かのキレレビュー:原作と比べてみた編
こんにちは。はなです。
夏ドラマ「彼女はキレイだった」とても素敵なお話でしたね。終わってみると、ストーリーの最後を明かさずにいてくれた原作ファンの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
勢い余って原作(韓国)版も視聴したので、「韓国版と日本版の違い」に着目して振り返ってみたいと思います。
概要
原作は1話1時間前後×全16話、日本版は1話45分×全10話
→この通り日本版の方が時間が短く、その分スピーディにストーリーが展開していくところが日本版の見所になっています。原作版を観ると、一つ一つのエピソードがより詳細に描かれていて、併せて観ると日本版でよく分からなかった人物描写についてより理解が深まりました。
大きな物語は⑴メインキャストの四角関係(2)会長の息子は誰か問題(3)素性を隠している有名作家、を軸として展開していますが、日本版では(2)(3)はシリーズの後半でぎゅっとまとめた形で描かれています。
主な変更点:設定編
※以下人名は韓国名(日本版での役名)で記載
・チ・ソンジュン(長谷部宗介)は車通勤で、原作では運転中にキム・へジン(佐藤愛)に見とれて自損したり、事故のトラウマで雨の日に運転できなくなり外に出てきたり、車を運転しながらイチャついていたり・・思わず「危ない!!」と言ってしまいそうな状況のためか、日本版では徒歩通勤に変更されています。都心の若者は車持たない人もいるようですし、職場近くに住む「仕事人間」っぷりもついでに表現されていると思います。ちなみにミン・ハリ(桐山梨沙)も車をもっていて、通勤に使っていますが、キム・へジン(佐藤愛)はバス通勤で、ヘトヘト状態で通勤している時のエピソードもコメディタッチで描かれています。
・ミン・ハリについて
日本版を見ていて不思議だったのは「愛と梨沙はどんな経緯でこれほどの親友になったのか」だったのですが、原作では詳細に描写されています。
原作によると、へジンとハリは母親同士も親友、以前は隣人で、ハリが引っ越した後ソンジュンが入居します。ハリの両親は離婚し父に引き取られたのですが、継母と折り合いが悪く、むしろへジンの両親に懐いています。
・キム・シニョク(樋口拓也)
どのキャストも原作の良さを生かしつつ自分なりのキャラクターを演じているなと感じたのですが、驚くほど違うキャラクターに仕上がっていたのはこの方だと思います。「職場のムードメーカー」という点では共通しているのですが、原作のシニョクはとにかく変人。へジンには嫌がらせして怒られてばかり、ソンジュンには明らかに近すぎる距離感で絡んでウザがられ・・。そんなシニョクが本気で告白したり、正装したり、正体を明かす覚悟を決めたりした時のギャップが最高にかっこよかったです。でも、トータルで見ると樋口さんは最高に美化されていて、「樋口くんと付き合えばいいのに」と思った方はより多かったのかなと思います。
ちなみに原作では「事情はよくわからないがホテルのスイートルームに長期滞在」していて、そのホテルの支配人がハリ、という設定になっています。日本版では樋口さんの自宅が詳細不明だったのですが、逆に否定される条件もなかったので、明記されていないだけで、設定自体は生きているのかもしれない、と勝手に推察しています。
作品のメッセージ
全体的に日本版の方が日本に馴染む、実際にありそうな話にしつつ話題になるようなシーンは残す、というバランスがよく取れているなと思いました。正直、キム・へジンへの同僚からの扱いなんてイジメ同然で、日本で放送したら非難轟々だったと思うので、リメイクで緩和されてよかったです。
ただ、日本版→韓国版と見ていくと、時間の分だけメッセージが深いなと感じました。「人は誰でも主役になれる」という言葉や「美しさは外見ではなく、その人らしく輝いていること」というメッセージが作品全体のテーマとして表現されていたのが印象的でした。
ここまで、ざっとかのキレの原作、日本版を比較して見ましたが、どちらもとても素敵なお話になっていると思うので、どちらか一方しか見ていないという方はもう一方も見て、どちらも見ていない方はこれを参考にしていただければ幸いです。
ちなみに、私はNetflixで原作を視聴したのですが、こちらで11月から日本版「かのキレ」も配信開始したので、来年3月のケンティーの映画を待ちながら、何回でも見返そうと思います!