乾燥しやすい血不足タイプ~鮭とほうれん草の炒め物~
薬膳・中医学では、体を作る大事なものとして、
「気 き」「血 けつ」「水 すい」
の3つがあると言われています。
気は、体を動かす基本的なエネルギー。
血は、体の栄養素。
水は、血以外の体に必要な水分
です。
今日は、血と血不足(血虚・けっきょ)のお話です。
血(けつ)は、体に必要な栄養分。体を潤し、栄養や滋養となります。興奮状態をクールダウンさせる鎮静作用もあります。また血は精神とのつながりも深く、血がたっぷりあることで、穏やかな気持ちや心、思考力、適切な判断ができることにもつながります。血が不足すると、不安感、焦り、情緒不安定、不眠などに繋がることもあります。
薬膳・中医学では、陰陽のバランスを大切にしています。陽気と陰気という言葉は、陽気の方がポジティブで、陰気はなんとなくネガティブな印象を持つかもしれません。しかし、薬膳・中医学では、陰陽どちらも大切と考えます。
体の中で、陽が増えすぎれば、暑い、いらいらする、便秘、目の充血、肩こり、皮膚の乾燥などの症状が現れるかもしれません。陰が増えすぎれば、冷え、やる気が出ない、体がだるおもい、むくみ、疲れやすい、風邪をひきやすいといったサインがでるかもしれません。
自然界で、ずっと晴れの日が続くと、水不足で農作物が育たなくなるように、またずっと大雨だと土砂崩れなどの災害に繋がってしまうように、人間の体も陰と陽のバランスがとても大切なのです。
さて、血(けつ)は、陰陽では陰に属します。
体に大切な血がたっぷりと流れていることが健康に繋がります。血の不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいます。血虚にはこんなサインがあらわれます。
【血虚のサイン】
□髪がパサつく
□皮膚がかさかさ乾燥する
□目がかすみやすい
□不安感がある
□よく眠れない
□爪がもろくなる・つやがない
□眼精疲労になりやすい
□集中力の低下
□手足の痙攣やしびれ
□めまい
□生理の経血量が少ない
血虚におすすめの食材は、
そして、血虚の人は、目を休める時間を意識して作ったり、できるだけ早寝をするように心がけるのも大切です(血は寝ている間に蓄えられます)
【鮭とほうれん草の炒め物】
先日のごはん。
血を補充してくれる食材(ほうれん草、落花生、にんじん)をメインに、気を補充してくれるもの(鮭、ブロッコリー)と巡りを助けてくれるもの(らっきょう)を合わせています。
血虚の人は、気虚も同時になっていることも多いので、気虚におすすめの食材も合わせてとりいれるのもおすすめです。(今回はブロッコリー)そして足りないものを補充したら、巡りをよくする食材(今回はらっきょう)もちょこっと入れてあげるのも、おいしくバランスを整えるコツです☺︎
・鮭…おなかを温めて気血を補充
・ほうれん草…血の補充、目の充血
・にんじん…目のかすみ、脾を元気に
・落花生(薄皮付き)…血の補充、咳
・ブロッコリー…脾を元気に、気の補充、もの忘れ
・らっきょう…気の巡り
血虚のサインがあるかたは、参考にしていただけたら嬉しいです。
(おまけ)
タイトルの写真の植物は当帰(とうき)。根っこの部分を乾燥させたものがが漢方薬にも使われています。血を補充する働きがあり、生理不順や生理痛など婦人科系の不調にもよく使われます。