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すべつな~春は摘み草、夏はお茶会(私のお気に入りの・・編)
暦の上では既にセプテンバー。
たしかに春とか夏とかいうタイトルの記事もいい加減どうだろうかと思われそうではあるが、しかし暫し待たれよ。
九月と言えども、まだまだ暑さも力を残しているはず。
前にも書いているが、日々朝晩の気温差が激しくなる季節の変わり目こそが体調を気にかけるべき時期ともいえる。
油断せず冷やし過ぎず、夏から引き続き実りの秋へと、各人養生していただきたいと願うのだ。
九月といえば、そろそろヨモギの花の季節だ。
ヨモギは春の新芽が旬で、餅に入れて食べたりするイメージが強い。しかしそれは食用としてのヨモギの一面である。薬用として利用するのであればむしろ夏から秋。花の咲く直前が最も薬効が高くなると聞く。
ということで件のヨモギ茶をこっそりご紹介。
よろしければ是非、お試しあれ。
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摘み草
さかのぼること四月ほど前。季節はまだ春の候。
私は、待ちに待った摘み草へと赴いた。とある場所に。
そこは、かつて私が農業の問題について考え始めた頃、あれこれ教えてもらっていた方が移り住んでいる地。
当時その方が耕作していた畑は、無施肥無防除(無機有機を問わず農薬や肥料を使わない)に転換して5年程の、まだ道半ばといった土壌具合で、良い状態の場所とそうでない場所が混在した畑だった。
その後その方は諸事情により現在の地に移り、その地で再び同じ土づくりを始め現在に至る。
私が最後にその場所を訪れてから5年以上経つが、もしその一帯の作物が今も元気で美味しく育っているのなら、それは正に私が考える理想の健康像である。
つまり本来の機能が健全であれば、薬も肥料も使わなくとも健康に育つ道があるということ。そして植物に可能なら人間にもそういう道があるということ。
数年ぶりに訪れたその場所は穏やかで、植物たちは更に繁栄していた。
畑に植わった作物は予想以上に揃って成長していたし、耕作地の外に生えた草たちは生き生きして生命力に満ち、とても気持ちのいい場所になっていた。
私はその日、思う存分摘み草を堪能。
念願のヨモギ・スギナ・ドクダミに加え、柿とビワの葉っぱも少々頂戴した。もっと色々な草が生えていたが自分の知識と作業量が追い付かず、今回はここまでとした。
摘み草は楽しい。しかしどこでも出来るわけではない。
もちろん人様の敷地で勝手に摘んではいけないし、摘める場所であってもそこが安全とは限らないからだ。
そして、持ち帰ってからの選別・洗い・乾燥加工の工程がまた一日では終わらず大変だった。
その後、ヨモギは草餅に、スギナ・ドクダミ・ビワの葉は焼酎漬けになり、柿の葉だけは何とかお茶に加工。買ったものよりはおいしくできた。(気がする)
他のお茶も作ろうとは思っていたが、結局時間と手間がかかってしまい全て作ることが出来なかった。
まあ良い。お茶はまた、美味しいのを買って飲むことにしよう。
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摘み草ができる場所。
それは安全で穏やかで気持ちの良い場所。
そんなお気に入りの場所がもっと増えますように。
そういう環境を育てることも、きっと我ら人間が健やかに生きていくことに繋がっていくはずだから。<つづく>