なのでそれはそれで楽しくやっているところではあります。
 で、一方では、仕事やってて不足してると思われる勉強会、特にEBM(Evidence Based Medicine)について学ぶ機会を増やしたくて、有志と始めた勉強会を昇華させて作ってしまったNPO法人AHEADMAPを共同代表として運営していくというお仕事があります。ほぼ無報酬なのでこういうのは副業と言うのか知りませんが、まあ二足のわらじには違いないですね。「法人格」という、人ではないけれど人みたいな何かを生み出して、それをドライブするために色んな人と一緒に働くのはとても刺激的な体験ですし、そこで得られた知識や経験が自分の本業の方にも活きていると思います。
 そう、「法人化」とは、自分以外に仮想的な人格を有する何かを生み出して、それを箱にして何かやりたいことをドライブしていくことなんですよね。
 そうして、二足のわらじで頑張っていると、今度は色んなところから講演や執筆のお声がけをいただきます。コンサルタントや監修的なお仕事をいただくこともあります。そういうところで色々と謝礼をいただくようにもなります。一方で、貯金ゼロから始めた投資も10年以上やっているとそれなりに利益を得られるようになりまして、特に不動産投資の場合は株式投資と違って設備投資分や内部留保分も含めたキャッシュが一旦手元に入りますので、表面的な利回りはなかなかのものになります(年率で言えば20%超えちゃいます)。そういう様々な収入を自分一人で受け止めていたら、日本はとんでもない累進課税の国なので、せっかく稼いでもほとんど税金で取られてしまいます。別に運で儲かったわけではなく、自分の頭で考えて、身銭を切ってリスクと引き換えに得た利益をゴッソリ持っていかれるのはなかなかつらいものがありますが、大丈夫です、日本にも賢い人が作った抜け道があります。
 それが「法人化」です。
 なので、法人化の第一の目的は節税ではありますが、ワタクシは自身の講演著述活動のほとんどと不動産から得られる利益を「法人」を設立してそちらで分別管理するようにしています。このやり方は、ちょっとググれば非常に簡単にできて、そんなに手間もかからないように書いてある広告サイトが目につきますが、それって本当なのでしょうか?
 今回も、ワタクシが興味本位でぶっこんでみて人柱になった記録だと思って読んで頂けると楽しめるかと思います。


そもそも法人化ってどういうこと?

 ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』によると、人類はおよそ7万年前に脳が革命的な進化を遂げたそうです。

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