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女子中高生向けのSTEAM教育 ~CPSを3Dプリントで体験してみる!アドバンストコース(2024/8/4)
2021年夏、遊びに行きたいのにいけない、いけない、いけない、が続き何か新しいことに挑戦しよう!と3Dプリンタを購入しました。その後、ほぼ毎日実験しています。こんな面白いものを独り占めするのはもったいない、という気持ちでいっぱいです。
また、リケジョを増やしたい!という思いで、女子向けSTEAM教育に関与したいなと常々思っており、大学のダイバーシティー推進センター企画のSTEAM教育に講師として参加しました。今回、第5回となります。先生、アシスタントの方、サポーターの皆様、ダイバーシティー推進センターの皆様に感謝!です。
今回はアドバンストコースということで、前半はモデリング、スライス、自身で作品をプリントする流れ、後半は1回目よりも難しいモデリングをすることを目標にしました。
今回、Prusa社の協賛をいただき、2人に一台プリンタを準備することができました。また、フィラメントもご提供いただきました。感謝!です。
新しい取り組みということで、PrusaSlicerはアシスタント、サポーターの皆さん使えるんだっけ?と不安でしたし、プリンタに不具合あったらどうしよう、一人で対応しきれないのでは?そもそも、開始前に動作確認しておきたいけど前日は別のイベントがあるので間に合う?って不安になっていました。そんな時に、Xでお付き合いいただいているベテランのTommy(@Tomy_cn)氏にお話しすると、協力してくださるとのこと。めちゃめちゃありがたかったです。まさに百人力でした!
アドバンストコースには、14名の女子中高生の方が参加してくれました。
当日のルールは以下の通り。
初めにデッサンをする。寸法も書き入れる。ここで設計をすませておく。
色は1色まで
造形寸法は $${120mm^3}$$(複数パーツがある場合には、サポート最小の方向で並べる)
前半の3Dプリントまでの工程での説明には、植木鉢のモデリングを例としました。そして、以下のように進めました。
Fusionを使用したモデリングでは、多角形を底面にスケッチしてスイープでねじりながらテーパーをかけて引っ張り上げた形をシェルで中身を抜きました。2回目以上なのでスムーズにいくかなと思いきや、結構皆さん忘れていらっしゃる、なので全員が同じ工程を進められるように最後の一人まで待つようにしました。おかげで、モデリングが終わった時点でプリント開始までの残り時間が15分程度になっていました。
スライサは、あらかじめ準備したプリンタであるPrusa Mini+とMK4のデフォルトプロファイルを準備し、最低限の変更で済むようにしておきました。モデリングの際、植木鉢とモディファイヤ用のパーツを準備してもらっていましたので、鉢底の排水箇所のモディファイヤの設定方法(上底面厚さ:0、インフィル:ジャイロイド30%)の指定だけしてもらいました。スライス後のgcodeをUSBメモリに格納し、プリンタに接続し、プリント開始してもらいました。プリントを完了すると、自分でプリント済みの作品をぺりっとはがしてもらいました。
今回はアドバンスコースということで、後半のモデリングには参加者に以下のことをお願いしました。
設計の意図を明確にする。作りたい形を明確にする。アシスタントの方は、あなたが作りたいものを作るための助言(主に、手法)を教えてくれます
3次元のイメージをスケッチに作り込む。どのように3次元化するのかをイメージすることが難しいものが複数見受けられました。スケッチにある線は彫り込むのか、浮き上がらせるのか、幅は、深さは等すべてスケッチに描き込みましょう。これが“設計”です
少しでも、前回より、いつもより難しいことに挑戦する。筒状のペン立てなら、そこに模様を入れる、上から見た形状を〇や多角形から変える、スライスまで挑戦する、など
自分の手で実現することにこだわる。1回目は、プリントできないところなどこちらで手直ししました。約2時間半の時間内でモデリングが難しいと思ったら、方針を変更する(でも、妥協しすぎない)、作る個数を変えるなどして、自分で時間内に作り上げることにこだわってください。
今回は、Prusa Research様にご協賛いただきました。
プリンタをお借りするとともに、フィラメントもご提供いただきました。
また、こんなすてきな作品群をお貸出しいただきました。
凄すぎて、絶対自分じゃ作れないよね、っていうのは悔しい限りですが、プリント作品に手を加えるとこんな完成度までに仕上がるんだ!というのを実感しました。きっとご覧になられたみなさん、感動し、インスピレーションを掻き立てられたことでしょう!
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Tommyさんの作品も飾っていただきました。
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動くものには皆さん目を輝かせます。いつかはこの領域を目指したい!
