INFJの就労事情
いつものようにnoteで色々な記事をふらふらと撫でて読ませていただいている際に、ふと目に留まった記事があった。
少し前に私はINFJ-Aであるという内容の記事を書いたのだが、それに関連するものである。
Nari(21)さんの、「INFJの社会人の方へ質問したいことがあります!」という記事だ。
少し前、自身がINFJという診断を受けた時、「いったいこれはどういう特徴のことを言っているのか?」と、色々調べてみたことがあった。
その中でもかなりの頻度で目にした話題が、これ。就労事情に関してである。
INFJは他者との競争が苦手であるため、そもそも就活を得意としない。
更には、完璧主義で自己犠牲的で共感性が高すぎるという側面があるため、いわゆる「社会生活」そのものにあまり向いていないらしいのだ。
そういう前提があり、「INFJに向いている職業は一体何なのか?」というニュアンスで、度々このようなことが話題になるらしかった。
私の経験が役に立つかはわからないが、目に留まったのでお答えしたいと思う。暇つぶし程度にでも読んでいただけると幸いです。
まずは、前提として、就活と労働についての私の所感を述べておく。
私は、実は就職活動そのものは嫌いではない、というか結構好きな方である。というのも、そもそも私の属する業種がやや特殊であり、売り手市場であるということもあって就活に苦い思い出がないのだ。
ぼかして言っても仕方がないのではっきりと言うが、「そこそこどこでも入れた」のが私の就活なのである。
つまり、私にとって就活は「競争」ではなかった。
エントリーシートの作成は、プロフィール帳に記入するときのような「何を書こっかな~」というわくわくで始まり、私にとって採用面接は「新しい人と知り合いになって楽しくお喋りする場」であった。
そしてそれと同時に、自分の書いたこと・話したことに対する相手の反応を見て、「ふうん、こういうのが好きなんだ」「あら、私たち結構気が合うわね」みたいな愉悦をかます茶番イベントでもあったのだ。
心理テストのようなものを受けさせられたり、「なんだその質問?」みたいな質問をぶつけられたり、最初から面接官がこちらを見下して鼻で笑う準備をしていたりしても、私は「オメェ面白ぇなあ~」の精神でいることができた。
何故なら、内定が出ても嫌なら行かなければいいだけの話だし、いくつか内定を蹴ったとしても、それで就職先が全くのゼロになることはないだろうという自信があったからである。
次に、労働についてだが。
率直に言うと、労働は好きではない。例えば、「今すぐ20億円が手に入るとして、それでも仕事を続けるか?」と聞かれれば、答えは「NO」である。
私は自分の職業や仕事ぶりに誇りを持っているし、やりがいも感じているし、仕事自体は好きである。
でも、働くのは、嫌いなのだ。だって、疲れるし、しんどい。
働かなくても生きていけるのなら、そりゃあ働きたくはない。1日中だらだらしたり、散歩をしたりヨガをしたり、映画を観たりゲームをしたりカフェに行ったりカラオケに行ったりして毎日を過ごしたい。
そうして生活できるのであれば、それに越したことはないと思っている。
さて、それでは、前置きが長くなってしまったが、引用元の記事内の質問に答えていきたいと思う。
質問① 現在、どんなお仕事をしていますか?そのお仕事とどのように出会いましたか?
