黒猫のタンゴ
♪僕の恋人は、、、、<後略>
フレーズが直ぐに思い浮かぶ人、「任せなさいッ!」<後略>部分をスラスラ諳んじる帰途にできる人=昭和40年代前半の幼児。わたしと同世代であろう。何を隠そう、愛唱歌。わたしの一番最初の愛唱歌だ。
皆川おさむ(当時7歳、小学1年生)が歌って大ヒットしたこの曲は、記憶の限り、当時の歌謡界の3本柱。「恋の季節」(byピンキーとキラーズ)「老人と子供のポルカ」(by左卜全とひまわりキティーズ)と共に、人気を分かち合っていた。「365歩のマーチ」(by水前寺清子)とか「雨」(by三善英史)とか、他にもいろいろあったけど、前述3本柱。特に我が最初の愛唱歌は、多くの人々の興味を魅(ひ)き、表現力、言葉の面白味をもたせ掛けたはずだ。
黒猫(クロネコヤマトではない)。単なるペット。色の黒い猫を「恋人」に見立て、「僕の心を悩ませる」。時々、爪を立てるからだそうである。赤いリボンが良く似合うよと褒めると同時に、「だけど」時々云々と、悩める心を打ち明ける。正直、歌詞にしているのだ。
「面白い」4歳だったわたしは、狂った。陶酔した。ぐちゃぐちゃになっり、酔いしれた。表現力。「~みたい」単なる動物、ペットとの関係をここまで巧く表現しているものもあるまい。
ずっと後。たまたまつけたテレビに、大人となった皆川さんが「~タンゴ」を歌った姿にはビックリした。丸顔、顎髭、口髭、つなぎのジーンズと、まるで「森のくまさん」だ。変われば変わるものである。