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実現可能な作品の方向性は多様で、作りたいものの方向性が人によって違うというのも発見でした。それにしても、今でも皆さんのきらっきらした目がよみがえります。
目的と試験方法、使用材料
使用条件と使用したフィラメントはこちらです。
信頼性の高い機材であるPrusa機と、信頼性の高いノズルであるKaikaと信頼性の高いフィラメントの組み合わせにより、失敗のリスクを減らします。
残るリスクは、私のモデリングとスライススキルです。
3Dプリンター
今回使用したのは、新規に購入したPrusa Mk4 5台と、Prusa Mini+ 3台の計8台です。
ノズル
私のMiniはもちろんKaika640Sが付いています。
MK4は準備が行き届かず正規品ノズルです。
3D CAD
個人ユースであれば無料で使えるFusionが私の味方です。年間収益が ¥145 336 未満で、非商用目的で個人的に デザインなどされる方は無料で使用できます。学生さんであれば機能限定されないバージョンを無料で利用できますので是非ダウンロードして使ってほしいです。
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal
スライサ
Prusa機との相性も良く、完成度も高く、どんどん機能が追加されるPrusaSlicerを愛用しています。私のnoteでもスライスのTipsを共有しています。チューニングしなくてもそのまま使えるのがPrusaSlicerの強みだそうです。(私はいじりますが)
今回、印刷時間を比較として載せていますので、同等の条件としています。(PrusaMiniとMk4で異なるでしょうが)
すべて、PLA利用、0.4mmノズルでInput Shaper利用 0.2mm STRUCTURAL からできるだけ条件を変えずにプリントしています。
接着剤
PLA素材の接着にはアクリサンデーが最強です。今回もこちらを使いました。樹脂を溶かしてくっつける溶剤タイプです。
フィラメント
以下、使用したフィラメントです。
最近は安定したプリント品質を提供してくれるSK本舗さんのフィラメントを主に愛用しており、そちらにどんどんスイッチしています。(3,800円/kgとちょっとお高め)
今回、Prusa Research様のご協賛により艶あり系はPrusamentでのプリントとなりました。ありがとうございます!残念ながら日本のAmazonだと在庫切れのようですので、本家のリンクを張っておきます。私も、ここぞというときにだけ使用する、高級・高信頼のフィラメントです!
光沢あり・シルク系(Prusamentは画像にリンクあり)
Prusament Lipstick Red
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Prusa Galaxy Black
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Pearl White (Blend)
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Oh My Gold (Blend)
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Simply Green
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Gravity Grey
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艶消し・マット系
マット薄緑
ホワイト
マット黒
マット水色
マットイエロー
マットピンク
0. ミニ鉢のモデリング、スライス、プリント
一人当たり、1時間でプリントできるもの、ということでこんなミニ鉢をモデリングしてもらいました。(受け皿は、私がプリントしてプレゼント)
モデリングとしては、多角形をスケッチし、スイープでテーパーとねじり角度を設定して引っ張り上げるだけのものです。
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ただし、底の水キレをよくするために別の部品も設計上で追加してもらいました。スライス時に、その部品をモディファイアに変更し、上底面厚0にすることでこのようなインフィルだけ残る構造となります。
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参加者の皆さんには、モデリング、スライス、プリント、ぺりっとはがすところまでやってもらいました。皆さんほぼ同じものを作ったことになりますが(多角形、ねじり角度、はそれぞれ)ぺりっとやるところまでの体験ができたことで満足度も高かったと思います。
それぞれ、45分程度でプリントできたはずです。ミニチュアながら45分もかかるのか..…というのが個人的な感想です。途中でトラブルがあったりしたなかで、全員にプリント完了してもらうドキドキを味わいました。
走り回ってミッションコンプリートさせていただいたTommyさんに感謝!です。
最終的に、このような感じで使ってもらうことを想定しています。多肉植物もプレゼントしました。(参加者の皆さんへのお土産が一つ増えました)
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1. はるかさん(中3)
スケッチ&Fusion360での設計
コースターだそうです。提出されたデッサンでは、4種類のデザインを考えられていましたが、提出されたデッサンは3次元化されておらず、急に難易度を上げても作品を仕上げるまで行くのは難しいと判断。シンプルなものから確実にこなして次に行きましょう!と相談し、でも、麻の葉模様を作りたいということで、麻の葉を一つあしらった作品に挑戦されました。
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普段は別のCADを使われているとのこと。今回は久しぶりのFusionということで考えていたより時間を要したようです。デッサンに寸法が入っていませんでしたので、CAD入力前に寸法をすべて入れてもらってからのスタートとしました。途中でちょこちょこ寸法を変更していましたが、デッサンへの反映をされていませんでしたので、細かいかなと思いつつデッサンを治してもらうようにお願いしました。今回の規模だと頭の中での変更でも済みますが、大規模なものなどは頭の中だけで設計変更するとつじつまが合わなくなります。特に複数人で分担してCAD入力するような場合にはプロジェクトが破綻します。このようなデザインですと、デッサン=設計となりますのですべての寸法を入力することが必須です。
こちらがFusion上でモデリングされたものです。角のとがったところは面取りで落とし、最後に穴を開けました。完了したモデルを受け取ったところで特に問題は見当たりませんでした。当初は4種類のデザイン全部やりたい、と思われてたのですがそのうちの一つを最後までやり遂げました。
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Prusaslicerによるスライス
特に工夫しなくても標準の設定から変えずにプリントできます。表面の模様が細かかったので、最外周の射出幅だけ変更しています。具体的には0.38mmまで落とすことで模様が細い線3本で構成されるようにしました。
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プリントした作品
Prusa様からご提供いただいたPearl Whiteのフィラメントでプリントしました。思い通りの仕上がりになっているのではないでしょうか?4枚という指定でしたので、同じデザインで4枚プリントしました。
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総括