これに関しては、今まで記事で明言したことはなかった。
でも、私が書いた記事を全て繋ぎ合わせて考えると(そんなことをする人はいないと思うけど)完全にわかることなので、もう書きます。
私は薬剤師をしています。
私は中学生の頃、「就職に有利で、かつ給料も悪くなくて、産休育休からの復帰がスムーズにできる職業に就くための資格を取りたい!」と考え、医療系の高校に進学し、そのまま薬学系の大学に進学し、ストレートで国家資格の取得に至った。
すなわち、「薬剤師になりたい」と思ったことは別に1度もなかった。「確かな資格が欲しい」というただそれだけだったのだ。
私が中学生の頃は、薬剤師というのは今よりももっと売り手市場であった。
関連法律の改定だとかのあれやこれやもあり、多くの企業が「人手が足りない!」と言っているような状態だったのだ。
そして、その時ほどではないにしろ、今もまだ売り手市場であることに変わりはない。資格さえ取ってしまえば、あとは大企業でも地元企業でも、都会でも田舎でも、全国どこへ行っても働き口がある。
おまけに、一般的な職業に比べると、お給料がかなり良い方なのだ。
薬剤師は資格を取るのが大変だけど、働き始めたら座っているだけで大金が貰える仕事、みたいなふうに言われている時代もあった。今でもそういうふうに思っている人は少なくないと思う。
私も中学生の頃はどちらかというとそれに近いイメージを持っていて、勉強が苦手ではなかった私にとっては「そんなの最高じゃん!」という形だったのである。
ご存じかもしれないが、実際の薬剤師は、そんな生温い職業ではない。
もちろん職場の雰囲気は会社にもよるだろうが、自身の行動ひとつ、言葉ひとつで最悪人が死に至る可能性のある職業だ。
日々の勉強は当然のこととして、「必要な情報をぬかりなく収集し、正しく処理・整理できること」「誤解が生じないよう、正しく知識の伝達を行えること」が最低限必要のスキルでなのある。
更に言うならば「自分の専門分野以外の分野に関する相談(ここでは食事や運動や介護などに関すること)に対しても、臨機応変に対応できる検索能力・解決能力」と、「嫌味なく自然に、積極的にそれを実行できる奉仕精神」のようなものが必要とされる。
加えて、接する人を最低限不快にさせない、そして相手に安心を与えたり笑顔を与えたりするコミュニケーション能力も、人と関わる職業である以上無視はできない能力となる。
そう考えると、競争が苦手で、完璧主義で、奉仕精神が豊富なINFJにはぴったりの職業なのかもしれないなあと今思った。
確固たる正解のある分野(科学)とない分野(接客対応)で理想を追い求めて、人々に知識や啓発を与え、人生におけるトゲトゲした困難を、自分の手で振り払う。そうして、人に尽くす。
かなりINFJっぽい気がする。
念のためもう一度言うが、私は別に薬剤師という職業に憧れてなったわけではないのだが。今考えると、向いていたのかもしれない。
質問② 現在のお仕事は、自分に合っていると思いますか?また他にやってみたいお仕事がある場合、どんなものは自分に合っていて、どんなものは合っていないと感じましたか?
すぐ上で述べたが、おそらく、自分に合っているのだと思う。
人と競争する必要のない職業だし、ただ目の前の人に全力で尽くすことが求められるし、私はそういう働き方が苦手ではないと思う。
なので、他にやってみたい職業、合っていそうな職業もそれに準ずるものになるかもしれない。
やってみたい職業は、こうやってだらだらと長い文章を書いていることから想像がつくかもしれないが、小説家だ。翻訳家に憧れていたこともあった。
あとは、画家だとか、陶芸家だとか、歌手だとか、そういう芸術分野の職業。
これは「市場で勝たなければならない」という意味では競争なのかもしれないが、どのみち自分の能力以上のものは生み出せないので、「目の前の作品に全力で尽くすこと」が生業なのではないかと思う。
もちろん、市場に合わせて作品を変える作り手がいることも知っているし、それは純粋にめちゃくちゃすごいことだとは思う。
合わない職業は、なんだろうな。
スポーツ競技などの勝負の世界だろうか?負けることでも、負かすことでもメンタルがやられるような気がする。
あとは、なんだろう?
