自転車旅の良さは少しずつ変わる風景が見えること
パナイ島北の玄関口はカティクラン港だ
私は近くのボラカイ島から戻ってきてから東に向けて走り始めた
霧雨が降り始め嫌な天気だったが少しでも前に進みたいと考えた
朝から何も食べていなかったので
食堂に立ち寄り腹ごしらえした
その後しばらく走って途中のパン屋さんで
おやつに食べる菓子パンを買った
フィリピンにはこんなパン屋さんがどこにでもあってしかも気軽に買える値段で重宝する
その日はすっかり暗くなってから予定地のカリボの街に到着した
毎年1月にアティアティハン祭で知られるそうだが残念ながら泊まるだけで特に観光もしなかった
ただ宿の近くで食べた屋台店のお粥
フィリピンではGotoと言うが中に豚のレバーが入っているお粥だった
生姜も効いていてとても美味しかった
食べ物は後々土地の記憶と重なって
良い思い出となるだろう
翌日は天気も良く順調に進んだ
走っていると家々の屋根にミンドロ島との違いに気がついた
天然素材で落ち着いた姿の屋根なのだ
昼食を食べるために町外れのそんな屋根を持つ食堂に入った
周囲は田圃である
壁はなく風通しが良い
こんな家自分にも欲しいなと思った
主人も食堂を建てるならこんなふうにと考えたのだろうか
伝統建築はどこの国に行っても土地の風土に合っているし美しい
途中ティナゴ湖の横を通った
入り組んだ入江のような地形で日本で言うと島根県の宍道湖のような所だ
街道沿いには岩牡蠣を売る店がたくさん出ており
テーブルの上に秤を置いて商売していた
食べたかったのだが調理する道具もなく食べさせるレストランもなかったので残念ながら通過するだけだった
夕方にはDumaraoという町に宿を取った
綺麗なホテルであったが部屋の窓の外側半分はギリギリまでコンクリートの壁だったのには驚いた
それもガラス窓から10センチしかない
どうやらフィリピンでは建築に対する法律はかなり貧弱なのかもしれないと思った
翌日も天気は良く牧歌的な風景の内陸部でアップダウンもなく順調に進んだのだが
さすがに日中は暑く午後は街の中に公園を見つけしばらく昼寝を決め込んだ
休みたい時には休んでマイペースマイペース
イロイロシティは近い