多分、ご家族4人分のデザインを設計したいということでした。初めの構想をしっかり組み立てて、それを文字化する、紙に落としていつでも自分が、共同作業者が確認できるようにすることが肝要と思います。ほかの機会にもCADを使われているとのことですので、どんどん手を動かしていろんな機能を自在に操って”作りたいもの”を実現していってもらえることを期待します。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
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2. さえさん(高1)
スケッチ&Fusion360での設計
もこもこした置物だそうです。第1回のイベントに参加いただきブロッコリーっぽい作品をモデリングされました。今回デッサンを拝見した時に、同じものを作る?と思ったので、何か工夫しようね!と提案しました。前回はサポーターの方の手を借りたのでしょうか。今回は自力でやりたい、と言いつつ、でもアドバイスを得ながらも(人の話を聞けるのはすごい大事!)、自力で最後までやり抜けられました。
軸が図からは3本しか見えませんが、他の軸をどうするか?と聞いてみたところ、3本だけ作るとのことでしたので、平面図から立体にする際、どのようにそれを実現するかきちんとイメージしようと伝えました。
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いろんな手法を試して軸を作られました。軸は同じものをコピーすると無機質なものになりますが、複数種類の軸を作っては位置関係を調整されていました。
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また、花蕾の部分は同じ部品の使いまわしではなくいくつもスケッチしてはそれを回転させてくっつけていました。サポートが付かないように(花蕾の裏側がガタガタになったのが気になったそうです。置物なら見えない位置に置けばよさそうですが、こだわる人はこだわるものです!私もこだわりますねぇ)
出来上がったのはこちら。力作です。最後の最後まで手を動かし続けました。エラー(履歴上に黄色の部分)があるのはご愛敬ってことで。
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Prusaslicerによるスライス
前回の作品では裏側のサポート痕が気になるとのことでした。前回はシルク系フィラメントを使用していましたので特にサポート痕が残りやすいです。今回はマット系フィラメントにしたことでサポート痕は少し低減されると思います。サポート痕が気になりにくいオーガニックサポート(私はこのような造形物は作らないので普段使わないので知見に自信なし)を使用することとしました。まぁまぁプリントに時間を要します。
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プリントした作品
いかがでしょうか?今回は、手法を説明する際に、手を出させてもらいましたが、それをそのまま使うことは一切せず、ゼロから最後まで自分で設計されました。
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前回はサポート痕が気になっていたとのことですが、今回も痕が残ってしまいました。角度をもう少しつけられれば見える範囲にサポートが付くことを避けられたのでしょうが。
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一部(左上)のサポート痕を紙やすり(#140)でやすってみました。やすりの粉末が付いてしまったので洗った際の水滴がついているのはご愛嬌ということで。こんな風に痕を消すこともできます。私は設計でサポートが付くことを極力減らしますが、デザインとサポートをつけなくするかのどちらかは人それぞれだと思います。
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総括
作りたいもののイメージはあるものの、それが3次元的にどのようになっているのかを事前に紙に落とすのが難しいデザインです。Fusionの機能が豊富にあるので、作りたいものの形がはっきりしていれば、こちらもサポートが容易です。(例えば、茎はどこから何本どのように出ているのか、茎の張り出す角度など)。次回は全く違った作品に挑戦してもらえることを楽しみにしています。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
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3. むつみさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
ヘアゴムかけだそうです。クラゲをぶら下げて触手の部分にヘアゴムを掛けるのでしょう。形にこだわりを強く持っていたようです。傘の上の模様の構造については凹凸の条件が記載されていませんでしたのでモデリング前に確認したうえでCAD入力を進めました。
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部品はばらしてプリントすることを意識されていましたが、具体的な組み合わせの構造までは考えられてはいなかったようです。Formやパイプなど複数の機能を組み合してモデリングされました。クラゲの表面の柄については当初は線を描くようにデッサンには描かれていますが、実際には膨らませたようです。このような変更は、形を実際にCADに入力し、自分の作りたいものに合わせていくことは好ましいのですが、実際には大変難易度が上がる行為なのです。ご本人にも、サポーターにも。
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サポートがたくさんつく、などプリントに不安がありましたので、このように変形しました。外観上は影響を与えません。
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他にも、クラゲのボディの厚みが1mmだったのですが、何度もプリントを失敗するので、2mmに変更しました。それでも3回ほどプリントに失敗し、スライス条件を変更しました。
足についてもそのまま寝かせてプリントした時にサポートが必要になる可能性があるので、半分に割りました。
Prusaslicerによるスライス
むつさんが設計されたものを部品をばらして配置し、プリントしようとするとこのように大量のサポートが付きます。
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厚みが薄い部分の修正をかねて内部の形状を変更し、サポートを極力減らすよう設計変更しスライスすると印刷時間が3:46→2:04に減らすことができました。
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最終的に厚みを2mmに変更し、プリントした際のスライス結果です。
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プリントした作品
実はこの作品は傘の部分のプリントに複数回失敗しました。傘の広がっている部分はサポートで支えてあげる必要がありますが、サポートの上何層かをプリントすると割れたりしました。
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裏面から見たとき、板をスライドさせてはめるとこんな感じになります。
上のループ部分は別体としましたが、プリント方向を2種類試してみました。意外とサポートなしでも行けました。
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組み立て前の部品の様子です。
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組み立て後。穴に足をさして接着剤で止めます
