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海と林と生物のライブセッションを聴きながら

曇り空の下、波の音を聞きながら、ホトトギスやらカナブンやら、いろんな鳥と虫たちがそれぞれ自由に音を奏でている土曜日の午後。鳴き声だけではなく羽が羽ばたく音なんかも聞こえる。草木の揺れる音もさりげない。たまに船のエンジン音や犬の鳴き声が人との距離を感じさせる。

自分の感性がもっと研ぎ澄まされていくと、さらに色んな音が聞こえそうだけど、とんぼが何匹も飛び回っているのに、どんな音を奏でているのか私には聞こえない。

自由にそれぞれが音を奏でているのに、全体的に絶妙なハーモニー。それぞれが自由に生きて自分を発揮していると人間界も本来は調和するものなのかもしれない。

私は、定期的に自分の心の状態を意識的にチェックするようにしている。何か今日の空みたいに曇っている時やら、これ以上ないぐらいエネルギーが充満している時やら、何だか硬くなっているような時やら、もやもやしている時やら、一見変わりがない日々だとしてもその時々で、色々な感覚を通じて心の状態が変わるのに気づく。

その時々の状態は、良い悪いではなくただ観察するのが大切だと思う。だけど、もやもやしていたり、硬くなっている時はその背景にあるものをあれこれ考えて、失敗したと思ったり、伝えたいことが伝わらないことにイラついたり、言わなきゃ良かったと後悔したり、何かに囚われ出す時がある。そうなると自分のせいにしたり、他人のせいにしたりとそこから逃げるために、悪いスパイラルに落ちる時がある。

その状態が長く続くと、私はこれは何かを変えるサインだと思っている。何かを変えたいと時は、環境を変えるのが最も効果がある。というわけで、旅行に行ったり、会社を辞めたり、新しい勉強を初めたりと様々なやり方で、環境を変えてきた。

自分でコントロールできることは高が知れているが、環境を変えるという意思決定と行動はやろうと思えば誰でもできる。環境を変える手っ取り早い手段として、自然の中に身を置くといいと思う。以前とても気に入った本で「ネイチャーフィックス」というのがある。ぜひお勧めしたい一冊。

自然の中に身を置くとなんとなく気分がスッキリする、気持ちよくなる、など感覚的にはあると思うけど、科学的にも脳を活性化することが実証されて心身共に健康になるというのがこの本の内容。街の公園で、15分〜45分散歩するもよし、森の中で1ヶ月に5時間ほど過ごすとさらに効果が上がるようだ。

その本の中に、提言されているネイチャーピラミッドがある。どのくらいの頻度で自然と接触するのが良いのか、わかりやすい目安となっている。

①まずは毎日観葉植物と触れたり、庭に出たりする。
②そして毎週緑豊かな公園に行ったり、川でのんびりする。
③毎月森林浴や、ハイキングに出かける。
④毎年大自然に畏敬の念を抱く

これをルーティンでまわしていくとかなり心身共に健康になりそうだ。

縁あって、C.W.ニコルさんが立ち上げた「アファンの森」に行ったことがある。長野県の黒姫あたりのかなり広い森。森は人間の手を入れることによって蘇える。ふくろうがその森に住んでいるのだけど、子供たちが巣立っていくと半径50Mから外で独り立ちする必要があるようだ。自然の掟。イギリス人が日本に帰化して日本の森を守り、蘇えさせる、その強い意志で行動したニコルさんは本当に素晴らしいと思う。

ということで、自然に身を置いて五感を鍛えて、脳を活性化することを習慣化する人が増えていくと、社会全体のストレスレベルが下がりそうに感じた。


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