『完本ジャコメッティ手帖』Ⅰ & Ⅱの読書感想文(埴輪メモ)
(「Ⅰ」p44欄外注)
1『日本の彫刻 Ⅰ 上古時代』1952年,美術出版社.矢内原はこれを含む『日本の彫刻』シリーズをジャコメッティに贈り,ジャコメッティもその表紙に仏像のコピーをデッサンして研究している。
埴子覚書:表紙は埴輪。中にも埴輪。
(「Ⅱ」p200)
Europeaniser[欧化すること]
ハニワ[埴輪]
(「Ⅱ」p213)
Lui[彼]:ドノ文明デモ昔ノモノホドヨイ,c'est curieux[これは不思議なことだ].日本ノ彫刻デ一番スグレテイルニハprimitif[原始的]ナモノダロウ(埴輪).Égypte[エジプト]デモGrèce[ギリシャ]デモ最モスグレテイルモノハ,ソノ時代ノ最初ニアル.近代ノ絵画のpremier[最初のもの]ハVan Eyck[ファン・エイク]ダ.コウシテ見ルト,美術ノ歩ミハprogres[進歩]ノcontraire[逆]ノヨウニ思ワレル.
(「Ⅱ」p432)
Diegoノ彫刻,
[G:]resemblance[似ていること]トforme inventèe[つくり出された形], caractrére[特徴]ヲツカム力トinvention[創作]の力.l’art nègre[黒人芸術],ソノ他,les masques[仮面]ハスベテソウダ.日本ノterre cuite primitive[古墳時代のテラコッタ]モソウダロウ.Picasso[ピカソ]ガソウダ.ダカラ彼ハ何デモ作レル.Vraiment fini[まさしく仕上げたもの].自分ハ全然ソウデハナイ.自分ニハ個人的ナcaractréreハ目ニ入ラナイ.Maeghtヲ見テモ,君ヲ見テモ同ジダ.ソシテpas fini[終わりがない].スベテノ彫刻ハ,Diegoノヨウナ彫刻ト自分ノヨウナ彫刻トノ間ニアル.コノ二ツガ彫刻ノ二ツノ根幹ダ.
埴子覚書:『日本ノterre cuite primitive[古墳時代のテラコッタ]』というのはおそらく埴輪、特に人物や動物の埴輪のことを言っていると思われる。
ジャコメッティは、『日本の彫刻 Ⅰ 上古時代』の写真以外で、埴輪を見たことがあっただろうか。
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『完本ジャコメッティ手帖 Ⅰ』2010年3月10日発行
『完本ジャコメッティ手帖 Ⅱ』2010年6月10日発行
著者/矢内原 伊作
出版社/みすず書房
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以上、『埴輪のとなり』掲載のページを修正し再掲しました。
好きというより気になるのがジャコメッティ。
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