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上部のフックでどこかにひっかけて使うのでしょう。
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総括
デッサン提出の時点では最後まで行けるかどうか不安でした。Form機能をうまく使い、実現されていました。作品のプリントまでの難易度も高かったです。今回は、イベントということもあり、少人数のアシスタント、サポーターで指導し、プリントまでこぎつけるため制約もあったと思います。是非、ご自身でプリンタを持たれ、プリントまでご自身でされるとどのような形状が3Dプリントに適するかなど理解されると思います。次回作も楽しみです。もし、プリンタを買って試したい!ということであれば今回のFusionの変更後のモデルとプリント条件を共有します。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
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4. りおさん(高2)マットピンク
スケッチ&Fusion360での設計
花形のいれものです。当初提出いただいたデッサンを実際にCAD上で表現可能なように変更をお願いしました。このデッサンには厚み情報や高台の寸法花弁の直径が含まれていません。当日のデッサンを完成させる過程でここまできめておきたかった(デッサンに記入する)です。
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Fusionにてモデリングした結果がこちら。手数も少ないです。
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使用する作品なので、口だけ面取りを施しました。
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Prusaslicerによるスライス
こちらはスライス結果です。サポートをつける角度の閾値を35°に変更するとサポートが付かなくなりました。
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サポートをつける角度の閾値とサポートの付き方は、こちらの画面で確認することができます。
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きっと意図せずにこのような形にされたと思いますが、うまくサポートなしでプリントできるような形状になっています。
プリントした作品
美しく仕上がっていると思います。
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サポートをつけないことでサポート痕が残らずにいけましたが少しブリッジ気味です。まぁ、下側を見ることはないと思いますのでよいと思います。
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総括
当初のデザインとは異なりますが、作りたかったものができたのではないかと思います。次回は、今回よりもデッサンを”設計”レベルに高めたオリジナル作品を作って欲しいと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
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5. ゆいさん(高2)
スケッチ&Fusion360での設計
ランプシェードです。模様以外の寸法はすべて記入されている(=設計済み)状態で参加されました。ランプシェードだとすると、電源ケーブルを通す穴など必要かなと思いましたが、内部にランプを収納するということで納得しました。
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模様部分は元のデッサンでは、凸状態にしていました。厚み1.5mmが想定通りの透光率になるかどうかを見てもらうためにサンプルを準備しました。1.5mm,2mm,2.5mmの3種類の厚みと、表面にデザインを穴として開けたものと凸にしたデザインを配置したサンプルです。ご本人も光源を用意してこられていました。こういう、使用するものは使えないと意味がなくなるのでこちらも注意を払います。
途中まで、穴を開けるデザインでしたが、最終的に当初の思いを踏襲し、凸状に模様を配置するように本人が決めました。この辺りは、一番大切にしたい、”作品の意図”となります。
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エンボスで、XZ平面に描いた模様を表面に浮き出させようとしたとき、円筒の片側にしかエンボスできなかったので、対処策として円錐を半分にカットして面を選択するようにしました。エンボス機能は操作を誤るとFusionがフリーズすることがあるので要注意です。
Prusaslicerによるスライス
通常のサポート方法としたときに、プリント時間は5時間弱となったためモデルに手を加えようとしたが、その余地がなかったためスライサで工夫することとしました。シルクタイプのフィラメントは可変レイヤ高さ機能を用いると横縞が入って美しくないため、別の方法としてサポート条件を変更することとしました。
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結果として、オーガニックサポートとしても短縮することはできませんでした。個人的には、サポートではスナッグを最も信用しているのでスナッグで行くこととしました。
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プリントした作品
Prusament Pearl whiteフィラメントでプリントしました。サポートをとるのが少々大変でした。このフィラメントはしっかりしているので、射出率を細めに設定してプリントしたサポートもしっかりしていて崩れませんでした。
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総括
点灯しない状態でも美しく、点灯状態ではご自身の思い描いたものに近い作品に仕上がったのではないでしょうか。サポートの取り外しが大変でサポート痕が残りがちなので(特にシルク系フィラメント)、次回はサポートが付きにくい形状にするかフィラメントを変えてみるのもよいと思います。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
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6. ふみかさん(中3)
スケッチ&Fusion360での設計
タブレットスタンドだそうです。前のほうはスマホ、後ろはタブレットを片付けるためのスタンドとのことで、ここにたてて使うことを考えたらどうしたら画面を邪魔しないのだろうって考えていましたが、心配ご無用でした。
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こちらの作品も使うものです。タブレットのスタンド部分の根元が弱く、使用しているうちに変形してくる(使用する材料はPLAであり、クリープ効果による変形の可能性が高いです)可能性があります。また、力がかかると折れる可能性がありますので根元だけでも強化するのが良いのでは?と思いました。逆に、底面が非常に分厚く、機能を持たないこの部分のプリントに非常に時間を要するのは要改善点だと思います。
ただ、当初の計画では飾り気のないデザインでしたので側面に文字を入れたということで工夫をされました。
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Prusaslicerによるスライス
側面を下にしてプリントすることで、特にサポートもつきません。標準の設定からの変更の必要はありません。
