モノがもつ力強さ
ガレにいつかはなをいけることができたらなぁ、という願いをもって、何年も何年も十何年も願い続け、日々花をいけるとことに対して精進し続けストイックに暮らしていたところ、チャンスがやってきたのに震災でおじゃんになってしまった
けど、諦めずに日々頑張っていれば、やっぱり願いは叶うときがくる
震災で折れた心も被災した地元の友人が救ってくれた
だから、気持ちを新たに引き締めてガレと向き合うことにした
とはいえ、実物はいける当日までお会いできない
頼りは小さな写真と寸法のが書いてある指示書のみ
指示書の寸法に従ってメジャーで大きさを確認することしかできない
いけばなの展覧会ってこういうことが多々ある
展覧会会場で、器も初めまして、花材も初めまして、で いけるのだ
大きな展覧会でも、前もっての準備が何一つできないのだ、ぶっつけ本番とはこのことだョ、チミ
相当な度胸というか、根性というかなんちゅうかがないとできないことだ
そして、いけこみの日、初めましての、ごたぁ~いめーん!
思わず息を呑んだ
色が違う、大きさがぜんぜん違う
写真では概ね茶色に見えていたのに、実物はグリーンが強かった
そしてなにより、思っていた以上に大きい、巨大なのだ
この草月コレクションコーナーは確か20点くらいあったと記憶しているんだけど、やはり同様にコレクションにいけた方々は口を揃えて
「思っていた以上に器を大きく感じた、巨大に感じた」と言っていた
実寸は間違えていないんだけど、こういった所謂『本物』というものはオーラをプラスして考えなければいけない、ということを知った
わたしはアリウムシユーベルチという花火みたいな植物を枯らしたものと、赤いグロリオサを1本ずつという構成を予定していた
アリウムシユーベルチはお値段が張るので1本、もしやのためにもう1本、つまり2本しか発注していなかった(花材も会場に担当花屋が持ってくる)
グロリオサは見に来てくださった方にお礼にお渡ししようといけるのは1輪だけど、30本くらい発注していたけれど、、、
花器が思っていた以上に存在感が凄すぎて、アリウムシユーベルチ1本、グロリオサ1本だけではどうにもならない
アタマで練っていた構成を変更しなければいけない、時間は限られている
一瞬慌ててしまったけれど、憧れ続けたガレ
気持ちを落ち着けるように、ゆっくりゆっくり上から下まで両手で包み込むように触ってみた
冷たいガラスの感触はなく、温かみを感じた
気持ちが少し落ち着いた
魂込めていける、ってこういうことなんだろうな、という時間だった
オーラをまとっているモノってあるんだね、
そしてそれは本当に強い力をもっている
ホンモノのオーラに触れたこと、素手でガレの花瓶に触れることができたこと、そしてなにより寄り添うという気持ちに明確に気づいたこと、かけがえない経験だ
地道にいけばなをやっていればこういったご褒美がある日はくるのだ