その日は優しかったおばあちゃん
わたしが植物が好きなのは祖母と父の影響が多大にある
そういうと祖母や父に仲良く幸せに育てられたと想像されるかもしれないけど、現実は大きく違いわたしはとても辛い幼少期、子供時代をを過ごした
生みの母が子供たちを置いて家をでたため、兄弟3人、中でも唯一の女の子だったわたしは母のようになってはならぬ(無責任な人になってはならぬ)、とばかりに極端に厳しく育てられた
バリバリの明治のオンナ(もうこの言葉も全然聞かないね)だった祖母は全てに厳しく箸の上げ下げ等々徹底的に指導、畳の縁を踏もうものなら物差しが飛んでくる、みたいな人だった
自分の好きなことは一切させてもらえず、お友達と遊ぶこともよい顔をされなかった
…多分今の時代なら完全に虐待、、、
そんな厳しくてひたすら怖いおばあちゃんだったけど、1つだけ叱られると思いきや、叱られなかったことがある
あまりの衝撃でとてもよく覚えてる
小学校1年生のとき、朝顔とひまわりの種を祖母と一緒に植えた
なんだかんだ言って、もうその当時から植物は大好きだったので毎日「芽がでたかな?芽はでたかな?」と様子を見ていた
そして!ついに芽がでたの!
とっても嬉しくてワクワクしたんだけど、その中の1つが種の殻をかぶったままで双葉に開けていない
思わずその種の殻を取ろうとしたら!
ぎょっえっ~~~っっっ!!!!!
出たばかりの芽はポキンっ と折れちゃったのでした;∀;)
お、お、お、おばーちゃんに殺されるっ
全てに厳しい祖母は激怒するだろうと怯えまくり、こっそりなかったことにしようかとも思うんだけど、なにせアホだった小学1年生のわたくし、姑息なごまかしも思いつけず正直に祖母に報告したのでした
本気で殺されるんじゃないかと怯え切っていたわたしに祖母は一言
「そうなの、殻を取りたかったのねぇ」と信じられないことにニコニコしたのです
ほっとすると同時にいつも厳しい祖母がなんで怒らなかったのかとても不思議だった
きっと、早く大きくなって欲しいというわたしの願いを、殻がかぶさってかわいそうというわたしの想いを、祖母は汲んでくれたんじゃないかと思うのだ
ま、それ以降もやっぱり祖母は厳しくて怖くてひたすら恐怖の人だったけど朝顔が咲いたりヒマワリが高く伸びたり種をたくさんつけてびっくるするくらいお辞儀をしたりするのを一緒に楽しんだ
そうか、なんだかんだ言って一緒に楽しんでたんだなぁ
亡くなる直前まで大嫌い、というかしんどい存在だったけど、わたしの骨格を作ってくれた人
大事な人だ