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プリントした作品
出来上がったのがこちら。Prusament Galaxy Gray PLAでプリントしました。さすがPrusament、カチカチです。文字の一部に隙間がありますがそういうフォントとみれる範囲です。
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総括
シンプルなデザインで時間が余り過ぎるのでは?と気にしていました。サクッとモデリングを終わられてしまい、側面の模様を入れられていました。せっかくなので、スライスを自身でしてもらったらよかったかなと気が付きました。せっかくの機会ですので、別の作品や技の習得に挑戦してもらえたらよかったかなと思います。次回は、多くの技法を駆使した作品に挑戦してもらえればと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
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7. あいりさん(中3)写真
スケッチ&Fusion360での設計
校章だそうです。初めは、2.5時間のモデリングには難易度の高すぎるデザインを提出されました。なので、デザインの変更をお願いしました。裏にループが付いています。
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モデリングした結果です。最後まで時間をかけて丁寧に作られていました。この方は、準備された校章の画像をFusionに取り込み、それをなぞられていました。
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今回皆さんのやり方を見ていて気が付いたのは、無駄にスケッチを分割している方が多いということです。線を引くたびにスケッチを新しく起こしている人が多く、そうなると一つのスケッチ内で図形が閉じていないので押し出しなどできません。
また、フィット点スプラインで描画される方に多いのが、点を細かく打ちすぎるために、後で修正しようとしてぐちゃぐちゃになる人がいます。私も経験があり、できる限り少ない点数で線を引く、あたりとなる枠を描画し、垂直・水平など拘束をつけながら描画しています。この辺りも、次回チャンスがあれば伝授できればと思います。
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プリントしてみたところ、ループが全く機能しない(ループを印刷するも、細すぎて使えない)感じでしたのでループを大きくして再プリントしました。ループの寸法はフィラメント相当としていますので、最悪フィラメントをループ代わりにすることができます。
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Prusaslicerによるスライス
特に標準の設定から変える必要はありません。印刷時間も短いですので、表面にアイロニングをかけて表面を滑らかにするようにしました。背面に穴が開いていますが、サポートは着けていません。
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プリントした作品
裏側のフックはフィラメントを使用しています。
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こちらがフック部分をプリントしたものです。強度的にも弱いので使えないと判断して、フィラメントまげて接着剤で取り付けました。
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総括
最後まであきらめることなくやり切りました。シンプルなようで、スケッチにはまってしまったので想像以上に時間を要したと思います。スケッチの仕方(どれだけの線を一つのスケッチに入れるか)についてお伝えしたほうが良いことをこちらも学びました。次回、もっと難しいもの、本当に作りたいもの(当初の計画を踏襲)を作れるように、手をいっぱい動かしてもらえればと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
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8. ひろねさん(高1)
スケッチ&Fusion360での設計
猫のブックスタンドです。初めのデッサンと少し構造が変わっています。小気味な表情の顔が付いて表情が生まれたのではないでしょうか?3Dプリンタの造形品の強度を考慮したデザインに変更されたようです。この作品は寝かせてプリントします。顔や耳によりサポートが付きますが、これは許容します。
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いくつかエラーがみられますが、たくさん手を動かした様子が見られます。エラーはありますし、同じ作業を続けてしていることから、それぞれのパーツ個別に処理されていたのではないかと推測します。
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Prusaslicerによるスライス
スライス結果は以下の通り。サポートが少量付きますが、デザイン重視です。
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プリントした作品
表情がにくいです!
サポートを外さない状態がこちら。寝かせてプリントするので強度は保たれますがそれなりの量のサポートが付いています。頑丈なフィラメントで、サポート除去がそれなりに大変です。
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本と、Coco壱番屋のカレーを立ててみました。PLAなのでそのうちに変形すると思います。できるだけ重くない本を立ててあげてください。
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総括
使える作品が出来上がったのではないでしょうか。提出されたデザインにはすべての寸法が入っていましたが、当日強度を増すように方針を変更されたと思います。その場合には、デザインを修正してください。一人でのシンプルな作品の設計なら問題は起こらないでしょうが、複数人で設計する場合などに不整合が起きる原因となります。
サポート外しは結構大変な作業です。一つは取らずに残しておきました。作品の一部だと思って、サポートを外したり、痕を消したりと楽しんでください。
次はもっといろいろな技を使用した作品に挑戦してください。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
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9. みさこさん(高2)
スケッチ&Fusion360での設計
ペン立てでしょうか。
当初のデザインはこのような大変シンプルなものでした。壁の厚み10mmは避けてほしいとサポーターの方にお伝えしました。強度を考えると壁の厚みは3mm程度で十分で、それ以上となるとプリント時間とフィラメントを無駄にするだけです。もし、口の厚みを厚くとりたいのであれば、口だけ10mmになるようにしたいところでした。当日大きく方針を変更されました。変更する場合には、デッサンも変更してもらう必要がありましたがうまく伝わっていなかったかもしれません。
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美しいデザインになっています。穴が複数開いていて名前も刻まれています。当初のデザインより素敵だと思います。
実は問題がありました。気が付いたのはスライス時です。何か変な部品が落ちていると思ったら、aとoの丸が部品として落ちていました。Misakoの文字を抜いているのですが、aとoの丸が保持されません。そこで、1mmへこませる形としました。
