きっと心に残る、濃縮された苦痛。LISA: The Painful【Steam】
こんばんは、ハザマシジマです。今回はSteam上のゲーム、LISA :The Painfulについて紹介していきます。
注意事項
LISA :The Painfulは17歳以上対象のゲームです。暴力的な内容、性的な内容が含まれています。また、話の大筋が非常に悲惨で、重い殴打を心に受ける可能性があります。お楽しみください。
そもそもLISAというゲームとは?
LISA: The Painfulを語る前に、まずこちらを説明していきます。
LISAとは、Austin Joegensenさんが制作された、三部作のゲームです。英語で作られています。
一作目がLISA: The First、二作目がこれから語るLISA: The Painful、三作目がLISA: The Joyful。
以下、各作品を指して、「First」「Painful」「Joyful」と呼称します。
一作目のFirst。ある男に「部屋から出るな」と脅される、主人公の少女(画面中央)。彼女を操作し、彼女自身の精神世界を探索するゲームです。
二作目のPainful。画面中央に見える、自転車運転中の男性が主人公です。Firstとは打って変わって、女性が消えて荒廃した世界が冒険の舞台です。全員消えたはずがたった一人残っていた、人類最後の女性。彼女を追って、笑いあり涙あり惨殺ありの道中が繰り広げられます。
ところで何故わざわざ二作品目を紹介するのかというと、三作中ボリュームが一番多いのがPainfulだからです。
三作目のJoyful。Painfulの続編です。画面中央の主人公を操作し、幾多の人間と異形を引き裂きましょう。引き裂き続けた果てにあるのは、未来か空虚か。
LISA :The Painfulの一番の魅力、重々しい苦痛
Painfulの魅力は多数ありますが、最も重要な要素は「苦痛」です。タイトルのpainful(痛々しい)の通り。
非常に苦痛に溢れたストーリーが、ドット絵の愛嬌あるグラフィックから放たれます。
心まで荒廃しきった男たちが、主人公とプレイヤーの心を粉砕せんと、毒牙を向いてやってきます。不意打ち、人質、虐待父。飛び交う悪意は無限大。
とことん苦痛を味わい尽くしたいなら、攻略情報を仕入れずに、ペインモード(より難しい方)を選びましょう。更に、主人公に感情移入しながらプレイすれば完璧です。
「ここまで苦しんだのだから、救われてほしい…」と祈りながら前に進み続ければ、きっと想像以上の苦痛を楽しめますよ。
私も5年前に初めてプレイした際には「そろそろギブアップ…」と思うくらいの苦痛を受けた上で、更なる苦痛を注がれて、この上なく満悦いたしました。
苦痛を引き立てる、ゲームシステム
そしてストーリーと手を組んで、心をじわじわと削りにかかるのが、ゲームシステム。
ストーリーがシビアなら、戦闘もシビアです。
戦闘システムとしては、キャラクターのHPが0になると戦闘不能になります。この場合は回復すれば復活します。が、それとは別に、特定の技を受けると、戦闘中に仲間が死亡する場合があります。死亡した仲間は、二度と蘇りません。
ストーリー中のイベントでも、戦闘中でも、仲間が次々犠牲になってゆきます。命の軽さに慄いてゆきましょう。
さらに戦闘を行わない、探索中ですら気が抜けません。
Painful中では、切り立った崖が数多く出現します。高い位置から地面に落下すれば、主人公と仲間達が負傷します。更に、地面の無い奈落へと落ちてしまえば、即刻ゲームオーバー。
場所によっては、エリア移動したすぐ先に奈落行きの崖があったり、高く高く登って移動する場合もあったりします。
ギリギリの移動。一回だけなら、一瞬肝ががきゅっと締められるだけ。しかし長く続けばどうでしょう。じわじわと精神を削られること請け合いです。
また、道を歩いているうちに急に襲われた、寝ている間に襲われた…なんてことも。度重なる不意打ちからも、精神を削られてみましょう。
奇妙でクール、そして作り込まれた細部
Painful中のBGM、およびグラフィックも良いですね。
BGMは最初に聴いたときはとにかく珍妙な感覚を受けますが、聞いているうちにだんだん癖になってきます。
Painful本編に使用されている曲の一つして、こちらをどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=ckZlj2p8W9M
グラフィックも、ドットで細かく描かれています。こちらはPainful中に登場するとある島です。
ご覧ください、この汚さ。汚いものが汚く見えるのは、汚れや錆、ゴミを、一つ一つ細かく描いてこそ。
更にPainfulでは、ほんの一瞬登場するキャラクターですら、一人一人それぞれの姿と名前が作られています。
大筋のストーリーに関わりのないキャラクターにも、それこそ一瞬出て殺してしまう敵ですら、それぞれの個性があります。彼ら一人一人が、世紀末を謳歌していたり、くすぶっていたりします。時には変な男もいたり、平凡な男もいたり。
細かい作り込みに目を向けるのも楽しいですよ。気になった方はArt Collectionもご覧ください。
終わりに:英語ゲームとしては言語の面で易しい造り
LISAは英語のゲームです。が、テキストで内容を全て読ませてくれる上に、殆どの台詞がボタンを押すまで読み続けられるので、自力で訳す余裕もあります。ただしスラングが多いので、その点はご注意を。
「言語が英語だから」という理由で迷われている場合は、初めての英語のゲームとしても強くお勧めします。私自身も、LISAが初めてプレイした英語のゲームでした。
更に今では、日本語化MODもあります。日本語でプレイしたい場合は使用されることをお勧めします。
私もMOD制作に関わっており、数年前にMOD紹介記事を書いたので、そちらをここに掲載します。
ここで本記事を締めさせていただきます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ご反応をいただけると励みになります。
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