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あたしの家のはなし(5)

さて、こうやって書きつつ、決してマイナスな方向へいきたいわけではない。
むしろ、そっちに引っ張ろうとする力をうまくかわして明るく元気でいたいと思う。

相続と言うのはとても不公平で、黙ってこっそり上手くやった人の大きな声の主張が通る。
そもそも、普通の人間はそこまで考えないから、周到な人には到底敵わない。

父は何年か入院したりしながら、母と同じ歳の2月に、母は8月に亡くなった。

姉夫婦は父が亡くなったあと、母の生活を監視するような勢いで関わり、身内の誰にも言わず、母に印鑑を押させ、亡くなる2ヶ月前に養子縁組をしていた。

あたしがそれを知ったのは、母が最後の入院をした病院へ行って、あと少しだと余命を告げられた日に、母の口から初めて聞き、母はすまないと涙を流していた。
ですが、残念ながらその悪意を証明する方法はとても思いつかない。

世の中には想像もしないことが起きる。
ニュースのドンファンの結婚は3ヶ月前だが、養子縁組は2ヶ月前、そんな人間とどうやったらまともに話ができるのか、わたしはその技術を持ち合わせていない。

きょうもただただ、普通に暮らすのです。

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