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また、プリントして気が付いたのは、文字が小さすぎるということです。先に示したのは3mmのもの、実際には5mmの高さに変更しました。
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Prusaslicerによるスライス
実は何度かプリントし、プリント条件を決めました。これは、最終的なスライスです。丸穴の上部がきれいにはがれないのでオーガニックサポートにしました。
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プリントした作品
Prusament Galaxy Blackでプリントしました。文字をどう表現するか苦慮して、文字の大きさは同じとし、もじの凹凸による出来上がりの違いを見てみました。わかったこととして、この大きさの時にはへこませたほうが文字が読みやすい、そもそも3mm高さの文字というのでは小さすぎるということでした。
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意図してかどうかわかりませんが、穴が完全に開いていないものがありました。穴が完全に空いていないほうが、穴の上部のダレが少ないです。
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最終形がこちらです。文字はくっきり見えています。こういったアーチ状の形状の場合、オーガニックサポートのほうがきれいにはがれるとともにダレ(サポートの上部が下に垂れる感じ)が少ないようです。
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後ろ側一か所だけ、サポートをつけたままにしています。パリッとはがすのをお楽しみください。
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総括
当初のデザインから大幅に変更されました。挑戦する場として有効活用されたと思います。一方で、変更された仕様が紙に残っていなかったのでみさこさんの意図が反映できたかどうかがわかりません。仕様を変更した際にはそれを残すようにしたほうが良いと思います。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
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10. みくさん(高1)
スケッチ&Fusion360での設計
アクセサリー入れです。仕切り部分含め、厚みが記入されていないことが気になっていました。このデッサンを100%正しくプリントしようとすると、仕切り部分の頂点の厚みは0になりますが、3Dプリンタで表現できる厚みはせいぜい0.3mm程度です。仮にその厚みでプリントしたら強度的に非常に弱くなります。なので、構想を変更してもらう必要がありました。こういった部分も正確な設計をすると、設計図から見えてきます。
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設計の結果はこちら。かなり手数もかけて設計されていたことがわかります。この、円形に切り取られた部分は円弧の半径が描かれていませんので定義されていないことになりますが、最終的に設計図に反映をされたのでしょうか?気になります。
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仕切りのとがっていた部分は、このように厚みを持った形での設計となりました。
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一つ問題があったのは、引き出しがケースにはまるように彫り込まれているのですがクリアランスが設けられていませんでした。
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ですので、クリアランスを設け、ついでに角に面取りを入れておきました。断面を見るとわかりますが、高台がつけられていることで、この辺にはサポートが付きます。できれば、サポートが付かないように高台は設けないでほしかったです。器などで高台があるのは、高台部分には釉薬が塗られていないので机に傷がつかないようにするため、高台がない器で直接持つと熱いので高台で器と指の距離を離すという理由があります。そもそも手に持って使うものではないので高台を作る必要はなかったと思います。その辺り、”意図”を確認しきれていませんでした。
また、上面があることで大量のサポートが付きます。ですので、上面は別にプリントして接着することとしました。
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それほど大きな修正ではありません。確認した際に修正しておきました。すべての辺にフィレットが入っていたりと細かな配慮がなされています。(できれば、水平方向の辺は面取りにしていただきたかった.....)
ということで、時間に余裕もあったので(嘘です。この作品がプリント第一弾で、いくつか作業を進めていると思ったより進みが悪く、この先を考えると気が遠くなってきましたので逃避行です)こんな感じにしてみました。まず、サポート要素を排除、軸で回転できるようにしました。この穴にはフィラメントを入れて、それを軸にして回します。
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Prusaslicerによるスライス
スライス結果は以下の通り。特にデフォルトの設定をいじる必要はありませ
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ちなみに、上面を切り離さないとこのぐらいのサポートが付きます。サポートが付くと、サポート分のプリント時間とフィラメントを無駄にするだけではなく、それを取り外すための時間も必要です。
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プリントした作品
設計通りの作品になったのではないでしょうか?
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ただし、底にはサポートが付きます。一部残しておきました。外してみて、高台の必要性をもう一度考えていただければと思います。
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私が遊ばせてもらったModificationもプレゼントします。
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総括
デッサン上は成立しているようで、表面から仕切りを連続させるところまではデッサンに書かれておらず(仕切りの厚み、厚みの上部に至る部分の変化)こちらも事前準備の際に作者の意図が気になりました。作品は、大きさの制約もあり、実用性というよりは、発展性のあるものだと感じています。こちらも楽しませていただきました。是非、これからも設計、モデリングを楽しんでください。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
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11. まゆさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
引き出しです。設計図に細かに寸法を入れ、修正もすべて反映されていました。壁の厚みが5mmあったので、3mmに変更してもらいました。
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時間が残ったのでケースの裏側に麻の葉模様を入れられていました。最後まで精力的に設計されていたと思います。素晴らしい!
