不妊治療と無麻酔による採卵術での失神
一回目の採卵では意識消失しました。
最初に通っていたクリニックでは、基本無麻酔による採卵術を行うことになっていて、麻酔ありだと部分麻酔じゃなくて眠るタイプの麻酔でやることになる仕組みだった。
先に無麻酔で採卵を経験した人には
「ちょっとグリグリって感じの痛みはあるけど、別に強い生理痛くらいだよ」と言われていて、完全に舐めていた。
いやもう、めちゃくちゃに痛い。
結局、私は採卵術中に意識消失してブラックアウト。
車いすで運ばれて安静処置となったのでした。
意識朦朧とする中、「こんなに細くて、この子は持ちこたえる体力がない…」と看護師さんが話しているのが聞こえました。
そんなの、一番自分が分かっている。
高刺激法の投薬に、全然身体がついていかなくて、
脂汗かいて、頭を締め付けられる頭痛の中、瞼の裏にはチカチカ閃光が走って、それでも薬を続けて、毎日仕事に行って、
「どうして、どうして…(私、何か悪いことしたか?)」
と頭によぎる。
結局、妊娠がどうにもしづらい事実を突きつけられて、でも、それは私じゃなくて夫側に理由があって。
初めの二年間、私は「どうして、私がこんな目に遭わないといけないのか?」という被害者意識を持っていた気がします。
「子どもが欲しい」という気持ちも、「それには、高度生殖医療しかない」という思いと、「それには、時間もお金もかかる」という事実と、「じゃあ、仕事は何としても続けなくちゃ」という”ねばべき”とを、全部一緒に自分の心に投入して、
ずっと苦しんでいたなぁ。
だからね、なんか山場を越えるたび・・・山場と言っても、治療が一段落つくタイミング。採卵ができなかったとか、移植の結果ダメだったとか・・・、私は夫にお願いして、居酒屋でめちゃくちゃに飲みまくっていた。
店主さんに「よく食べてよく飲まれましたね」と言われるくらいに。
食べて飲むことで、どうにか今の状況を吞み込もうとしていた。グダグダ言ってても、時間ばかり過ぎて行って、治療が先延ばしになるだけだから。
本当は、全部採用しなくてよかったんだけどね。
仕事も好きだったし、治療のために仕事を諦めて、妊娠という結果が出なかったら?とも思っていた。
私にとって、ビジネスキャリアって本当に大切だったし、
今も、なんなら大切だ。
今、不妊治療とキャリアの天秤に悩んでいる人がいたら、伝えたい。
無責任に聞こえるかもしれないけど。
「どれか一つだけを選んでも大丈夫。」
だって、いくらでも築き直せるから。