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白髪撲滅作戦は終了しました。
髪を濡らすと、キラリと光るものが。
白髪がある。
黒髪に混ざって、ちらちらと反射している。またお前か。
会社のお手洗いとか、家にある鏡台の前でよく見つけて、「あ〜いるな〜」とブルーになる。ホワイトじゃなくてブルー。
旦那は全然目立たないので気にするなと言うが、私にはよく見えるのだ。
高校生くらいの時から白髪があることは認識していた。
ただ、その時はたまに一本見つけるくらいだったし、若白髪は天才だと茶化されて、「自分天才らしい」とちょっと誇らしかったりもした。
ある種の『四葉のクローバー』的な立ち位置だった白髪。(それは言い過ぎか)
今は見つけるとため息が出てしまう。そのくらいに数が増えてしまった。
白髪の増殖で老いをダイレクトに感じて結構落ち込んでいたのだが、これで何もせずに諦めると言うのは性に合わない。
迫り来る結婚式もあり、しばらく前まで白髪撲滅作戦を敢行していた。
旦那は私の白髪を見つけるのが上手い。目立つものは手当たり次第抜いてもらった。
次々と私の掌の上にはらはら落ちてくる白髪たちをみて、自分が見ていた白髪など氷山の一角だと驚愕した。
毛根だけに、根絶やしにしてやるという気持ちにもなったが、調べたら白髪の子は白髪らしい。つまり、白髪が生えていたところには白髪しか生えない。
イタチごっこというタチの悪さが悲しい。
ただ、いくら白髪のプロハンターである旦那といえど、無数の白髪を探すのは骨が折れる話である。それに物理的にもきれいさっぱり無くすのも不可能だ。
染めてしまおうにも、就活生でもないのに黒染めするのもなんか悔しい。
洗いざらい美容師さんに相談してみても、「全然目立たないですよ〜〜!」という一点張りで黒染めは不要と言う。
気を遣っているのか本心なのか全く分からないが、髪が痛むのが嫌で黒染めは見送った。
肝心の結婚式に向けては、目につく白髪をとりあえず処理。
それでも目立つ白髪についてはヘアセットのお姉さんが「沈めときますね〜〜」というちょっと不穏な一言と共にカバーしてくれて、当日はほぼ分からなかったと思う。
これはもう、父方の祖母の遺伝だなあと半ば諦めた。祖母は、晩年本当に綺麗な白髪だったのだ。
一点の曇りない、真っ白な白髪。
自分にもその素質があるのかもしれない。
それを思い出して、泡立てたシャンプーで真っ白にしてみたが、まあどうなんだろう。悪くないのかもしれないし、率直によく分からなかった。
自分も祖母譲りで色白だし、結婚式の白無垢も好評だったので白との親和性は悪くない気がするけども。
鏡とひとしきり睨めっこして、シャンプーを流すと黒髪が戻ってきた。
私を悩ませる白髪を、いつか美しいと思えるだろうか。
キラリと光る白髪が見ている。
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書く部のお題『髪を洗っている時に考えていること』を拝借しました。(ちょっとずれてるかも)