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気になったところは、引き出しと外側のケースの間のクリアランスが設けられていません、実は。皆さんの粘り強さに負けて、設計を一つ一つ見直してみました。(このモデルは途中でものすごいボディの数になるのでPCが固まりかけます)
すると、途中ではクリアランスを設けていましたがどこかでなくなってしまったようです。最後にクリアランスとか寸法で成立していないところをチェックすることが重要だなと感じました。(プリントする人はこれをめちゃめちゃ大切にします。だって、自分があとで大変だから)
あと、ケースの内側の角と、引き出しの角がぶつかっています。本来は水平面の辺はフィレットではなく面取りにしたほうがきれいにプリントできます。
外形はご本人の意思でフィレットを選択されたと思いますので、このままにしたいと思います。引き出しのぶつかっている部分を修正する際、引き出し内側で見えにくい部分は面取りに変更します。
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最後に模様を入れられましたが、その面はフィレットを入れられずに残ってしまっています。この2か所を修正しました。
Prusaslicerによるスライス
スライス結果は以下の通り。サポートが多少ついています。引き出しの取っ手部分です。他、特に気になることはありません。
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プリントした作品
Prusament Pearl Whiteを使用してプリントしました。
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総括
基本をきちんと押さえ、デッサン(設計図)を修正し、モデリングをされていました。時間に余裕ができると、余すところなく時間を使い切り、背面に模様を入れていました。背面の麻の葉模様は手順次第でCADをサクサク使うことができます。まずは、自分でやってみる、そしたら人の技を盗むということをやっていくと、CADの癖を理解してうまく使いこなすことができます。是非継続していただきたいです。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
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12. あんずさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
マルバツゲームです。ゲームの駒は下のケースに入れられます。ケースの壁の厚みは3mmに減らしてもらいました。また、本来ですとサイズオーバー(本来は12cm角までのところ、作品は並べて印刷すると18cm角)となっています。この日の作品はこちらの手がかかる作品も少ないですのでよしとしました。この作品も全く手を入れる隙がありませんでした。
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モデリングした結果がこちら。手数はちょっと多いでしょうか。フィレットはまとめて処理できます。また、非常に細かいことをいうと、水平方向の辺はフィレットではなく面取りにしたほうが美しく仕上がります。
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一つだけ気になるのが、枠とふたの組み合わさる部分が小さいので駒を置いたときに傾くのでは?ということです。もう少し面積を大きくするなりしてもよかった気がします。壁の厚みを当初は10mmにしていましたので、変更しなければがたつくことはなかったのかもしれません。
あともう一つ気になったのは、実は上下左右対称になっていませんでした。
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拘束をつけることで対称形としました。
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Prusaslicerによるスライス
スライス結果は以下の通り。サポートはつきません。プリントの難易度も高くありません。
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プリントした作品
設計通りに出来上がっていると思います。やはり、爪の部分の厚みが薄くなったことで、力を入れるとがたつきます。
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総括
設計図をきちんと作り、設計変更を図面上で修正し、CAD入力するという、正しい手順で設計を進められました。出来上がったものにはフィレットが施され、細かいところまで手を入れています。今回は一色ということでしたので、白を指定されましたが、ゲームをやる際にはほかの色もあったほうがよいでしょ!ってことでサービス(他の作品のプリント)でこまだけ別の色でもプリントしました。機能性ばっちりなこういう作品、私も好きでよく作ります。次はあんずさんのオリジナリティがもっと盛り込まれることを期待します!
サポートの必要性: なし
設計変更: あり(軽微)
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15. みうさん(中2) 写真
スケッチ&Fusion360での設計
歯ブラシたてだそうです。提出されたデッサン通りの作品を作られました。当初、空洞と書かれたところは後方に穴が開いているのだと思っていましたが、下に穴をあけるということだったのでしょうか。惜しいのはボディが2つに分かれたままだったことです。結合をして完成です。この工程はこちらで仕上げておきました。
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たくさんたくさん、手をかけて作品を完成させたことがわかります。今回たくさんトライしたことは、きっと次の作品作りの糧になると思います。是非継続していただければと思います。
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Prusaslicerによるスライス
穴があったりしますので当然サポートが必要となります。気になったのは、結構小さい作品ですので、歯ブラシたてとして使用しようとしたときに倒れてしまうのではないかということです。内側にビー玉とか入れて重しをするのが良いと思いますが、底がないためかないません。
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プリントした作品
こちらは、Prusament Simple Greenフィラメントでプリントしたものです。サポート痕が少し気になります。
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羽の下の部分の角度が浅いことからきれいにプリントできていません。羽の下の部分の隙間も小さいのでサポートが埋まってしまっています。
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簡単に気になった部分を紙やすりでやすって、ライターであぶってみました。紙やすりでやすると白くなりますので、その部分をライターであぶって消し去ることができます。
総括
CADの履歴を拝見すると、幾度もカットをされたりと試行錯誤の様子が見て取れます。自分のやりたいことを実現するためにとことん手を動かすのは良いことだと思います。
歯ブラシたてとして使えそうでしょうか?ちょっと背丈が足りないので、不安定にも見えますが、使い方で乗り越えていただければと思います。不便があれば、それを工夫で乗り越えようとするのがものづくりだと思っています。是非またチャレンジしていただければと思います。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
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16. あおいさん(中3) プリント、印刷
スケッチ&Fusion360での設計
ハチの巣形の引き出しです。当初のデッサンでの問題は、引き出しの向きを30°傾けないと直立しないということでした。それは、CAD入力前に方針を変更することで解消されました。
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そもそもの形はシンプルだったので、工夫をされたのだと思います。引き出しの形状を変更されました。波模様で6角形をカットすることで断面に変化を与えるようにしました。
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ここで、普通は波模様を描くときにフィット点スプラインや円やスロットを使用すると思いますが、楕円を使用されていました。楕円を半分に割った形をつなげており、簡単に向きが変わってしまい、接続部が離れてしまいました。これにより、連続曲線として扱うことができなくなり苦慮しました。自分が使ったことがないからアドバイスできないというのは困ります。私自身がもっと手を動かさなきゃ、と思いました。
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実は、一つ問題があることにプリント中に気が付きました。引き出しの形状が左右で異なるのです。
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原因はスケッチにありました。スケッチで描いた6角形が傾いているのです。
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六角形の垂直方向の辺を水平・垂直の拘束をかけることで図形の辺が黒に変わりました。これで縦の線が垂直になりました。
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最終的に、こちらのような引き出しを作ることができました。取っ手も30mmは長すぎると思いましたので、半分の15mmに変更しました。
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Prusaslicerによるスライス
スライス結果はこちら。蓋は、耳の下と内側、ボディは底面付近にサポート
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プリントした作品
Prusament Gravity Greyでプリントしました。引き出しの形状変更後のものです。つまみも短くしています。使える作品になったのではないでしょうか?
