【競馬】春のグランプリを上回る熱量で/6月27日(日)の見どころ:宝塚記念・新馬戦ほか
宝塚記念というのは年によってメンバー構成が大きく異なる印象がある。「春のグランプリ」の名に相応しい豪華な顔ぶれになることもあれば、夏の入り口に有力馬が無理をしないことで手薄なメンバーになることもしばしば。近年でいえば、マリアライトが勝った16年なんかはドゥラメンテやキタサンブラックも参戦し盛り上がったが、今年は間違いなく後者の方といえる。
連覇を目指すクロノジェネシスこそ健在だが、三冠馬コントレイルは大阪杯の疲れが抜けずに回避。同期の三冠牝馬デアリングタクトも香港遠征後に故障を発生してしまった。それによって女王に挑む新勢力は大阪杯の勝ち馬レイパパレくらいということに。
無敗のレイパパレがどこまで通用するかがポイントになるが、この馬の武器であるスピードを活かした消耗戦を挑むとクロノジェネシスの思うツボになってしまうのが皮肉なところ。今回の勝つシナリオは、ユニコーンライオンあたりを行かせて後ろの動きをうまく封じながら、瞬発力勝負に持ち込む形か。とはいえクロノジェネシスはキレでも決して見劣りしない強さがある。状態面さえまともなら、連覇の可能性は高いのだが..
状態面さえまともなら。
初の海外帰りでいつもとは少し勝手が違う臨戦過程で、鞍上も主戦の北村友一が落馬負傷で乗り替わりとなるだけに、思わぬ落とし穴が待ち受けていても不思議ではない。ただ、「絶対に危ない」と断言できるまでには至らず、これはもう静かに勝負の行方を見守るしかないと思っている。
カレンブーケドールは今回も無難にまとめられるだろうし、アリストテレスも2200mならより力を発揮できそう。キセキも暴走癖はしばらく影を潜めており、過去2年続けて2着の舞台なら。モズベッロも雨の振り方次第ではまた波乱を巻き起こしてもおかしくない。
案外このあたりの伏兵陣が上位を独占して「3連複こんなについたの!」みたいな結末になりそうな気もしているが、そんな薄い根拠で馬券を買っても仕方がないのでROMしておきますね。
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宝塚記念と同等かそれ以上に楽しみにしているのが阪神5R。良血馬が多数揃い「伝説の新馬戦」になるかもしれないと言われている一戦で、先日からこのブログでも出走馬を何頭か取り上げてきた。
めんどくさいので先日twitterで書いた追い切り短評をそのまま貼り付けておくw レッドベルアームはPOGで指名している贔屓目を抜きにしてもいい動き。まだまだ仕上がり途上なのは間違いないが、それでも現時点で勝ち負けに持ち込めるだけの状態にあると見ている。
もう一頭のPOG指名馬ダノンフォーナインは不安の方が大きい。直前追いの坂路は2歳一番時計らしいが終いは失速気味。アリストテレスについて行けなかった一週前も含め、もう少しラストの伸びが欲しかった。実戦でガラッと変わるところが見たい。
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正直、これまで十分に強さを見せつけられてきたクロノジェネシスよりも未知の魅力あふれる新馬戦の方が楽しみ。グランプリをも上回る熱量で、若き逸材たちの走りを見届けたい。