【読書記録】2025年1月
あっという間に2月も下旬になってしまいました。
2月は逃げてくといいますが、本当に凄まじいですね。
今回は1月の読書記録です。
一冊目:佐藤究『テスカトリポカ』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるために日本へ向かった。
川崎で生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモは、バルミロに見いだされ、彼らの犯罪に巻きこまれていく。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつくーー。人間は暴力から逃れられるのか。第165回直木賞受賞作。
不気味な表紙とパッと認識することが出来ない題名(個人的に)が印象的なこちらの小説。
表紙の印象そのままに本編も大体不気味かつグロテスクでした。
面白く読みましたが、読む人を選ぶ作品だよなあ……と。
読了はしたけれど、私はどちらかといえば苦手な方。
とはいえ、好きなシーンもあります。
コシモが師匠のパブロと一緒にカヌーに乗るシーン。
あのシーンだけは殺伐とした世界観に温かみを感じることができました。
この出来事がコシモをバルミロの呪縛から解き放つ一助になったのだと思うと、そのあとの悲しい展開も受け入れられる気がしますが、やっぱりパブロには生きていてほしかったなあ……。
この本を読んで、私はサスペンスや推理小説は好きだけど、犯罪小説が苦手なのだと再確認できました。
吉田修一さんの『犯罪小説集』を読んだときもそう感じたけど、たぶん殺人を犯した人間が警察に捕まらずに終わってしまうのが苦手なんだと思います。
二冊目:米澤穂信『ボトルネック』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
亡くなった恋人を追悼するため、東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅に戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
面白いけど、凄く切ない気持ちになるミステリでした。
自分が生まれなかった別の世界線に入り込んだ主人公の嵯峨野リョウは自分自身の上位互換のような存在の嵯峨野サキに出会います。お互いに嵯峨野家の第二子と生きてきたはずなのにその環境は全く違います。
リョウが自分の存在意義を見失ったあとの結末は、それはそれは切なく悲しいものでした。
三冊目:東野圭吾『禁断の魔術』
あらすじ(文庫本裏表紙より引用)
高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古芝伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある〝企み〟に気づくが……。シリーズ最高傑作!
ガリレオシリーズの長編小説は『容疑者Xの献身』『聖女の救済』『真夏の方程式』そしてこの『禁断の魔術』で4作目。
このシリーズの長編はどれも読み応えがあって大好きです。
草薙と共に事件を解決する度に湯川先生に人間味が増していくように思います。
『禁断の魔術』では湯川の出身高校の現役高校生からのヘルプメールにキチンと応え、その後の事件でもその後輩を守ろうと奔走する姿は初期のころでは考えられないな、と思いました。
中でも、ラストシーンは特に良かったです。
おわりに
1月は3冊の読了でした。
3冊すべて積読からの読了でしたが、本をそこそこ購入しているので結局全体数はほぼ変動なしです。
2月は現時点で3冊読了しています。あと1冊くらい読めるかな……