人を陥れるような仕事とか?詐欺師みたいな。もしくは、それに準ずるような、立場の弱い人を利用して利益を得るような職種とかかな。
具体的な職業名は挙げないけど、あるでしょ、そういうの。そういう職種で、不平等や理不尽を見逃して働くのは、私には絶対にできないと思う。ストレスで死んでしまう。
ちなみにだが、「令和の今、もし自分が就活生だったとしたら」そして「就活時点で特別な資格を持っていないとしたら」、私はIT関連の業種を選ぶと思う。
SEだとか、ウェブデザイナーだとか、そういうやつだ。
これなら今からでも資格取得を狙えるし、独学で何とかなるし、時世にも沿っているしお給料も悪くなさそうだ。
誰かと勝負することもないし、プログラミングの世界で正確さと美しさを追求することは、なかなか楽しそうに思える。
質問③ 就活生の時に、苦労などはありましたか?具体的に何が辛かったなどあれば、知りたいです。
これはおおよそ前述してしまった。あまり苦労や辛いことはなかった。
強いて言うなら圧迫面接のようなものを受けたことがあったが、「やーいやーいばーかばーか」と思ってそれで終わったので、苦労とまでは言えないだろう。
なので、引用元の記事で記載があった、「嘘をつきたくない」という部分に少し触れたいと思う。
私はどちらかと言うと「嘘も方便」だと思うタイプではあるが、就活だったり、それに似たような場面(円滑なコミュニケーションのために、自身の優れた人となりをそれとなく提示しておかなければならない場面)において、嘘を吐くことは評価を受けるために必須のことではないように思う。
もし、「嘘をつかないと自身の優れている部分を提示できない」ということであるならば、それは純粋に自己肯定感の問題ではないだろうか?
例えば私は、作業において「私が一番上手にできるんだから黙って従いやがれ」と他人に対して思うことがたまにあるが、それは「理想が高く、それを叶えるために努力を惜しまない」という長所であるとも言える。
あるいは、自分の部屋がとっ散らかっていてもあまり気にならないという自分に甘い適当人間なのだが、それは「無理をせず、今自分にできることを常に考え、できる範囲で全力で頑張ることができる」とも言える。
まあこれを「嘘ではないよ、嘘ではないから」という詭弁と捉えるかどうかは人によるだろうけれど、私にとってはこれは全然嘘ではない。
詭弁というのは、言い換えればポジティブだ。「何事にも良い面を見出し、暗くなりすぎず前向きな考えを持つことができます」という長所なのだ。
物は言いようですね、本当に。実は詐欺師向いてるんじゃないのか。
そんな感じで、私は自分を耳あたりの良い言葉で紹介することを「嘘」であるとは思わないし、そしてそれは就活以外の、友人関係や恋愛などにおいても必要とされるコミュニケーション能力の一環であると思っている。
「私なんて・・・」みたいな雰囲気の人とずっと一緒にいるのはしんどい。もちろん、そういう人と一緒に働くのも、多分しんどい。
なんとなく前向きで自信がありそうで上機嫌っぽい人の方が、魅力的で素敵な人間に見えるのではないだろうか。
とはいえ、面接官によっては、ポジティブな志願者を「なんだこいつ堂々としやがって生意気な」と感じる人もいるだろうから、相性の問題もある。
だから、嘘を吐いてまで競争して合格をもぎ取りに行く、というよりは、「相性のいい人を探そう」「こんな感じの私の話を笑ってくれる人に会いに行こう」というのが就活のスタンスとして良いのではないだろうか。
随分長くなってしまったが、私から出てくる回答はこんなところだろうか。
引用元の記事の筆者であるNari(21)様は、文章からも真面目で頭が良く、物事の機微に敏感であるのが感じ取れる。
なので、「自分1人で生活できる程度のお金を稼ぐ能力がきちんと備わっているのだろうか」という問いに対して、私は「十分備わっているように見える」とお答えしたい。
いわゆるINFJが持つ生きづらさのようなものは一生なくなりはしないと思うし、人生の中でかなりの割合を占める「労働時間」においてその生きづらさを致命的に感じることもあるかもしれない。
でも、実は、INFJが思うほども世界は複雑ではないんじゃないかとも思う。
だからといって、「もっと単純に考えなよ!」と言われてできるものでもない。それは重々承知している。
けれど、だからこそ、「自分と他人の中にオモロを見つける旅」みたいな気軽なテンションで生きていくのもいいんじゃないかと言いたい。
多分、INFJは、好きでしょう?人間が。
そんなわけで、参考になるかどうかは本当に微妙だと思いますけれども、誰かの何かのお役に立てば幸いです。
ではでは、今回はこのへんで。
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