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総括
見たことのないような引き出しができました。粘り強く、たくさん手を動かされていました。波型で切り取る際に、なかなかうまくいきませんでしたが最後まであきらめることなくモデリングをされていました。
提出されたデッサンでは、引き出しが直立しない方向になっていましたが、サポーターと話をすることで設計変更をされました。ただ、変更した情報がすべてデッサンに記入されていませんでした。波型模様は楕円で作成されていますのでそういった模様も含めてデッサンに記入していかれたほうが間違いがないです。(私も、修正する際にデッサンに描かれていない情報はCADの情報から読み取るしかなかったです)
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
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反省と全体総括
今回は、初の試みとして、参加者の皆さんにモデリングをしてもらい、スライスしてプリントするまでを体験してもらいました。また、一回目よりも難易度の高いものをできるだけ自分の手でモデリングしてもらいました。
第5回までのモノづくり体験イベントでは、モデリングされたプロジェクトファイルを私が持ち帰り、適宜修正してプリントし、大学に発送してそれを作者に送付いただいていました。時間が経って手にする作品よりも、提携作品とはいえ自分でプリントしてぺりっとヒートベッドシートからはがしたまだ暖かい作品を手にすることで実感と感動を得られたと思います。
以下、反省点となります。今後のモデリング体験、3Dプリント体験イベントに生かしていきたいと思います
Fusionでのモデリングにおいて、複数のスケッチに分けている方が複数見受けられました。これによって、押し出しなどができなかったり、のちの修正が煩雑になってしまったり、履歴を見てもどれを修正したらよいのか(サポートするうえで)わからないということがありました。
モデリングにおいて、中心や垂直・水平を意識することを伝えたいと思います。中心を原点に据えてモデリングすると、不意な変形が避けられます。また、水平・垂直もしかり、思った形にモデリングし、変形を避けることが可能です。寸法を設定することは伝えてありますが、中心を意識することや拘束については説明に時間を要するので必要に応じて説明しています。しかしながら、サポーターやアシスタントは複数人をみているので必ずしもモデリングする参加者に伝わらないことがあります。
デザインを変更した際には、デッサンに記入すること!が不徹底でした。設計は、設計の意図を示すとともに、複数人で同時に作業をして後で正しいかどうかの確認のためにも仕様をはっきりさせる必要があります。大胆にデザインを変えたり、寸法を変えたりした作品のデッサンに反映されていないのが多くみられました。
文字や柄を入れる際、小さいためにプリントできない、作品を見ても読み取れないということがありました。とはいえ、設計上の文字や柄などの大きさはどのぐらいが適当かをCAD上で理解するのは難しく、何か例示をするなりの工夫が必要かもしれません。
モデリングした結果がプリント可能なものかどうかの確認が不十分でした。14名の参加者のうち、数名の方は手を入れないとプリントできない状態でした。断面解析でいくつかの箇所を確認するなどしてできるだけ参加者の方の手で完成させたいです。
フィレットと面取りの使い方のポリシー(私の、プリントするうえでの)が伝わり切らず、フィレットの多用が気になりました。小さい作品ではそれほど変わらないのですが、大きな作品になるとフィレット多用によりプリント表面が汚くなったりします。上級者向けには伝えていきたいことです。
また、アンケートからは工学への興味を持てたという方をお見受けして、目指しているところに少し近づけたかなと思います。アシスタント、サポーターのホスピタリティ、飛び込みでお助けいただいたTommy(@Tomy_cn)さんの働きと、事務局の方々の完璧な準備とサポートのおかげだと思います。
また、Prusa Research様にはプリンタをお貸出しいただき、フィラメントもご提供いただきました。大変ありがとうございました。Prusa Research様のご協力なくして3Dプリントを自分の手で体験するイベントの実施はできなかったと思います。
今回も、良い経験をさせていただきました。自分が普段作らない発想の作品を実現するために、スライス条件の条件を変更したりと勉強させていただきました。
是非継続、発展させたいです。3Dプリンタ、プログラミング、動くものなど発展の方向性は様々です。
ますます、STEAM教育に本腰入れたくなってきました。同志で意欲的な方と、活動を広げていきたいです。
本業は、もちろん!6G・IOWN成功に向けて、動きを加速させていきます!